一般的に人が亡くなると、ご家族は葬儀、そして、その一年後に『一周忌』とその『法要』を営むのが通例ですよね。大切な方とのお別れは、言葉では言い尽くせないくらい辛い出来事ですが、一周忌までのその1年というものはあっという間です。事実を受けとめることが出来ず、心の整理も出来ていないままにその日を迎えるご家族も少なくないでしょう。経験した人でなくてはわからない哀しみと言えます。
しかし、その中でもやっと故人との楽しかった想い出を振り返ることが出来るようになるのも、実はその頃かも知れません。一周忌の法要は故人のご供養とともに親戚や友人・知人にも集まっていただき、故人を偲ぶと共に、日頃遺族を心配してくださっていた皆様にお礼の気持ちを伝える時でもあるのです。
そこで今回はそんな大切な一周忌にしなければいけないことや知っておきたい準備と流れについてお伝えします。
知っておきたい!
一周忌法要の準備と流れ
法要の日程は一周忌当日かその直前
そもそも一周忌というのは故人が亡くなってちょうど一年の同月同日(祥月命日)をさします。そして、その一周忌には故人を供養する儀式である法要を行います。
一般的な一周忌法要では、僧侶による読経のあと焼香を行い、最後に僧侶並びに列席者にお食事(御斎)をふるまうという形をとります。
一周忌法要の場合は、一周忌当日に営むというのが理想ですが、色々なご都合もあり、なかなかそうはいかないものです。そのような場合には『直前』の土日祝に前倒しで実施するのが一般的です。出席していただく親族等に事前にご都合を伺った上、日程を決めます。
遅くとも一周忌法要の1か月前には計画を始めます。
法要・会食の会場の決定と寺院への連絡
法要の会場はご自宅・寺院・ホテルなど様々ですが、日程やある程度の参加人数・内訳などが把握でき次第、必要であれば会場をおさえること、また寺院・僧侶との打ち合わせをしておきます。日程が土日祝日などになると他の法要が入ってしまい、希望通りにいかないことも少なくありません。
一周忌法要の1か月前には大筋の内容を伝えた上、手配をしておきます。
案内状の送付
列席していただくのが近しい親族のみという場合であれば、電話連絡での取りまとめでもさして問題はありません。しかし、多くの親戚の方へお声掛けしなければいけなかったり、親戚以外の方もお招きする場合には、往復ハガキなどでの案内状をお送りします。
こちらも列席者の方々のご都合伺いの意味合いもありますので、一周忌法要の1か月前にはしておきたいものです。
お料理と返礼品の手配
会食を自宅や寺院で執り行う場合、仕出し料理の予約をすることも忘れてはいけません。一周忌法要の後、場所を移しての会食なら、列席者の移動も考慮して近くの料亭やレストランなどの予約をしておきます。
また、ご列席いただいた方への一周忌法要の返礼品も準備しておきます。因みに一周忌法要の返礼品として一般的なのは、洗剤や石鹸などの実用品や、海苔・お菓子・お茶などの食品、いわゆる消えものが適していて、食器やインテリアなど、あとに残るものは不向きと言われています。
ご列席いただいた方への感謝の意もありますので、一周忌法要の2週間前には、決して間違いのない様、確実に手配しておくことが大切です。
お布施などの準備と施主の挨拶を考える
一周忌法要の当日の流れは、僧侶入場→施主による開始の挨拶(簡潔)→僧侶による読経→列席者による焼香→僧侶による法話→僧侶退場→墓参り→施主の挨拶(感謝の意・会食について)となります。
この他、場合によっては開眼法要・お墓の開眼法要・納骨法要などが行われることもあります。
それらが全て終わりましたら、僧侶へ直接『お布施』『お車代』『御膳料』などをお渡しし、一周忌の法要は終わります。『お車代』『御膳料』についてはケースバイケースということになりますので、それぞれの一周忌法要の形に準ずるということになります。
お布施を入れる封筒の表書きには、薄墨ではなく通常の濃い墨を用いて半紙で中包みをし、さらに奉書紙を使って慶事の上包みを施すのが最も丁寧な形ではありますが、郵便番号欄が印刷されていない市販の白無地封筒でも問題ありません。
この時、封筒を直接渡すのではなく、小さな「おぼん」に載せ僧侶にお渡しするのが望ましいと言われています。
その後、会食(御斎)となり、僧侶含めお集まりいただいた方々と故人を偲びながら会食します。会場の前方に故人のスペースをつくり、遺影を飾って、好きだったお酒やお料理等を備えておきます。列席していただいた方が故人に語りかけて下さったりする様子が見られて心温まります。
故人が元気な頃、列席頂いた方々と一緒に映っている写真などを集めアルバムにおさめご覧頂くのも、想い出話しに花が咲き、良いイベントになりますよ。
初めと終わりに施主が挨拶しますので、その言葉は前もって準備しておくと不安にならずに済みます。また、『献杯』がある場合には、その発声をお願する方の選定も必要です。しかるべき方に予めお願いしておきます。
返礼品をお渡ししながら、個別に軽くご挨拶をしてお開きです。
いかがですか。以上がいざという時困らない様に、是非知っておきたい一周忌法要の準備と流れです。『施主』目線で一周忌法要の際にすべきことについてお伝えしました。葬儀から一周忌、三回忌、その他諸々の法事・法要でしばらくの間、施主がすべきことは想像以上にあるものです。
施主という立場におかれると、大切な人を亡くし、深い哀しみに暮れている状況ではあるのですが、実はやらなければいけないことが沢山あって、そんな事ばかりも言ってはいられないと言うのが悲しいかな現実です。
しかし、ある程度の心構えがあれば、穏やかにその日を迎えることが出来、更には故人にゆかりがある方々と笑顔で故人を偲ぶことも出来るというものです。そんな素敵な一周忌法要にしていきたいですね。
まとめ
一周忌法要の準備と流れは
○法要の日程は一周忌当日かその直前に設定しましょう
○法要・会食の会場の決定と寺院への連絡をしましょう
○案内状の送付をしましょう
○お料理と返礼品の手配をしましょう
○お布施などの準備と施主の挨拶を考えましょう