結婚式などでお祝いのお金を包むご祝儀袋の書き方には、マナーに基づいた細かいルールがあります。もし間違った書き方をしてしまうと、恥ずかしい思いをするばかりか、送った相手に失礼なケースもあります。もし、お祝いしたい気持ちをきちんと伝えたいのなら、ルールに合ったご祝儀袋の書き方をマスターしましょう。
ただ、一口にご祝儀袋と言っても、印刷された封筒状のタイプから、和紙でお金の袋を包んで表書きの短冊とともに水引で結ぶタイプなど、値段の安いものから高いものまで多くの種類がありますよね。そのため、表書きの書き方も重要ですが、どのタイプのご祝儀袋を選ぶかも意味があります。
そこで今回は、祝儀袋の選び方から、表書きから中袋などの祝儀袋の書き方についてお伝えします。
ご祝儀袋を選ぼう
祝儀袋の書き方を説明する前に、祝儀袋の選び方を簡単に解説しましょう。祝儀袋は、いろいろなタイプが販売されています。この選び方を間違えるとマナー違反になるので気をつけてください。
まず、祝儀袋として値段が違うものが売られています。これは、中に入れる金額によって、選ぶ祝儀袋が変わります。入れる金額の1/100の祝儀袋を選ぶとよいとされているので、参考にしてください。また、水引にも注意が必要です。水引とは紅白または金銀で祝儀袋を結ぶ紐のことです。例えば、結婚式のお祝いに使うのなら、蝶結びの水引を避けて、オーソドックスな水引の紐が上を向いものを選ぶか、デザイン性の高い水引が使われた祝儀袋を選びましょう。
これは蝶結びの水引は、何度でも結び治せることから、複数回お祝いが続くように、という気持ちを込めて贈ります。そのため出産などは蝶結びの水引を使いますが、1度きりの結婚式では結び治せないあわじ結びのものを使います。
表書きの書き方
祝儀袋の書き方で特に気を使うのが、表書きの書き方です。まず、祝儀袋によっては短冊が付いています。そして、その短冊に贈る名目と自分の氏名を書きます。また、短冊に贈る名目が印刷されたタイプもあります。その場合は、自分の氏名のみ書き加えます。また、安価な祝儀袋では、袋の表に贈る名目が印刷されたタイプもあります。このタイプでは、袋に直接自分の氏名を書きます。
なお、贈る名目を自分で書く場合、文字数を奇数にするのが良いとされています。例えば、結婚式なら「寿」のみを、またお子さんへのお祝いなら「御出産御祝」や「祝合格」と書くのが一般的です。また、祝儀袋の書き方で気をつけたいのは、水引の位置です。贈る名目と自分の氏名が水引できれいに分かれる位置に書くように心がけましょう。
表書きは筆で書くのが基本
祝儀袋の書き方で、多くの人が面倒だと感じるのは、筆記用具ではないでしょうか。通常、手書きで祝儀袋に名目と氏名を書く場合、筆または筆ペンを使い、太い文字で書きます。なお、贈る名目を大きな字で書き、名前はそれよりも小さい字で書くと見た目がよくなります。
ただし、万年筆やボールペンなど、細い字で書くと見た目が良くありません。そのため万年筆などは使わないのがマナーです。また、太い文字が良いとはいえ、サインペンを使うものマナー違反です。
しかし、今の時代、筆で美しい文字を書ける人は多くありませんよね。祝儀袋の書き方で、手書きにこだわりが無いのでしたら、パソコンで印刷してしまうのも1つの方法です。また、インターネットで祝儀袋を購入した際に、代書専門のプロが代筆してくれるサービスもあります。字が下手だと感じている方は、こういったサービスを利用してはいかがでしょうか。
中袋の書き方
ちょっと値段の高い祝儀袋は、水引を外して和紙の包みを開くと中にお札を入れる中袋が付いています。この祝儀袋の中袋の書き方も、表書きと同じように気を使ってください。まず、中袋には表と裏があります。そして、表には旧字表記で縦に金額を書きます。ここで言う旧字表記とは数字を漢字で書く方法で、例えば3万円の場合は「金参萬円」と書きます。
また、裏側には、県名から始まる正式な住所と氏名を、読みやすい文字で縦書きで書きます。なお、中袋の文字は、サインペンなどで書いても問題ありません。使い慣れた筆記用具で、丁寧な字で書くよう心がけてください。また、中袋の無い祝儀袋では、袋の裏側に金額や住所を書きます。その場合の書き方は、中袋の裏側と同じです。
お金の入れ忘れに注意
祝儀袋の書き方に注意して、時間をかけて書いたのに、最後にお金を入れ忘れてしまったら、当日恥ずかしい思いをしてしまいます。特に、中袋のタイプでお金を入れ忘れないように注意しましょう。なお、祝儀袋に入れるお金は新しいお札を使うのがマナーです。銀行の窓口でお願いすると用意してもらえるので、あからじめ用意しておきましょう。
また、表書きを書いた和紙を畳んで水引で留める際、お祝い事に使う祝儀袋なら、裏側を上向きに開くように留めるのがマナーです。さらに、短冊が入った祝儀袋で、短冊が2枚入っていたとしたら、贈る名目と自分の氏名を書いた短冊の裏に、無地の短冊を重ねて使ってください。これには、「喜びが重なるように」という意味があります。もちろん、1枚の短冊でも問題ありません。
以上、祝儀袋の選び方から、表書きから中袋などの祝儀袋の書き方についてお伝えしました。
日本では、お金を裸で渡すのは失礼にあたるので、和紙や水引で作った祝儀袋で包んで送るのが一般的です。そして、そのような祝儀袋には、縁起の良い書き方や水引の結び方などに細かいマナーがあります。そして、ご祝儀袋にお金を入れて贈るということは、相手を思っている贈ることの証となります。
とはいえ、祝儀袋の書き方でマナー違反をしていたり、間違った祝儀袋を使っていたりすると、お祝いする気持ちが相手に伝わらなくなってしまいます。そのようなことにならないためにも、正しい祝儀袋の書き方と、正しい祝儀袋の選び方をマスターしましょう。そして、お祝いの気持ちをご祝儀袋とその中のお祝い金に込めて贈りましょう。
まとめ
お祝いの気持ちを正しく伝えるご祝儀袋の書き方とは
・お祝いに合ったご祝儀袋を選ぼう
・正しいご祝儀袋の表書きの書き方とは
・表書きは筆を使い、太い字で書くのが基本
・お金を入れる中袋の正しい書き方
・ご祝儀袋へのお金の入れ忘れに注意