納骨はどのように進める?遺族が押さえる手順とマナー

納骨はどのように進める?遺族が押さえる手順とマナー
納骨は、葬儀が済み火葬を経て、元に還ってきたお骨を扱うのですから、キチンとした手順を踏まなければなりませんよね。とは言え特にはじめてのことでしたら、何かとわからないことが多いもの。

人によっては新しくお墓を用意する必要がありますし、悲しむ間もなく様々な事柄や法要が重なりますから、納骨をどのように進めていいか、喪主や遺族が混乱することも当然です。

納骨までの様々な手順は、確かに簡単に済むものではありません。大切な事は、故人が安心して休むことができるよう、ひとつひとつの作業を確認しつつ、落ち着いて進めていくこと。

納骨の手順の意味が理解できれば、きっと納骨に関する様々な儀式や流れも把握でき、スムーズに進められますよね。そこで今回は、仏式での納骨の進め方を主にお伝えしながら、納骨に伴う「手順」についてお話をしていきます。

 

納骨はどのように進める?
遺族が押さえる手順とマナー

 

納骨に際しての「必要な書類」

納骨を行うに当たって、必ず必要な書類があります。それは「埋葬許可証」と墓地や納骨堂などの使用権利書。このうち埋葬許可証については、入手できるまでやや特殊な経過をたどるのです。

【 納骨の手順:埋葬許可書 】

① 人が亡くなったら、役所に出向いて死亡届を提出すると同時に、火葬許可申請書も提出します。すると火葬許可証が交付されます。

② 遺体を火葬する際には、火葬場に火葬許可証を提出します。

③ 火葬が終わり、遺骨が戻ってくると同時に火葬許可証に、火葬執行済等の記載が行われたものが戻ってきます。

④ この記載済みの火葬許可証がそのまま、埋葬許可証となるのです。

なお、この埋葬許可証は再発行ができません。したがってお墓となる場所の使用権利書とともに失くさないよう、きちんと保管をしておくことはとても重要です。

 

納骨場所・納骨方法を決める

菩提寺の先祖代々のお墓や、故人が亡くなる前に自ら用意したお墓があれば、多くの場合はそこに納骨することになりますが、新しくお墓を用意するケースも考えられます。

【 新しいお墓を用意する場合 】

■ その場合は納骨前に「開眼供養」が行われることになります(開眼供養と後述する、「納骨法要」も続けて進める形が一般的)。

またお墓ではなく、寺院や霊園などの「納骨堂」に納骨する選択肢もあります。その場合の利用は、お墓が用意できるまでなどの一時的な「期限付き納骨」と、「永年(または永代)納骨」のふたつの利用法が考えられます。

 

納骨の日時を決める

納骨の日は、この日に必ずというものは特に定められていませんが、仏式なら一般的には四十九日法要や百箇日法要、一周忌法要のいずれかの法要に合わせて行うケースが多いです。

【 納骨を済ませる目安 】

■ 新しくお墓を用意しなければならない場合は、当然納骨まで時間がかかりますが、遅くとも三回忌法要(命日から満2年)までには、納骨を済ませるようにしたいもの。

・ また、納骨に当たっては「納骨法要」を行いますので、日取りだけでなく、何時から法要を始めるかも合わせて決定するとスムーズです。

 

お寺などへ連絡する

納骨の日時が決まったら、菩提寺や石材店、墓地の管理者等、関係各所に連絡です。

納骨法要は墓前で行いますが、もしもそれ以外に法要を行う場合は自宅で行うのか、寺院で行うのか、はたまた斎場で行うのか…など、移動することを考慮して法要の場所を選び、こちらについても該当する場所があったら忘れずに連絡を入れます。

【 特に菩提寺がない場合 】

■ 葬儀の時に読経等を依頼した寺院にお願いすると、スムーズです。

・ なお、カロート(骨壷が納められている扉)の開け閉めが自分たちで出来ない場合は、石材店に依頼する必要があります。

このように関係各所がいろいろあるために、うっかり連絡をし損ねてしまう可能性もありますので、ひとつひとつチェックをしながら、正確に日時や依頼を伝えるよう、心がけることが大切です。

 

参列者へ連絡する

次に、親族や知人など参列してほしい方に「納骨法要」の案内状を送りますが、四十九日法要など、その他の法要と一緒に行う場合は、案内状にその旨を記しておきます。

【 案内状を送る 】

■ 目安としては法要の1か月前までに投函し、2週間前までに返信が来るように設定しておけば、法要後の会食(お斎)の予約などをスムーズに行うことができます。

・ なお、親しい親族であれば電話やメールの連絡でも構いませんが、日頃からあまりつきあいがなかったり、年配の方なら案内状でお知らせをしてください。

 

会食会場の予約と引出物の手配

法要後には一般的に会食を行います。

【 法要後の会食 】

■ 場所は斎場やホテル、日本料理店、レストランなどが考えられますが、予約の際には法要後の会食であることを忘れずに伝えておくと、何かと気を配ってくれます。

・ これは鯛や伊勢エビなど、慶事に使われる食材を避けてもらうことが出来るので、ひと言添えて予約してください。

また、参列者には引出物を贈るのが習わしですので、お菓子やお茶、洗剤やタオルなどの日用品、あるいはカタログギフトなどをあらかじめ選び、手配しておきます。

 

お布施やお礼の準備

仏式の場合は、法要の際に僧侶にお布施を渡すことになります。

【 僧侶へのお布施 】

■ 納骨法要の相場は3~5万円となりますが、他の法要と一緒に納骨法要を行う場合には、その額と合わせて渡すことになる点を注意してください。

・ なお、お墓を新しく用意したら開眼供養も追加しなければなりません。こちらについてのお布施も忘れずに。他にもお寺の本堂を法要の会場として使用したら、その使用料も必要です。

また、葬儀の時と同様に、僧侶が会食を辞退する場合は「御膳料」、霊園などの墓地に出向いて貰ったら「御車代」も必要になります。また、卒塔婆の相場は1本3,000円程度とされていますが、詳しい金額は寺院側に確認すると安心です。

 

いかがでしたでしょうか、大まかな手順や進め方を知るだけで、施主の心もグンと軽くなるはずです。また、神式・キリスト教式でも明確に、この日に納骨を行うという決まり事はありません。神式では五十日祭まで10日ごとに行われる、霊前祭のうちに埋葬祭を行って納骨するのが基本。

一方キリスト教式では、カトリックでは命日から1か月後の追悼ミサ、プロテスタントでも同様に命日から1か月後の召天記念日に納骨するのが、一般的となっています。

儀式の内容などはもちろん仏式とは違うものの、納骨そのものにまつわる準備や、各所や参列者への連絡の時期、会食の予約、御礼などの包み方は本文で述べたものに準じますので、参考にしてください。

安心して休むことができる場所に落ち着いてはじめて、故人も遺族もホッとできるもの。不明な点は関係各所に確認しつつ、確実に納骨までの準備を行い、その日を迎えてください。

まとめ

施主の納骨法要の進め方

・「埋葬許可証」と「使用権利証」を準備する
・納骨場所、納骨方法を決定する
・納骨を行う時期を決める
・関係各所への連絡はチェックをしながら進める
・参列者への案内状は一ヶ月前までに投函
・会食や引出物の手配を行う
・僧侶へ渡すお布施やお礼を準備する


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