和食のマナーは日本人でありながらも自信がない方も多いことでしょう。日々の食卓であるいは会食の席でと、暮らしに根付いた食生活の中で心得ておきたい和食のマナーはたくさんあります。最近は外国人の日本来訪も多く日本の食文化はかなり注目されていますよね。平成25年に日本の食文化はユネスコ無形文化遺産に登録されたことも追い風になっているようです。
外国の方と接する機会も増えた現代、文化を伝える気持ちも合わせ持ちたいものです。特に食事は欠かせない交流の場でもあります。和食のマナーを身に付けてどこへ出ても恥ずかしくない振る舞いを身に付けておきましょう。そこで今回は海外の人にも教えたい、正しい和食のマナーについてお伝えします。
海外の人にも教えたい!
正しい和食のマナー5つの基本
基本の箸使いと茶碗の持ち方
和食のマナーで基本となるのは箸の持ち方・茶碗の持ち方と答える方も多いことでしょう。個性的な持ち方をして人に笑われたり指摘されたことのある方はドキリとしますよね。箸や茶碗の扱いがスマートであれば違和感もなく品よく映るものです。日々の暮らしの中で変な癖となり身についてしまった方は見直すことも大切です。変な癖が外国の方に正しいマナーと誤解されては残念です。
和食のマナーとしての箸の持ち方ですが、まず箸の3分の2くらいのところを持ち、一本を人差し指と中指で挟み、もう一本を親指の付け根と薬指で支えるとよいです。下側の箸は動かさず、上側の箸を動かしながらいただきます。茶碗は親指を軽く茶碗の縁にかけ残りの4本の指を下に添えると安定し見た目も美しいものです。
食べる順序も大切
和食のマナーでは食べる順序も大切にされています。好きな物から食べたい主義でも、和食のマナーを心得て順番を知っておくことが大切です。
基本的なメニューとして汁物・おかず・ご飯を例にすると、最初に汁物からいただきます。これは温かい汁物で身体を温め同時に気持ちも温めるという日本の食文化としての奥ゆかしさでもあります。続いてご飯をいただきます。
最初からおかずを食べると味が濃いため料理の味わいや風味・香りが感じにくいためです。続いておかずをいただきます。この汁物・ご飯・おかずの順番を繰り返しながら食べ進めることが良いとされています。一品だけを先に食べきってしまうと見た目もよくないので、料理の全体を見ながら食べ進めるとよいでしょう。
焼き魚の食べ方のコツ
和食のマナーの具体的なところで、焼き魚の食べ方は難しいと感じることがありますよね。骨がついた焼き魚は美味しいのですが、ほぐすときに身がバラバラになったり、口の中に入った小骨はどのようにしたらよいのか迷うものです。焼き魚の美しい食べ方も知っていると人とのお付き合いの場でも大変役に立ちます。
焼き魚は頭が左に置いてあり、食べる順番はまず魚の中央に箸で切れ目を入れるように線を入れ、魚の背側の左から右へ、続いて腹側の左から右へと食べ進めます。尻尾と頭を外し皿の左向こう側に置き下側の身を食べ進めます。骨も皿の左向こう側に集めておくと見た目もきれいですね。和食のマナーで大切なこととして口の中に手を入れないことも大切です。魚の骨が口に入った場合は箸を使って取るのがよいとされています。
お寿司を食べる時のマナー
和食のマナーを学ぶと様々な席で役に立ち人間関係もスムーズにいく傾向があります。外国の方とご一緒する機会も増えてきた現代、食事を介しての交流は心豊かなひと時にしたいものです。
外国の方に人気のメニューといえばお寿司です。ここで和食のマナーをおろそかにしていると日本人として変なイメージを与えかねませんので気を付けましょう。
お寿司は手でつまんでも箸で食べてもどちらでもかまいません。手でつまむことも多いので席に着いたらまず出されたおしぼりで手を清潔にしましょう。選ぶメニューは一般的にイカや白身魚など淡白なものから食べるとその後にいただくマグロやハマチなど味の濃いものの味わいが深まります。
和食のマナーとして大事なことは、ネタとシャリを分けて食べないこと。醤油はネタの部分に小量つけて食べると美味しく見た目もきれいです。
和食のマナーNG
和食のマナーを知らずに自己流で進めていると気づかないうちに恥をかき、後になって冷や汗をかいたという方もいらっしゃることでしょう。
和食のマナーとしてNGシーンを挙げてみましょう。まず手を皿の代わりにすること。一見上品に見えますが実はマナーに反しています。また器を口につけて箸でかき込むような食べ方もよろしくありません。
箸の扱い方は特に重要です。箸で器を引き寄せたり箸を持ったままどれを食べようかと迷い箸になるのもNGです。ましてや箸で食べ物を刺していただくのはアウトです。醤油やソースをかける場合もドボドボかけてしまうのは和食の奥深い味わいが望めないことも多いものです。茶碗を鷲づかみするのは絶対に避けたいところ。和食のマナーを知ることは品の良さにも繋がります。
いかがでしたか。海外の人にも教えたい!正しい和食のマナー5つの基本についてお伝えしました。お仕事で外国の方を和食にご案内する機会が多くなった方も多いでしょう。ビジネスシーン以外でも私たちの町には異国の方が多く生活をしていらっしゃいます。和食のマナーを知って身に付けるというのはすでに国際交流の一役を担っているともいえるでしょう。
皆で楽しく食事を囲む中で美しい立居振る舞いの中にきらりとマナーが光っていると、とても感じのよい交流ができます。和食のマナーというのは毎日の食事の中で磨かれていくものです。自己流ばかりで進めていると思わぬ落とし穴があります。人の振りをわが身に置き換えて考えるのも良い機会になります。外国の方とも積極的に交流をはかり、日本食の美味しさを伝えたいものですね。
まとめ
気になる和食マナーの基本とは
・箸は下側の箸は動かさず上側の箸を動かす。
・茶碗は親指を軽く茶碗の縁にかけ残りの4本の指を下に添えると安定する。
・食べる順番は汁物・ご飯・おかずのが基本
・焼き魚の食べ方は魚の背側の左から右へ、続いて腹側の左から右へと食べ進め骨は皿の向こう側に集める。
・寿司はネタとシャリを分けずに食べる