納骨は喪主にとって、大切な事柄のひとつですが、実際には大切な人がこの世から急にいなくなってしまったら、落ち込んだり気が動転してしまいますよね。悲しいなかでも役目があるこの時期、事前に持っている知識はとても力強く、喪主や遺族をサポートしてくれます。
万が一の時に焦ることなく、そして心残りなく、故人をしっかりと見送ることが出来るように、今のうち基礎知識を身に付けておきたいものです。周囲に故人の見送り方について「何も知らない。」とは言ってられない状況で、ちょっとした知識が助かること、多いですよね。
そこで今回は、身近な人が亡くなってしまった時に、事前に知っておくと心強い、そんな基礎知識の中から、納骨の仕方と費用相場についてのお話をします。
納骨の仕方と費用相場とは。
遺族が知りたい基礎知識
納骨は法要に合わせるのがベスト
「納骨はいつしたら良いの?」という質問は、意外と多いです。実は仏教では「納骨は絶対にこの日でなければいけない」という決まりはありません。遺族の皆さんのタイミングで行ってください。
【 納骨でベストなタイミング 】
■ しかしながら、ほとんどの場合「四十九日」「百箇日」「一周忌」などの法要に合わせて行われます。
・ なぜなら、それが一番余計な出費がかからないからです。
何かの法要と合わせて行うと、お菓子や料理の準備もまとめることが出来ますが、納骨日だけ別に設けてしまうと準備費用が余計に掛かってしまいます。
ですから、四十九日の法要と納骨を一緒に執り行う事例がほとんどです。基本的には、故人の三回忌までに納骨を済ませるようにしてください。
納骨方法は?
最近は、いくつかの納骨方法の中から、故人や遺族が選ぶという形式になっています。ここでは代表的な、3つの納骨方法をご紹介していきます。
【 納骨の主な方法 】
① まずは最もスタンダードな「お墓への納骨」です。
・ 両親・祖父母・先祖代々のお墓がある場合は、自然の流れでお墓への納骨をする人がほとんどなのです。
② 「納骨堂を利用する」という納骨方法。
・ 納骨堂を利用すると言うことは、お墓を持たない納骨方法と考えても良いかもしれません。以前の一時的に保管する納骨堂とは意味合いが異なります。
最近では核家族化が進みんだことや、お墓に関する出費が多いことが要因となり、お墓を持たない人も増えてきました。そこで、お墓を持たない人のための納骨堂がどんどん増えているのです。
③ 自然葬と言われる納骨方法です。
・ これは遺族のお骨を、海や土などの自然に返してあげるという納骨方法。最近では、自然葬を自ら希望される方も多くなってきました。
納骨法要の際の僧侶への対応は?
納骨法要をしてもらった際には、きちんと僧侶にお礼を渡すのが礼儀。また法要の後に、僧侶をお食事会にご招待した場合は、お布施とお車代の2つを準備してください。
【 納骨法要時の僧侶へのお礼 】
■ その金額は50000~100000万円と、決して安い金額を包むわけではないので、予算的に厳しいという遺族の方も、確かにいます。
・ その時には、お昼のお食事で済ませられるように日程を組むのがベストです。
夜はお酒や懐石料理などで食事代も高くなってしまいますが、お昼であればお酒よりも食事中心の席になるので、費用はグンと抑えられるのです。もし、納骨を行った場所でそのまま食事会を開くことが出来るなら、仕出し屋さんに料理を頼むのも1つの方法です。
納骨に必要な物と相場は?
納骨をするにあたって、線香・ろうそく・お供え物(お酒や果物など)を準備しなければいけません。
【 納骨に必要な物と相場 】
■ ご家庭でどのようなものを準備するのかによって、コストも変わってきますが、だいたい5000~15000円ほどかかると予想しておくと安心です。
・ また、これは必ず必要な経費となってくるのですが、お墓に個人の没年や戒名を掘る「墓誌」の費用として40000~50000円程かかってきます。
もちろん、石材店によって価格は変動することも理解して、準備を進めてください。上記のものは、納骨を行う際に必ずかかってくる経費となりますので、前もって把握しておくと、準備がスムーズです。
場合によって必要となる費用とは?
先ほどは、納骨をするにあたって絶対に必要となる経費についてお話をしました。けれども、ここからは場合によってかかってくる経費になります。遺族として必要になってくるのかを、しっかりと見際めて進めてください。
【 場合によって必要な費用 】
① 納骨する際に、お墓の下部にある納骨場所を開ける場合。
・ これを専門の業者に頼めば20000~30000円はかかります。出来るだけ予算をかけたくないのであれば、自分で開け閉めするようにして下さい。
② 新しいお墓に納骨する場合。
・ 新たな法要をしなければいけないので、僧侶に対するお布施が発生します。
このようにお墓の状態によって、お金が発生してしまう場合もあると覚えておき、漏れのないよう準備をしておく必要があります。
費用を安くしたいのなら合同の埋葬法を
「納骨の費用を出来るだけ安くしたい。」と、神経質になる遺族の方は少ないではありますが、どうしても納骨費用を削減したいのなら、合同の埋葬法を利用することをオススメします。
【 合同の永代供養 】
■ 合同墓や合祀墓(ごうし)は永代供養墓という種類のお墓で、基本的にお寺が管理してくれます。
・ 複数人の遺骨を同じお墓に埋葬するので、個人所有のお墓よりも管理費がかかりませんし、当然納骨の費用も安く済みます。
合同の埋葬法だからときちんと管理・供養されないというわけではなく、遺族の代わりにお寺がやってくれますので心配することはありません。
納骨しない方法も増えている
最近は、納骨という埋葬方法を取らない故人も増えています。お墓や納骨堂を利用しないで、海に散骨したり土に返したり、記念樹と共に埋めるという納骨方法もあるのです。
【 納骨しない選択 】
① 散骨などを遺族が行えば埋葬費用はかかりませんが、近頃は代行業者が遺族の代わりに海や山へ出向いて、散骨するケースも少なくありません。
・ その場合は、もちろん葬送サービスのお金がかかります。
② また、手元供養と呼ばれる方法もあります。
・ 遺骨をペンダントやケースなどのアイテムに入れて、遺族が持ち歩くというパターンの供養です。
いかがでしたでしょうか。今回は遺族が知りたい基礎知識として、納骨の仕方と費用相場について、詳しくお話しました。突然、最愛の人が亡くなって途方に暮れてしまいたくなる気持ちのなかで、流れや選択肢を理解していることは、心強いもの。
悲しみのなかでも、知識があるだけで落ち着くこともできるうえ、遺族として最も適切な方法を選択して、故人を見送る役目を果たすことができます。
先祖代々のお墓なのか、納骨堂なのか、また納骨をしない供養方法なのかによって、お寺との関係も費用も変わってくることも、理解頂けたのではないでしょうか。
また、最近「終活」という言葉をよく耳にしますが、元気なうちに家族の中で葬儀や納骨に関して、意見交換しておくのも1つの方法。お金をかければ供養が出来るというわけではなく、きちんと見送ってあげたいという遺族の気持ちがとても大切なのです。
まとめ
遺族が知っておきたい、主な納骨方法と相場
・納骨は四十九日の法要と共に行うのがベスト
・お墓の埋葬、納骨堂、自然葬が主な選択肢
・納骨法要では僧侶にお布施とお車代が必要
・線香・ろうそく・お供え物を準備する
・お墓を開ける、新しいお墓の法要にも費用が掛かる
・合祀の永代供養墓を選ぶことで、安い納骨もできる
・海に散骨、手元葬などの方法もある