フランス料理のマナーがあれば、フランスの美味しい料理を、恐れることなく堪能できます。日本ではあまり馴染みがないフランス料理。テーブルマナーも、もちろん日本食とは異なります。
海外旅行へ行った時のフランス料理のマナー、ちょっと困ってしまいますよね。ずらっと並んだナイフやフォークに、フランス語のワインリスト。冷や汗をかいてしまうこともあるかもしれません。もちろん、日本でフランス料理をいただくこともあるでしょう。
しかし、フランス料理のマナーというのは、基本を押さえておくと、それほど難しくはありません。そこで本記事では、海外でフランス料理のマナーをおさえた振る舞いで、日本人でも堂々と食べられるよう、基本的な7つの心得をお伝えします。
フランス料理をいただく際、これだけ覚えておくと大丈夫!というポイントをお伝えしますので、近々フランス料理を口にする機会のある方は是非参考にしてください。
フランス料理を海外で☆
日本人が押さえたい7つのマナー
入店した時からフランス料理のマナーが見られています
ついやってしまいがちなのが、入店してから、そのまま自分で席に座ってしまうという行為。海外の場合カジュアルなお店であればOKですが、フランス料理のマナーではNG。
★ 入店したら案内されるのを待ち、スタッフについて席に着きます。
・ もし予約をしているのであれば、名前と時間を伝えます。
席に案内され、座る際にウエイターに椅子を引いてもらった際は、「ありがとう」と一言告げるとスマートです。反対にあまりかしこまって、ゆっくりと動きすぎても、ウエイターを「不自然に」待たせてしまいます。自然体で堂々と動くことがポイントです。
日本でも海外でも、第一印象が大切です。洋装でもフランス料理の高級店ならば、一定のドレスコードがありますが、洋装だからと気を抜いた所作はだらしなく映ります。
着物を着ている時と同じように、背筋を伸ばしアゴを引き、美しくリズム良く歩きます。ちなみに海外の日本人で、ここぞと言う時に着物を着る人は多いです。
フランス料理のマナーでは、ナプキンの所作をマスター
ゲスト全員が着席したら、テーブルの上に置いてあるナプキンを膝の上に乗せます。ただし、大勢で来店している場合には、主賓の方がナプキンを広げるのを待ってから、自分も広げます。
【フランス料理のマナーにおける、ナプキンを広げるタイミング】
★ 席に着いたら、先に膝に乗せておくことをおすすめします。
飲み物や料理を注文してからでも問題ありませんが、メニューを手に取る際、ナプキンが邪魔になる恐れもあります。
ここで日本人に多い間違いは、料理が来てからナプキンを広げる行為です。ナプキンを広げて膝に置くことは、「食べる準備が出来ています。」と言う意味合いがあります。そのため、スタッフが料理を運びやすいよう、先にナプキンを広げて料理を待ちます。
また、食事中に口元が汚れてしまったら、このナプキンの内側でそっと押さえましょう。映画でも時折見られる行為です。ここで日本人は持参したハンカチを使う人々が多いのですが、これは良くありません。ハンカチはトイレで使います。
★ トイレに立つ時は、椅子にナプキンを置き、帰る時にはテーブルの右側に、少し立てて置いて帰ります。
どんな飲み物を頼めば良いか、迷ったら
フランス料理のマナーでは、一般的にまずは飲み物を注文します。基本的にワインがメインですが、食前酒としてシャンパーニュを注文しても良いです。「まずはビール!」というのはフランス料理ではあまりありませんが、メニューにあれば注文してもOKです。
【飲み物の注文に困ったら】
★ ワインやシャンパーニュのリストを見ても、どのワインが良いか不明な場合はウエイターに尋ねましょう。
・ 「軽い口あたり」もしくは「重い口あたり」
・ 「甘口」を好むのか「辛口」を好むのか。
・ ブドウの産地など。
このような観点から尋ねます。もちろん好みがあれば伝えるのがベストです。
スープを飲む時の絶対的なフランス料理のマナー
ご存知の方も多いかもしれませんが、フランス料理のマナーでも基本中の基本です。
★ スープは音を立てずにいただくのがフランス料理のマナー。
スープは飲むものではなく、食べる物という感覚で静かに味わっていただきましょう。
【フランス料理のマナーでの、スープの飲み方】
・ スプーンを奥から手前に持ってくるのがフランス式です。
・ 手前から奥へスプーンを運ぶのは英国式とされています。
しかし、絶対フランス式でスープをいただかなければいけない、という決まりはありません。口に運びやすい方法でいただきます。
フランス料理のマナーに則った、美しいパンの食べ方
フランス料理のマナーでは、パンをいただく際に口に運んで噛み千切るのはマナー違反です。
★ パンはお皿の上で、手で一口大にちぎってからいただきます。
パンくずがテーブルに落ちてしまっても、床に落とすのはやめてください。ウエイターが専門の道具を使って片付けてくれるので大丈夫ですよ。
また、日本人にありがちなフランス料理のマナーでのNG行為が、お皿に残ったスープにパンをつけていただく、というもの。フランス料理においてはマナー違反とされているので、注意してください。
基本的なナイフやフォークの、フランス料理マナー
フランス料理は、ナイフやフォーク、スプーンがあらかじめテーブルに並べてあります。フランス料理のマナーを知らないと、「どれから使ったら良いの!?」と困ってしまう人々は多いです。
★ 基本的に、ナイフやフォークなどのカトラリーは外側から使用するということを覚えておきましょう。
デザート用のものは、正面に並んでいる場合もあります。カトラリーは、オードブル用、肉料理用、魚料理用と決められていますが、異なる物を使用してもウエイターが交換してくれるので大丈夫ですよ。
フランス料理マナーでは、食事中の合図がある
★ 食事が終了したら、ナイフやフォークなどの位置で食事終了の合図をします。
・ イメージとしては、カトラリーを平行に揃えて、刃の部分を内側にして置きます。もしくは、手前に揃えて刃は左側に向けておいて合図となります。
★ まだ食事中という合図もあります。
・ お皿の上でナイフとフォークを左側と右側に「ハの字」に置きます。ナイフの刃の部分が内側になるよう置かなければなりません。
更に、カトラリーを落とした際は自分で拾いません。そのままにしておくか、ウエイターが交換してくれるのを待ちましょう。
いかがでしたでしょうか。日本人が間違えがちなフランス料理のマナーを中心に、基本的な項目をお伝えしました。フランス料理のマナーだけではなく食事マナーの基本は、「周りを不快にさせないこと」。そして「美しくいただく」ということです。その2点を念頭に置くだけで問題はないはず。
フランス料理の配膳は全て意味があって、並べられています。それはお皿のなかも同じことで、なるべくナイフやフォークを動かさずに食べられるよう、計算されていると考えると分かりやすいです。もちろんお皿を頻繁に回していただくことも、あまり良くはありません。
お肉は左側から切り分け(この時一度に切ってしまわないように)、フォークを刺す回数を減らしています。このようにフランス料理のマナーに則ることで、よりスマートに食事を楽しむことができるのです。
ただしあまりマナーばかり気に過ぎて、肝心のお料理やワインを楽しめなければ意味がありません。肩に力を入れず、本記事でお伝えした内容を頭の片隅に置いて、フランス料理を楽しんでください。
まとめ
海外でフランス料理を堂々と食べるための、基本的なマナー
・入店する際もマナーを大切に!勝手に座らず案内を待って
・美しく使いましょう。ナプキンは基本的に膝の上へ
・飲み物を注文する際質問があればしっかり尋ねましょう
・マナーの基本!スープは音を立てずにいただく
・パンは一口大にちぎって上品に
・基本的にナイフやフォークは外側から使う
・カトラリーの位置で知らせる食事終了の合図