一周忌法要は亡くなった日からちょうど1年目に行う仏教の行事です。親族の方や生前親しくしていた方を呼んで、お坊さんにお経をあげてもらい、いっしょに会食も行います。もちろん準備はその前から始まっています。お葬式と49日法要が終わったからといって、安心はできません。やっと落ち着いてきたと思った頃には、もう一周忌法要のことを考えなくてはいけないのです。
お葬式は突然のことですが、慣れた葬儀社などのおかげで何とか済ませることができます。しかし、一周忌法要は、予め行う日が決まっています。そして、残された家族で準備して行うのが普通です。とはいえ、自宅からお葬式を出すのは初めて、という家族がほとんどですよね。初めてのことになると不安も多いことでしょう。そこで今回は、一周忌法要の当日までに準備することについてお伝えします。
一周忌法要の準備。
当日までにしなくてならない5つの事柄
一周忌法要の日を決める
一周忌法要に限らず、仏教における法要とは、亡くられた方の冥福を祈る儀式です。お坊さんにお経をあげてもらい、親族や親しかった方同士で、亡くなった方が生きていた時の思い出を語り合います。もう亡くなってから1年経つのか、と亡くなった当時のことを思い出す方が多いことでしょう。
一周忌法要は、本来は亡くなってから1年目に行われる法要です。ただし、現代社会では平日の法要には参加できない人が多いことから、休日に行われるのがほとんどです。もし、亡くなった日からちょうど1年目が平日なら、その日より前の休日に開催します。なお、お坊さんは休日に複数の法要を掛け持ちしています。直前にお願いするとお坊さんの都合が付か合いことがあるので、せめて3ケ月前には、一周忌法要の日を決めましょう。
一周忌法要の会場を決める
大家族が普通だった昔の日本は、自宅で一周忌法要を行うのが一般的でした。しかし、今は核家族化が進み、マンションなど自宅も狭いのが一般的です。家族だけで法要をやるのであれば、自宅でも可能ですが、亡くなった方と親しかった人を招待する場合は、ある程度広い会場が必要です。
一周忌法要の会場は、お坊さんがお経を読める場所であれば、自宅やお寺である必要はありません。ホテルや料理店も法要の会場として利用できます。また、お坊さんの都合によっては、お寺での行うよう依頼されることもあります。
一周忌法要の後に会食を行うなら、料理の手配もできるホテルや料理店を会場にするのがおすすめです。とはいえ、休日はどちらも予約が取りづらいかもしれません。せめて、3ケ月前には予約できるようにしましょう。
お坊さんへの依頼
一周忌法要の儀式では、亡くなった方の冥福を祈って、お坊さんにお経を読んでもらいます。もし、お寺以外で法要を行う場合は、お坊さんに会場に来て頂くことになります。そのため、お坊さんへの依頼が欠かせません。
家には大抵、決まった菩提寺があります。菩提寺とは家のお墓を管理しているお寺のことで、法事のことに関しては、その菩提寺の住職に相談するのが普通です。とはいえ、最近は菩提寺が解らない、また、無いという家もあります。そんな場合は、お葬式の際に来て頂いたお坊さんに相談してください。
なお、大きなお寺では、住職以外にもお坊さんがいるのが普通です。相談した住職ではなく若いお坊さんが来ることもあります。そんなお坊さんは、若くても経験を積んでいる方ばかりです。ぜひ、住職と同じように対応してください。
案内状の送付
一周忌法要の日程と会場が決まったら、参列をお願いする親族や亡くなった方に親しかった方に、案内状を送付します。引出物と会食の準備があるので、案内状といっしょに、返信用ハガキを同封しましょう。正式には白い無地の封書で送るのがマナーです。
なお、ホテルで法事を行う場合は、案内状の作成をホテルで請け負っています。この場合、案内状といっしょにホテルの場所や駐車場を示す地図もいっしょに入れてくれます。また、案内状と返信用ハガキを略して往復ハガキで送ることも可能です。また、プリンターがあれば自分で印刷することもできますし、往復ハガキへの印刷を業者に依頼することもできます。今はインターネットで手軽に印刷の注文もできるので、ぜひ、検討してください。
料理と引き出物の手配
一周忌法要が終わったら、1年前に亡くなった故人を思って会食するのが普通です。そのためのお料理の手配しましょう。法要をホテルや料理屋で行ったのなら、場所を予約した際に料理もいっしょにお願いできます。また、お寺で法要を行った場合は、会食の場所を別に予約することになります。
お店の都合もあるので、場所は1ケ月前以上前に予約してください。また、人数が確定したら1週間前には、何人分の料理を準備してもらうかを伝えます。メニューで配慮が必要な場合は、この時に伝えてください。さらに、一周忌法要に参列された方に配る引き出物の準備も1週間前までに行います。会場をホテルにお願いする場合は、引き出物の手配もやってくれます。もちろん、自分で選んで用意しても構いません。
いかがでしたか。一周忌法要の当日までに準備することについてお伝えしました。
仏教の考え方に基づいて行う一周忌法要ですが、亡くなってから1年目に故人と親しかった人同士で語り合う良い機会です。法要を理由にして、懐かしい思い出を語り合いましょう。また、最近は、核家族化が進んで、親戚と言えでも疎遠になりがちです。そんな親戚と近況を語り合う場にもなります。
昔の日本は大家族の家が多く、親戚づきあいも濃かったので、一周忌法要に限らず葬式や法要は日常にあるイベントでした。しかし、今の人にとっては、解らないことばかりです。会場になるホテルや菩提寺の住職など詳しい人と相談して、一周忌法要を機会に普段会えない方との会合を楽しんでください。
まとめ
一周忌法要までに準備しなくてはならない事柄とは
・まずは一周忌法要の日を決めよう
・一周忌法要の会場は早め押さえよう
・お坊さんにも依頼の連絡をしよう
・一周忌法要の案内状と出欠確認を送ろう
・料理と引き出物の手配も忘れずに