永代供養とは。終活するなら押さえたい、7つの選択


永代供養とはお墓を継ぐ人がいないことを前提とし、寺院や霊園などの墓地の管理者が遺族に代わって一定期間供養を行う、契約の形態を指しますが、終活をしたばかりだと、ピンとこない方々も多いですよね。

少子化が進んだ現代では、「お墓の維持の負担を掛けたくない」と、生前に永代供養の契約を結ぶ方が増えています。まさに人生の終わりのための活動である、終活のひとつと言えるのかもしれません。

ただ、永代供養とは実に様々な形態があり、メリットもデメリットもあるもの。そのことをよく理解した上で選択をしてこそ、自分の希望に沿った安心して眠れる場所を見つけられますよね。

そこで今回は、終活するならぜひ押さえたい、永代供養とは何かを、その選択肢とともにお伝えします。

 

永代供養とは。
終活するなら押さえたい、7つの選択

 

永代供養とは「永久供養」ではない

永代供養とは語感からすると「永久に供養して貰える」ように聞こえますが、実は違います

【 永代供養とは:永代供養の期間 】

■ 実際の個別の供養は契約内容により、十七回忌(16年後の命日)~五十回忌(49年後の命日)まで、といったような一定期間がほとんど。

・ その後は遺骨を合同墓に移し、他の方と共に合祀されることになるケースが多いです。

なお、初めから合同墓や納骨堂に合祀されることもありますが、このことに関しては後述します。ただ、もちろん合同墓に移った後も、墓所の管理と「合同墓に眠る方たち全体の供養」は続きます。

 

永代供養でも心得たい点

このように永代供養とは、安心して施設や寺院にお任せできるメリットがあります。ただ一方で、契約時に心得ておきたい事柄があります。

【 永代供養とは:注意点 】

■ 仮に寺院や霊園の経営が永代供養の契約期間中に破綻してしまったら、そこで供養もストップとなります。

・ 逆に経営が続けば、きっちりとお墓の面倒を見て貰える訳です。このように永代供養とは、シビアな側面も持っているのです。

そのため、まずは永代供養とは「永久供養」ではないことに対し、自分がどこまで納得できるかを考えることが重要。そして永代供養を契約しようと決めたら、各寺院や霊園での契約内容をしっかり確認し、理解したうえで契約を結んでください。

 

料金と納骨方法をどう考えるか

各寺院や霊園と永代供養の契約を結んだら、そこの永代供養墓に入ることになりますが、実はこの永代供養墓は様々な形態があり、料金もその形態により大幅に変わります。以下に永代供養墓の形態の例を挙げます。

【 永代供養とは:永代供養墓の形態 】

・納骨堂型(建物の中に骨壺を納める形)

・納骨陵型(古墳や塚を模したもの)

・仏壇様式のロッカー型(ロッカーひとつひとつに骨壺が収まる形)

・地下や半地下の「納骨室」に遺骨を納め、その上に仏像や仏塔・モニュメントなどを建てた形

 

お骨の有り方

永代供養のメリットは、お墓を新しく建てるよりも安価であり、供養やお墓の管理を墓地の管理者に任せることができる、という点にあります。しかしデメリットもあります。

【 永代供養とは:デメリット 】

■ 最初から合祀墓を選ばなくても、多くの場合は年月が経てばいずれ合祀されてしまうことも理解しなければなりません。

・ 合祀とは遺骨を骨壺から出して、他の方の遺骨と一緒に納骨すること。従って、一度合祀されたら、お墓の引っ越しはできないことになります。

永代供養を選択するなら、自分の遺骨が血縁関係のない複数の人と交ざり合うことを承知してください。さらに肉親や親類には、仮に今後お墓を建てても、そこには入れないことも伝えてから決定する必要があるのです。

 

寺院の永代供養墓に入る場合

もしも寺院の永代供養墓に入るとしたら、その寺院の宗派に帰依することが条件となる場合があります。

【 永代供養とは:帰依 】

■ 帰依とは、その寺院の宗派の仏教徒になることです。

・ また、檀家になること(寺院に所属して支援をすること)を求められる場合もあります。

寺院によっては、宗派は一切問わずどんな方でもOKという所もありますが、帰依することを求められないまでも、寺院の宗派の教義を理解することは必要。永代供養を考えるなら、そのあたりのことも踏まえて考えると、後々もスムーズです。

 

一緒にお墓に入る仲間

「墓友(はかとも)」という言葉を皆さんはご存知ですか。これは生前に共同で墓地を契約し、同じお墓に入ることを約束した友人・知人のことを指します。

【 永代供養とは:墓友(はかとも) 】

■ 高齢者向けの共同住宅や老人ホームなどでは、この墓友(はかとも)の形式を取る所もあり、共同墓地を建てて入居者はそこに入る、というケースも増えています。

・ 永代供養においては、契約者同士が生前に人間関係を作ることを目的としたサークルが設けられ、イベントなどで交流を深めているケースも見られます。

 

納骨場所は都会?それとも郊外?

永代供養を行っている場所は全国に広がっています。人によっては生まれ育った町のそばで眠りたい、また思い出の場所で眠りたいなど様々な希望を持つこともありますよね。

【 永代供養とは:永代供養墓の特徴 】

■ 永代供養墓は都会か、郊外かによって形態が変わることが多い特徴があります。

・ 都会であればあまり土地もありませんので、仏壇様式のロッカー型や納骨堂型の永代供養墓が必然的に多くなります。

・ 郊外になると広大な土地を使うことができるので、形態がよりバラエティに富んだものとなるのです。

永代供養を検討する時は、ぜひそのようなことも考えてみてください。

 

いかがでしたでしょうか、終活が注目されるようになってからというもの、永代供養にも様々な形態が見られるようになりました。今後もますますこの傾向は続くものと見られています。

生きているうちに自分の最期や死後のことを考えるなんて縁起が悪い、と言うのが従来の「主流の考え方」でした。その考え方が変わってきたのは、冒頭に述べた少子化などが影響していることは間違いありません。

しかし、自分の最期を考えれば「それまで日々を大切にしてよりよく生き、そして旅立ちたい」という希望が湧いてくるとも言われます。

永代供養を考えるのなら、やはり自分が「どう葬られたいのか」を突き詰めて考え、選択していくことがより良い最期、転じてより良い、生きるための活力に繋がっていくのではないでしょうか。

まとめ

永代供養とは

・永代供養とは「永久供養」ではない
・契約した施設や寺院が破綻する事例もある
・料金と納骨方法の「つり合い」を考え選択をする
・永代供養墓ではいずれ合祀される場合が多い
・寺院の永代供養墓では、宗旨宗派に沿う場合もある
・一緒にお墓に入る「墓友」が増えている
・都会か郊外か、場所によって特徴が変わる


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