仕事をする上で接待はつきものですが、そんな接待にもマナーがあるなんてご存知ないという方もいますよね。こちらが招待して御馳走を食べてもらって帰ってもらうだけ、なんて簡単に考えてはいけません。この接待でこれからの仕事の円滑な取引ができるかどうかに懸かっていたりします。そう思うと接待も気合が入ることでしょう。
日本人にはある程度「おもてなし」の心が根付いているので、あなたが思う「もてなす心」にもうひと手間加えるだけで相手も気持ちよくなるはずです。「ゴルフ接待」なんて言葉を聞いた事がありませんか。一緒にホールを回り相手が気持ちよくプレーできるようにサポートしたり、掛け声をかけたりしておもてなしするのです。
そこで今回は、接待マナーでも食事でのおもてなしについてお伝えします。
お食事接待の基本
お食事接待のマナーについての基本5か条をお伝えします。
1.場所
2.二次会や三次会の場所
3.料理
4.お食事中の進行
5.会計やお帰り
基本中の基本なので、次から接待のマナーについて掘り下げてお伝えしていきます。
接待5か条:1.場所
接待のマナーとして、相手と話すということが重要になってくるのでお食事の場所はとても大切です。周りがざわざわしている場所ではゆっくりと話ができないですよね。話すということに重きを置いているなら、ゆっくりとした空間であまり人目がつかないようなところが好ましいです。
また、相手がこちらに出向く負担を軽くする必要もあります。駅から近い、相手の最寄駅に乗り換えなしで来てもらえる場所など店選びも工夫が必要です。
今やお店もネットで予約できる時代ですが、行ったことのないお店での接待はかなりリスキーです。イレギュラーな事が起こったり、ネットとは全く違う感じだったりと想像していなかったことが起きる可能性もあります。
接待に使うと決めたなら一度はお店で食事をして下見することが大切です。その際にお店の方に接待で使いたいという旨を伝えれば店員さんの配膳や配慮も違ってくるでしょう。
接待のマナーというよりは準備を含む根回しが大事ということです。
接待5か条:2.二次会や三次会の場所
接待のマナーとして一次会で終わるということは基本的に少ないと考えましょう。やはり二次会、三次会と続くという事を前提に店を選ぶ必要があります。
お食事接待での盛り上がり方が違えば二次会の雰囲気も変わってくるので、3パターン用意しておく事をお勧めします。お店の種類もバーやスナック、カラオケなど水商売のパターンを3種類ほどチョイスしておきます。
また、一次会のお食事の店からの道順をしっかり下調べしておき、スムーズに誘導できるかどうか確認しておきます。段取りよく行うことが接待相手から印象よく思われる秘訣です。
接待5か条:3.料理
いよいよ具体的な事を決めていきます。接待のマナーとして食事はコースを選択する方が一般的です。相手の好みに合わせて料理を決めてコース料理で予約しましょう。
また、接待相手が女性を連れてくる場合はデザートも注文できるか店側と打ち合わせをしっかりしておきます。
接待の相場はおおよそ5000円になっています。バーやスナックは経費でも交際費として落とせますが、カラオケは残念ながら経費では落とせません。
また、お食事会で取引先が別注文をするなど予算をオーバーした時のために少し余計にお金を用意する必要があるので注意しましょう。
接待5か条:4.お食事中の進行
接待中のマナーとして接待を行うが側が常に主導権を握っているということです。
席も接待相手の取引先は「上座」といって部屋の奥に座り、あなたは「下座」といって部屋の出口が一番近いところに座ります。
出口に一番近い席ということは取引先の為に動くということになります。
1.空いた皿を下げる
2.グラスにお酒を注ぐ
3.大皿できた料理には取り分け係に徹する
4.店員さんを呼ぶ
このような行動をすすんで行いましょう。取引先が気持ちよく食事するための配慮を行うということです。食事を始めるときも接待相手が料理に箸をつけてから頂きましょう。
また、接待相手の気持ちを和ますためには会話も大切です。趣味の話、最近の流行、天気などいろいろな話題で相手を楽しませましょう。
ただ、政治的な話など思想に触れる話題は避けてください。接待相手からその話をされた場合は聞く訳に徹しましょう。
接待でのマナーでは相手を不快にさせず、良い気持ちで過ごしてもらうことに力を注ぎましょう。
接待5か条:5.会計やお帰り
接待のマナーとしてこっそり会計を済ますのはもはや常識。お食事が終わりそうになった時はそっと会計を済ませてください。この時にお土産をお願いしてもよいでしょう。
お食事中に「このウナギ美味しい」などの会話があれば会計時に持って帰れるようにお土産にしてもらうと「気の利くやつ」と一目置かれます。
食事だけで自宅へ帰るなどという会話になっていれば、会計時にタクシーを呼んでおくと取引先も気持ちよくお帰りになるでしょう。
タクシーに乗り込んだ取引先に「よろしければお持ち帰り下さい」といって先ほどの手土産を渡してお帰り頂くと印象も良くなるでしょう。
さて、接待一つにしてもかなり奥が深いのです。食事中はテレビの司会者のように会話を繋げながらお食事の進行状況を確認したり、テーブルの上を常にきれいに保つことも心がけなくてはいけません。ビール一つにしても瓶ビールのラベルを上に向けて注ぐ、相手のグラスが半分くらいになったらビールを注ぐなどとても気が張る仕事でもあります。
取引先と良い信頼関係を結ぶための機会であるのでぜひ気を抜かずやってほしいところです。
接待での会話の中で趣味が合う、話が合うなどこの機会でしか得られないこともたくさんあるのは事実です。「釣りバカ日誌」のように仕事では取引先や上司であれど、趣味の世界では良き仲間になることもあり得ます。
何かの縁で食事をすることになっていると考え、人と人との縁を大事にすればきっとあなたの未来は開けてくるでしょう。
まとめ
接待マナーといえば
・ゆっくり食事できる場所を下見しておく
・二次会や三次会の店も下見し、3パターンほど選択肢を持っておく
・料理は基本コース料理
・食事中の配慮は最大限に、下座へすわります
・会計はいつの間にか終わっているという感じで終わらせる