法事での香典マナー。時期や形式によって違う包み方

法事での香典マナー。時期や形式によって違う包み方
法事の香典を包む時は、表書きは薄墨で書くべきなのか、また、通夜や告別式の時の表書きと同じで良いのか、香典を包むということはわかっていても、厳密な包み方まで正確には覚えていないですよね。

宗教やその宗教ごとの宗派によって、法事の香典マナーは異なりますから、どんな場合でも対応できる人は少ないもの。法事に香典を持参する本来の目的は、故人を供養するためと言われています。

ですから、供養しますという気持ちを香典を込めて包まなくてはいけませんし、それを表す包み方のマナーを守らなくてはいけません。日本では、日頃から特定の宗教にこだわっている人とそうでない人がいますから、相手の宗教への配慮も必要になります。

法事の香典マナーは、学校では中々習わないことですから、自ら学び、常識として頭に入れておくと、突然の時にも安心ですよね。そこで今回は、時期や形式によって異なる、法事での香典マナーについて6つのポイントをお伝えします。

 

法事での香典マナー。
時期や形式によって違う包み方

 

香典袋の選び方

仏教の葬儀・法事は、通夜、告別式、初七日、四十九日、新盆、一周忌、三周忌、と続いていくものですが、仏教式の法事の香典は、この時期によって香典袋の表書きも異なるのが特徴。

これは、仏教の考え方として、故人は死後に成仏するもので、その前が霊、後が仏だと考えるため。

【 法事での香典マナー、のし袋 】

■ しかし、いずれの場合でも共通しているのは、のし袋の形式。法事の香典袋は、不祝儀の結び切りの水引のものを選んでください。

・ これは、不幸なことが何度も起こらないように、一度切りという意味があるためです。

 

薄墨と濃墨の使い分け

法事の香典の表書きは、法事の時期によって異なると説明しましたが、表書きを書く墨の種類も使い分けが必要。

【 法事での香典マナー、墨 】

■ まず、故人が成仏する前とされる、四十九日より前の法事法要では、表書きを書くのに使う墨は、薄墨

・ 薄墨で書く理由は、故人の死を受けて、悲しみの涙で墨が薄まってしまったと言いますから、濃い墨で書くと失礼に当たってしまいます。

薄墨は、墨を薄めにするものですが、自宅に筆とすずりがない場合には、文具店に薄墨用の筆ペンが売られているので、筆ペンで書けば問題ありません。

 

葬儀、初七日の表書き

前述の通り、仏教では故人が成仏する前と後で、法事の香典の表書きが異なります。その境目は 四十九日の前か後か…

【 法事での香典マナー、表書き 】

■ 葬儀、初七日では、表書きは「御霊前」と書くもの。これは、まだ故人が成仏をしておらず、御霊(みたま)の前にお供えするという意味があるため。

・ ただし、仏教の中でも浄土真宗は四十九日を迎える前であっても「御仏前」と書くのが正しいマナー。

法事の宗派については事前に施主や親族の方に確認しておくと、安心して準備を進めることができます。

 

四十九日以降の表書き

【 法事での香典マナー、四十九日以降 】

■ 四十九日を含めた、それ以降の法事の香典の表書きは「御仏前」

・ また、香典は線香やお花を、故人のご仏前にお供えするということの代わりですので「御香料」という表書きでも可です。

仏教の法事で、四十九日以降に表書きの書き方が変わるということを知らない人は意外と多いため、葬儀の時と同様に「御霊前」と書いてしまうケースは多々あるもの。

こう書いてしまうと、故人がまだ成仏できていないということになりますから、失礼に当たってしまうので、注意してください。

 

キリスト教の表書きと注意点

ここまで仏教の法事の香典について説明しましたが、他の宗教にも法事に当たるものがあり、香典の包み方はそれぞれ異なるので、自分が参列する法事の宗教が、仏教以外の時でも困らないようにしておくことが必要。

まず、キリスト教ですが、キリスト教でも葬儀の後に仏教でいう法事に当たるものがあります。これが「追悼ミサ」や「記念ミサ」など。

【 法事での香典マナー、キリスト教 】

■ カトリックの追悼ミサでは、法事の香典の表書きは「御ミサ料」、プロテスタントは「御花料」になりますから、使い分けに注意しなくてはいけません。

・ また、香典袋は十字架マーク付き、もしくは白の無地の封筒を使用します。

 

神式の表書きと注意点

神式の法事の香典の表書きは「御玉串料」と書くのが一般的ですが、「御霊前」と書いても問題ありません。しかし、表書きを書くときの墨のルールは、仏教と若干異なります。

【 法事での香典マナー、神式 】

■ 神式の法事は、十日祭、五十日祭などがありますが、五十日祭より前は薄墨、以降は濃い墨でも良いとされているのです。

・ また、香典袋を選ぶ時には、仏教式のものを選ばないよう注意が必要。

見分け方は、蓮の花の模様があるかないか。蓮の花がある場合は、仏教の香典袋ですから、神式で間違って使わないようにしなくてはいけません。

 

いかがでしたでしょうか、法事の香典マナーなんて、難しくないと日頃は思っていても、いざ香典を準備する段階になって、「あれ、表書きは何が正しいんだっけ」と迷うケースは少なくありません。

仏教、神道、キリスト教は、三大宗教ですが、自分がどの宗教に対しても頓着がないと、余計に混同しやすいもの。特に、日本人には仏教と神道、つまり、お寺と神社の区別があまりついていない人が多くいます。

しかし、仏様の仏教と神様の神道では、法事の香典の意味合いやマナーが大きく異なりますから、自分の思い込みで法事の香典を準備せず、香典袋を買う時や表書きを書く前に、今一度マナーが正しかったか確認したいところ。

ポイントに分けて法事の香典の包み方の違いを説明してきましたが、そのマナーの裏側には理由があります。この理由を合わせて覚えておくと、間違えにくいです。

まとめ

法事での香典マナーとは

・香典袋は不祝儀の水引が結び切りのものを選ぶ
・香典の表書きは四十九日までは薄墨が一般的
・葬儀、初七日の法事の表書きは「御霊前」と書く
・四十九日以降の法事の表書きは「御仏前」と書く
・キリスト教では「御花料」「御ミサ料」を使い分け
・神式では日にちによって墨の使い分けに注意


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