通夜のマナーを知らないと自分自身が恥をかきますし、故人やご遺族の方にも失礼にあたります。とは言え、通夜は日常的にあるものではありませんし、通夜のマナーを学校で学ぶわけではありませんから、知る機会がないですよね。
子供のころ、両親に連れられて通夜に行く場合は親からマナーを教えてもらえますが、大人はそうはいきません。
しかし通夜というのは、故人とともに過ごす最後の夜で、宗教によって考え方の違いはあるものの、遺族や近しい人たちが故人との最後のお別れをする大切な儀式です。やはり参列する場合には、故人や遺族に失礼にならないようにしなくてはいけません。
そこで今回は最低限知っておくべき、通夜のマナーを7つのポイントに分けてお伝えします。宗教や宗派によって細かなマナーは異なりますが、常識として知っておくべきポイントを厳選して解説します。
通夜のマナーは大丈夫?
知らないと恥をかく「常識」とは
会場への到着時間
通夜のマナーとして意外と意識されにくいのが、何時に通夜の会場に到着するかの時間です。通夜には開始時間が設定されていて、連絡を受ける際にはその時間も案内されるはずです。
【 通夜マナー:到着時間 】
■ 通夜は、受付をして列に並んで順番に焼香をするため、終了するまでなら何時に到着してもいいと誤解されがちですが、これは誤りです。
・ 開始時間の10分前には到着するのがマナーなのです。時間に遅れるとしてもなるべく早めに行くべきです。
受付でのお悔やみの言葉
【 通夜マナー:お悔やみの言葉 】
■ 通夜の会場に到着したらまず受付を済ませます。この時に香典を渡すのですが、この際に受付の方にはお悔やみの言葉を述べるのが通夜のマナーです。
通夜の会場では、葬儀場のスタッフが受付をするケースもあり、遺族の人ではないから言わなくてもいいと考えてしまうかもしれませんが、お悔やみの言葉はマナーなので忘れてはいけません。
■ 「この度はご愁傷さまです」と述べるのが基本です。
香典袋の表書き
通夜のマナーとして、忘れてはいけないのが香典に関するマナーです。香典袋には表書きが書かれていますが、この表書きは宗教によって異なります。
【 通夜マナー:香典の表書き 】
■ 仏教の場合は「御霊前」「御香典」、キリスト教の場合は「御霊前」「御花代」と書きます。
通夜の葬儀がどの宗教に則って行われるのか事前に確認して、その宗教に合わせた表書きの香典袋を用意する必要がありますが、わからない場合には「御霊前」と書かれている香典袋を使うと間違いありません。
会場でのふるまい
通夜のマナーと言うと、香典や服装、持ち物などを押さえておけば問題ないと思う人が多いですが、当日にマナーが悪いなと思われるケースで多いのが、会場でのふるまいです。
【 通夜マナー:会場でのふるまい 】
■ 通夜というのは厳かに行われるべきから、会場で笑うことは論外ですし、大声で会話をしたり、大きな身振り手振りでアクションすることも控えるべきです。
焼香が済んで会場を後にする時や通夜ぶるまいの会場で知り合いと顔を合わせるとつい気が緩んでしまうことがありますから、十分に注意することが必要です。
焼香の作法と数珠の持参
仏教式の通夜では焼香があります。焼香は通夜のマナーとして必ず押さえておかなくてはいけないポイントの1つです。多くの葬儀場では立って焼香をする立礼焼香が多いですが、焼香の回数は宗派によって異なります。
【 通夜マナー:焼香の仕方 】
■ 自分の順番が来たら、後方の人、僧侶、遺族に一礼をして焼香台に進んで遺影に一礼、焼香を済ませたら、合掌をします。
・ このときに必要なのが数珠です。数珠は必ず持参しなくてはいけませんから、持っていない人は購入してから通夜の会場に行くべきです。
合掌が終わったら、遺影に一礼して、3歩下がり、遺族と僧侶に一礼して出口に進むか、席があった場合には自分の席に戻ります。
喪服と持ち物
通夜のマナーとして日頃から準備が必要となるのが、喪服と持ち物です。通夜では、正式な喪服を着ていく必要があります。
【 通夜マナー:持ち物 】
■ 靴は黒、バッグも黒が基本で、さらに素材は本革ではなく布製のものが正式です。
・ 女性でアクセサリーやヘアアクセサリーを付ける場合には、ゴールドのモノは付けず、黒のものを選ぶようにします。
必要のないアクセサリーはつけないのが無難です。靴やバッグには金具が使われていることが多いですが、金具の色もゴールドではなくシルバーか黒のものでなくてはいけません。
通夜ぶるまいのマナー
通夜のマナーとして勘違いしている人が多いのが通夜ぶるまいに関してです。通夜ぶるまいというのは、通夜の会場でお寿司や料理、お酒を参列者に向けて振る舞われるものです。
【 通夜ふるまいのマナー 】
■ 「食事やお酒を進められた時、遠慮するのが正しい。」は間違えです。
・ 遠慮せずに一口でもいいので頂いてから帰るのが、通夜のマナー。
確かに勘違いをしている人々が多くいますが、通夜ぶるまいは故人の供養の意味合いもあるのです。
いかがでしたでしょうか。通夜のマナーを守るということは、故人や遺族への敬意の表れにもなります。
会社の同僚の親族や、取引先のつきあいなどで通夜に参加することになった場合など、自分が直接面識がない人の通夜に参列する場合には「行かされている感」を感じて、通夜のマナーがおざなりになってしまうことがあります。
しかし、通夜は故人との最後の別れを惜しんだり、供養をするための大切な場所です。故人や遺族はもちろん、通夜に参列している他の方にとって失礼がないように振る舞わなくてはいけないのです。
自分が恥をかかないために、また、周囲の人に失礼にならないためにも通夜のマナーはしっかりと押さえたいですよね。
今回解説したように、通夜のマナーはそんなに難しいものではありません。頭で理解してしまえば忘れることはめったにありませんから、一度おさらいしておきましょう。
まとめ
最低限知っておくべき通夜のマナーとは
・通夜の弔問に行くときは開始時間の10分前に着く
・受付では「この度はご愁傷さまです」とお悔やみの言葉を述べる
・故人の宗教に則した表書きの香典袋で香典を包む
・通夜の会場では大きな声で会話をしない
・焼香の作法を覚えて数珠を忘れずに持参する
・喪服と持ち物や身に付けるもののマナーを守る
・通夜ぶるまいは遠慮せずに頂くのがマナー