暑中見舞いと残暑見舞い。2つの違いを改めておさらい!


夏が来ると思いだすのが、暑中見舞いや残暑見舞いなど季節の風物詩ともいえるおハガキですよね。近年では冬の年賀状離れも進んでいる様で、少し寂しい気持ちにもなります。

しかし、子供のころは夏休み中に仲の良いお友達や学校の先生から届く暑中見舞いや残暑見舞いは結構嬉しい存在でした。あの『暑中お見舞い申し上げます』や『残暑お見舞い申し上げます』の文字や夏らしいポップなイラスト。季節柄、身体を気遣ってくれる優しい文章は一瞬にして、とても爽やかな気持ちにしてくれたものです。

しかし、当時から暑中見舞いと残暑見舞いの使い分けはその日の気分か、或いは天候なのだろうかと勝手に思っていたものでした。ですが、もちろん、その違いはきちんとあります。

そこで、今回は知っていそうで知らなかった暑中見舞いと残暑見舞い。2つの違いについてお伝えします。

そもそも暑中見舞いや残暑見舞いとは季節のご挨拶

親しい方やお世話になった方への季節のご挨拶として送る夏のお手紙、暑中見舞いと残暑見舞いの意味合いについてまずは考えてみましょう。

暑中見舞いと残暑見舞い、その共通点について見てみます。その意味と構成については、ほぼ同じです。

暑中見舞いも残暑見舞いも、その季節のご挨拶状を出す意味はほぼ一緒一番大きな役割は夏の暑い時期にお相手の身体のことを気遣い、近況伺いも含む季節のご挨拶です。そもそもは、日頃大変お世話になっている方々に直接会いに行く夏の風習だったといいます。現在では『郵便』が発達したことにより、暑中見舞いや残暑見舞いという形でハガキのやり取りをし合うという形になったのです。

相手を気遣う気持ちを伝えることと近況伺い。そして、こちらの近況も伝えた上でお互いの無事を確認し合います。更にはこれからもお互い元気に過ごせるよう祈るものでもあるのです。冒頭と最後の日付の後につける言葉に違いがある程度で、その意味合いや伝えたいことは同じです。

季節の挨拶→相手方の健康をたずねる言葉→自分の近況を知らせる言葉→相手方の無事を祈る言葉→結びの挨拶

これが暑中見舞いと残暑見舞いの基本的な構成、流れです。季節の挨拶である『 季節の言葉』に違いはありますが、基本の構成としては、ほぼ一緒と考えて良いでしょう。

因みに、暑中見舞いと残暑見舞い、時期に違いがあるということですから、どちらも送った方が良いのだろうか、と疑問を抱く方もいらっしゃるようですが、夏のご挨拶のシーズンとしては、いずれもそれ程長くはないので、その間にお相手にお知らせしなければならないほどの近況の変化は、ほぼないと考えられますよね。

その様な理由から、一般的には暑中見舞いと残暑見舞い、これはどちらか一方を送れば良いとされています。

 

立秋で分けた前が『暑中』で後が『残暑』

暑中見舞いと残暑見舞いの決定的な違いは、その送る時期にあります

一般的には、暑中見舞いは梅雨があけてから立秋前までというのに対し、残暑見舞いは立秋から8月いっぱいまでとされています。他にも二十四節気の小暑(7月7日頃)から立秋(8月7日頃)の前までという説夏の土用の時期(立秋の前の約18日間。7月20日頃~)からという説など諸説あります。

そもそも、暑中見舞いですから夏の暑さ厳しい時期にお相手の安否伺いの意味があり、梅雨が明けて夏らしい気候になった頃から出すのが適していると考えられています。

また、気になるのが『梅雨あけ』という言葉。自分の住んでいる地域とお相手の住む地域が離れている場合、梅雨明けの時期が若干違ってきます。

その場合には、お相手の方が住む地域の梅雨明けに合わせて、暑中見舞いにするのか残暑見舞いにするのかを判断しましょう。

因みに、長梅雨で梅雨が明けないまま立秋を迎えてしまうことも考えられますよね。そんな時には立秋を過ぎると暦の上では季節は『秋』

この場合、『暑中見舞い』ではなく『残暑見舞い』に切り替えるのがルールです。

 

冒頭と最後の日付の後につける言葉

送る時期の違いで『暑中お見舞い申し上げます』『残暑お見舞申し上げます』の挨拶文も変わることはお伝えしましたが、それに伴い文末に入る文字も変わります。

暑中見舞いであれば文末には『○年 盛夏』、残暑見舞いであれば『○年 晩夏(または立秋、葉月)』とします。

また、残暑の時期には時候の挨拶にも『残暑なお厳しい折…』『立秋とは名ばかりの暑さ…』『暦の上では既に秋なのにまだ暑い日が…』などという文章を用いるのが一般的です。

しかしながら、実際の気候で言えば暑中見舞いを出す時期と残暑見舞いを出す時期でそれほど変わるものでもありません。とは言え、このような季節のご挨拶という点で言えば、暦の上で暑中見舞いは『夏』のもの、残暑見舞いは『秋』のものなのです。

 

以上が暑中見舞いと残暑見舞い。2つの違いを改めておさらい!です。もちろんのこと、時期が違えば御挨拶の言葉も違うというわけです。

改めて調べてみると、昔の人達の人と人のつながり、いわゆる『絆』や『思いやり』の心が伝わってきますね。自分の文字で心を伝えるハガキでのお便りという文化から人々が離れていっている現状は少し寂しいものです。

そんな風潮のなかで、敢えて暑中見舞いや残暑見舞いを送ってみるというのもなかなか新鮮で、受け取ったお相手から喜ばれるかもしれませんよ。

一枚の真っ白なハガキを手にして、送るお相手の顔を思い浮かべながらデザインを考え、文章を考える。ちょっと素敵な夏の過ごし方となるでしょう。

まとめ

暑中見舞いと残暑見舞いの違いとは

・そもそも暑中見舞いや残暑見舞いとは季節のご挨拶
・立秋で分けた前が『暑中』で後が『残暑』
・冒頭と最後の日付の後につける言葉の違いに注意


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