面接の入室マナーは、就職活動を始めると一度は通る道ですが、履歴書や自己アピール法に気を取られて、ついつい後回しになりがちな場面でもあります。けれども、無意識下では第一印象にあたる面接の入室マナーは、最重要事項!と言っても過言ではありません。
そして確かに基本的な面接の入室マナーの流れを、スムーズに滞りなくこなせることは大切なのですが、それでは周囲の人々とスタートを同じくしただけのこと。面接の入室マナーは当たり前として、より好印象を持ってもらわなければなりません。
そこで今回は、面接の入室マナーを簡単におさらいした後、面接官に好印象を持ってもらえる、印象に残してもらえるポイントをお伝えします。無意識下のものもありますので、だまされたと思って、あなたの就職活動の参考にしてください。
面接は入室時で決まる!
好印象から始まるポイントとは
面接の入室マナー、基本の流れ
就職活動の過程で、一度は触れるのが面接の入室マナーではないでしょうか。今回の記事では、好印象を持ってもらう第一印象についてお伝えしますが、簡単に基本の面接の入室マナーをおさらいします。
【 面接の入室マナー、基本の流れ 】
① ドアを3回ノックする。(2回は”トイレノック”と呼ばれ失礼です。)
② 「お入りください。」などの反応。
③ 「失礼します。」の後にドアを開ける。
④ 入室
⑤ 真後ろの姿勢にならないよう、ドアから斜めの姿勢で閉める。
⑥ 面接官の正面に、姿勢を変える。
⑦ 「(本日は)宜しくお願い致します。」
これが入室までの一連の流れです。時々入室後のドアを閉める際に、丁寧になりすぎて、面接官の正面を向いたまま後ろ手でドアを閉める光景があります。これは、頑張っている様子は伺えますが、少し違和感を与えますので、「斜めの姿勢」で大丈夫です。
面接の入室から着席まで
前回の項目では面接の入室までを伝えましたが、続けて着席までの流れも簡単に確認しておきます。このようなマナーは基本とした上での、好印象ですのでしっかりと習得を。
【 面接の入室マナー、着席まで 】
⑧ 挨拶を終えたら、お辞儀を
⑨ 椅子の「横」まで歩き進める。
⑩ 「お名前をどうぞ」など、自己紹介の促しがあります。
⑪ 名乗ります。(自己紹介)
⑫ 再度お辞儀。
お辞儀は一般的なビジネスマナー、接客マナーに倣った「45℃」のお辞儀です。時々頭を下げている時に顔を正面へ向けている事例があります。実は本人もその自覚がないようですので、自分で意識して頭を下げてください。そして、頭を下げたところで一秒静止も忘れずにしてください。
【 面接の入室マナー、着席 】
⑬ 「お座りください。」面接官より着席を促されます。
⑭ 「失礼します。」軽い会釈をして着席です。
この時初めて着席となりますが、気を緩ませずに背筋を伸ばして、椅子の背から離れて座ります。鞄は側面に立てて置くのが一般的な常識。手を膝の上に置きます。女性の手は重ねる姿勢が多いです。
印象が良くなる、アイコンタクト
ここまではごく簡単に面接の入室マナーの流れを伝えましたが、やはり大切なのは第一印象である所見時です。そう、面接の入室を促された後の、ドアを開いた瞬間です。
【 ドアを開けた時に、面接官とアイコンタクト 】
★ 清潔感のある明るい微笑みが好ましいです。しっかりとそれぞれの面接官を見て、口角を上げるように微笑みます。
このアイコンタクトでは好感度のある笑顔がなければ、成り立ちません。緊張するのは分かりますが、ただ目を見ているだけでは、反対に睨みつけられているような印象にも。そして好感度のある笑顔は、口が開いている笑いではなく「微笑み」です。
日頃から口角を上げる練習をしておくと、自然に良い笑顔ができます。
知っておきたい、メラビアン
ここで面接が入室時で決まる!と断言するのには、訳があります。心理学で言う「メラビアンの法則」です。人は話を聞いて、その内容から判断するように思われますが、実は無意識下では、印象による決定がとても多いのです。
【 知っておきたい、メラビアンの法則 】
★ 人の印象は視覚と聴覚が大多数を占めています。
・ 視覚による好感度 … 55%
・ 聴覚による好感度 … 38%
・ 会話による好感度 … 7%
驚きますが、話の内容はたったの7%と言うことになります。第一印象の「笑顔」や「清潔感」がかなりの重要度を占めているのです。
マナーよりも大切なこと
前項のメラビアンの法則で分かることではありますが、マナーよりも大切なこと、それは明るく清潔感のある印象です。実はそれは真実でもあって、自信がある人に感じられるオーラのようなものにも似ています。
【 明るく清潔感のある印象 】
★ 意識して「表情筋」を使いこなす
・ 口角の上がった笑顔
・ 笑顔でも目はしっかりと開く
・ 視線は相手の目や目の下を見つめる
このように面接の入室時に表情筋が柔らかな、表情豊かな笑顔が好印象ですが、姿勢によっても第一印象は左右されます。
【 好感度を持たれる、正しい姿勢 】
・ あごを引いて首をまっすぐ
・ 鎖骨部分を突き出すように、肩を引く
・ キビキビを足を出す
女性であれば少しバレリーナになったイメージでしょうか。普段慣れていないと、ぎこちなくなったり、不安が表情にも表れますので、こちらも日頃から習慣付けてください。
好印象を持たれる、声の質
実は声の質にも感覚によって印象が植え付けられます。特に面接ではハッキリと聞き取りやすい話し方と、大きな声は不可欠。けれども反対に大きすぎたりしても、面接官は疲れてしまいます。
【 好印象を持たれる、声の質 】
★ 女性であればオブラートが掛かった、少しだけ高い声
・ この高さが難しいのですが、緊張しすぎると声が上ずってしまいます。子どもが話す「黄色い声」は疲れませんか?それと同じでアナウンサーをイメージして、丁度良いトーンを心がけます。
★ 低い声の女性や男性は、落ち着いたハリのある声を意識して
・ 低い声であってもハリのある声を意識すれば、問題はありません。特に男性はハリがありながらも、低めのトーンで話すと説得力のある声になります。
面接の入室後は、確かに面接ではありますが相手を思いやるコミュニケーションですから、面接官である聞き手が心地よい話し方、を意識するとより良い印象を与えます。
練習をすることで得られる効果
ここまで面接の入室時のマナーと、好印象を与えるポイントをお伝えしましたが、頭では理解できてもなかなかすぐには実現しません。当日になって、あれもこれもと詰め込んでも、人間はあまりに多くのマルチタスクでは、頭がショートします。
【 面接の入室マナーを活用するために 】
★ まずは基本の面接の入室マナーをスムーズに
★ 笑顔や姿勢、声のトーンを早いうちから習慣に
何事もベイビーステップで、少しずつ習慣付けると、体が自然に反応して応援してくれます。
いかがでしたでしょうか。ここでは基本的な面接の入室マナーはもちろん、プラスαとして周囲に差が付く好印象のポイントをお伝えしました。ここまで読み進めると分かることですが、やはり日頃からのマナーの在り方が問われる、と言うことです。
もちろん日頃から言葉遣いが悪かったり、挨拶のしない日々ならば、それを改善して習慣付ければ良いのですが、難しいのは緊張への対処です。特に緊張しやすい人は、お腹が痛くなったり、ついつい表情が険しくなったりしがちです。
そんな時には面接の冒頭で、「緊張しておりますが、」などひと言添えても問題はないのです。このひと言で緊張が解けて、明るい印象へ変えられるのであれば、それが一番です。また、憧れの人に成りきる方法も一案です。
本記事を参考に日頃から、面接の入室マナーや笑顔や姿勢を改善、習慣付けて、「楽しみながら」就職活動を成功に導きましょう!
まとめ
面接の入室時に、面接官に好印象を持ってもらうポイント
・マナーのおさらい:ドアを閉める時には、斜めの姿勢で
・マナーのおさらい:お辞儀の基本は45℃。下を向いて一秒静止
・ドアを開けた所見時には、明るい清潔感ある笑顔でアイコンタクト
・メラビアンの法則では、視覚による印象が50%以上を占める
・好印象を与えるポイントは、表情筋を活用する!姿勢を正しく!
・声は高すぎずアナウンサーをイメージして、ハリのある声で
・日頃から表情や姿勢、入室マナーを練習してスムーズに