法事挨拶に盛り込むべき5つの要素。回忌別のポイントとは


法事での挨拶は一般的には施主が行うことになります。この法事は初七日にはじまり、それ以降四十九日、一周忌(四十九日と一周忌の間に百箇日が入ることもあります)、三回忌、七回忌…と続きますが、はじめは故人を亡くした悲しみが強くても、月日が経つにつれて誰の心も癒やされていくものです。当然施主が法事で行う挨拶についても時の流れで内容が変わっていくのが一般的です。

では、回忌別の法事の挨拶で参列者に心を伝えるための「盛り込むべき内容」とは何でしょうか。そこで今回は、法事挨拶についてお話を進めます。まず「基本的な法事の挨拶の構成」をご説明し、さらに盛り込むべき要素をお伝えします。これを参考に法事挨拶を組み立ててみましょう。

施主の挨拶の基本構成

施主が法事で挨拶をする場面は主に4回あります(ここでは会食があることを前提にしています)。以下に法事の挨拶の場面と、挨拶のおおよその内容についてお伝えします。

①法事の開始の挨拶→「参列への感謝の意→開式の宣言→僧侶への合図」

②法事の終了の挨拶→「参列への感謝の意→法事を滞りなく終えたことへの感謝の意→会食へのお誘い→閉式の宣言」

③会食の開始の挨拶→「法事を滞りなく終えたことへの感謝の意→会食へのお誘い→寛いでいただくよう促す」

④会食の終了の挨拶→「閉会までおつきあいいただいたことへのお礼→会食のお開きのお知らせ→帰路への気遣い」

これ以降の項目で、それぞれの場面について具体的な例文を取り上げ、ご説明します。

 

法事の開始の挨拶~「参列してくれたこと」についての感謝の意

まずは「法事の開始の挨拶」です。はじめに初七日の法事についてお伝えします。

この法事は葬儀・告別式を経て出棺と火葬が終了した後「還骨法要」を執り行いますが、この還骨法要に引き続いて行うのが現在では一般的になっています。

還骨法要に引き続いて初七日の法事が執り行われる場合は、この部分の挨拶は省略されますが、また別の日に改めて初七日の法事を執り行う場合は施主が「法事の開始の挨拶」を行います。

「本日はお忙しい中をご参列頂き誠にありがとうございます。これより故〇〇〇〇の初七日法要を始めさせていただきます。(僧侶に向かって)それでは宜しくお願い申し上げます」※僧侶への合図は目礼でも構いません。

この挨拶はこれ以降の法事の挨拶でも「初七日法要」を「四十九日法要」「一周忌法要」と言い換えれば共通して使うことができます

ここで述べたいのはやはり「忙しい中貴重な時間を割いて、故人のために集まってくれたことへの感謝」です。「法事の閉会の挨拶」でも述べることになりますが、まずは参列者への感謝の意を伝えます。

 

法事の終了の挨拶~感謝の意と共に、素直な心情を盛り込む

法事の終了の挨拶は以下のようになります。こちらも初七日の法事(葬儀~火葬と同日の場合)をまず例文として取り上げます。

「本日はお忙しいところ、故○○○○の初七日にご参列いただき誠にありがとうございました。おかげさまで無事に法要を執り行うことができました。また、葬儀も本日、皆さまのおかげをもちまして無事に執り行うことができました。お世話になりましたこともあわせて御礼申し上げます。

父は突然この世を去ってしまったため、まだ気持ちの整理がついていませんが、今後は家族一同力を合わせ、父が安心できるように生きていきたいと思います。今後ともどうぞ、私たち家族を宜しくお願い申し上げます。

なお、本日はささやかではございますが、おもてなしの用意をいたしております。お時間の許す限りごゆっくりお過ごしくださいませ。本日は誠にありがとうございました」

このように、初七日の法事とその前の葬儀を無事執り行えたことへの感謝の意と、その後に遺族としての素直な心情を盛り込みます。この部分は月日が立つと変わっていく部分ですので、例えば四十九日の法事以降では、

「…無事に法要を執り行うことができました。父もきっと安心してくれていると存じます」

という言い方に変えれば良いでしょう。

 

会食の開始の挨拶~寛いでいただくことを前面に

会食の開始の挨拶では、どのような回忌でも感謝の意と「寛いでいただくこと」を参列者に伝えます。

「本日はお忙しいところを、誠にありがとうございました。多くの皆さまに父を偲ぶ席におつきあいいただき、父もきっと喜んでいると存じます。

このようなささやかな席ですが、おもてなしのご用意をいたしました。父の思い出話などをお伺いできれば幸いでございます。時間の許す限り、どうぞお寛ぎくださいませ」

会食の終了の挨拶~感謝の意と、帰路への気遣いの言葉

会食が終了すると、法事の全予定も終了ということになります。ここでは最後までおつきあいいただいた感謝の意と、帰路への気遣いの言葉を述べます。

もし悪天候なら「くれぐれもお気をつけて」などの言葉を盛り込みます。また、どのような回忌でも基本的には同じですが「法事の終了の挨拶」同様に「遺族としての素直なその時の心情」を述べると良いでしょう。例文では一周忌の法事を想定しており、引き物についても触れています。

「皆さま、本日はお忙しいところ最後まで父のためにおつきあいいただき、誠にありがとうございました。名残はつきませんが、遠方からお見えの方もいらっしゃるため、本日はこれにてお開きとさせていただきます。まだまだ未熟な私たち家族ですが、どうぞこれからも変わらぬご支援のほどを宜しくお願い申し上げます。

ささやかではございますが、お手元にお礼の品をご用意いたしました。お荷物になってしまい大変恐縮ですが、どなたさまもお忘れないようにお持ち帰り頂ければと存じます。どなた様もお足元に気をつけてお帰り下さい。本日は誠にありがとうございました」

 

回忌によって変わる「伝えるテーマ」

最後の項になりますが、法事の挨拶で「伝えるテーマ」を回忌別にまとめました。

・初七日→故人を亡くした悲しみと、遺族への変わらぬ支援のお願い
・四十九日→やや心が落ち着いてくる頃。故人も安心しているだろう、などの言葉を。
・一周忌→最初の年忌法要のため、参列者には心をこめて挨拶を。
・三回忌以降→悲しみも和らいで、故人との良い思い出を語れる頃。ここまで集まってくれた感謝の意を前面に。

例文をもとに、回忌別にこれらの要素をプラスしていけば、きっと参列者の皆さんに心が伝わることでしょう。

 

このように、法事の挨拶はどの時期においても基本的な構成は変わらないものの、遺族として伝えたいことは、時の流れとともに変わってくるのが一般的です。しかし月日が経っても、何度でも伝えるべきことは「参列者に対する感謝の意」に他なりません。参列してくれたことへの感謝、法事を無事執り行えたことへの感謝、長い時間を共に過ごしてくれたことへの感謝など、ひとつひとつを丁寧に参列者へ伝えましょう。

法事は故人を偲ぶよい機会となりますが、生きている者が故人が繋いでくれた縁に感謝する機会でもあります。そこに重きを置いて法事の挨拶をすれば、より一層、参列者の皆さんの心に遺族としての言葉が温かく伝わっていくことでしょう。

まとめ

法事の挨拶で「感謝の意」を伝えるには

・施主の挨拶の基本構成を確認しよう
・法事の開始の挨拶~どの回忌でも「参列してくれたこと」についての感謝の意を伝える
・法事の終了の挨拶~感謝の意と共に、素直な心情を盛り込む
・会食の開始の挨拶~寛いでいただくことを前面に伝える
・会食の終了の挨拶~最後までおつきあいいただいた感謝の意と、帰路への気遣いの言葉を伝える


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