結婚のお祝いメッセージは新郎新婦にとって、式のなかでも嬉しい場面ですよね。もちろん主役は新郎新婦ですが、結婚式であるこの日は長年手塩に掛けて育ててきた我が子の巣立ちの日。裏の主役はご両親とも言えます。
結婚式までの準備は大変ですが、結婚のお祝いメッセージはご両親にとっては、大切な言葉を伝える機会です。新郎新婦には忙殺の日々があったはず。会場場所を決め打合せを何度も行ない、出席人数や料理、引き出物に至るまで…。ご両親もじっくりと話が出来ないことも、あったのではないでしょうか。
そしてもちろん、ご両親も結婚話を初めて聞いた時から、ドキドキソワソワがスタートします。結婚のお祝いメッセージを上手に伝えたいと思いながら、特に複雑な新婦の両親にとっては、ピッタリの言葉が思い浮かばないかもしれません。けれども、どんな時にも結婚のお祝いメッセージをご両親が伝えるシーンは感動的です。
そこで今回は、そんな結婚のお祝いメッセージの物語として、体験談をいくつかお伝えします。読んでいると涙がでそうな感動的な体験談です。
結婚を、猛反対していたお父様の挨拶
ドラマでもよくあるような、結婚式に猛反対していたお父様の結婚お祝いメッセージに、感動の体験談がありました。
★ 「私はこの結婚式には反対です。」
ここから始まる結婚のお祝いメッセージだったのです。と言うのもこの新婦の結婚相手である男性は離婚歴がある男性。自分の両親にも勘当されている身でした。これでは、愛する我が娘を安心してお嫁に差し出すわけには行きません。
けれどもこの男性の人柄は誠実なものでした。長い期間の同棲生活を経て、籍だけは入っている状態です。それでも結婚式には猛反対の父親でしたが、それを押しのけた形の強引な結婚式だったのです。
【 結婚お祝いメッセージ:改めて娘を 】
★ 「結婚当初は私のお弁当を毎日作っていた妻が、いつの頃からか娘のお弁当ばかりを作るようになりました。」
「そして今2人きりになって、妻は私に毎日お弁当を作ってくれています。」
「今、娘は新郎である○○君と暮らし始め、毎日お弁当を作っています。その姿は私たち夫婦の若かりし頃そのままです。」
「私の娘をもらってくれて、妻との愛情を育む時間をくれた○○君は、今、娘との愛を育んでいます。」
「○○君、私の大切な娘を、もらってくれてありがとう。」
この時、初めて新郎はこの結婚を許されたのです。長年の誠実な想いが伝わった瞬間でした。新郎はその時泣き崩れ、新婦の父親は思わず新郎の元へ向かうと、握手を交わしたそうです。会場は一同号泣。忘れることのできない両家代表の謝辞でした。
父親の余命を知って、結婚式を
新郎新婦の結婚式晴れの日を、万全の体調でお迎えできないご両親も中にはいらっしゃいます。
★ 「孫を抱くまでは死ねないなぁ。」
この結婚お祝いメッセージ、通常ならば普通の言葉かもしれませんが、余命宣告をされていたお父様からの新婦への結婚のお祝いメッセージだったのです。この晴れの日に備えて、日々の治療を乗り越えた末の結婚式でした。
そのためやっと結婚式に出席はしたものの、当日は酸素ボンベと車椅子での参列となったお父様からの、渾身の言葉です。
★ 「今日ここに来れた事が今までの人生で一番幸せです。私もがんばって行くから幸せになってくれ。」
ご両親の長い人生そのものである娘の結婚式。あと少しの時間の中で、最も幸せを感じたこの瞬間に立ち会えたことに感動する体験談でした。
社交ダンスが好きなお父様
映画、「SHALL WE DANCE?」でも主人公の男性が家族に隠していたように、家族にとって自分の父親が社交ダンスをしていると、気恥ずかしい想いが先立って、ついつい嫌がってしまいます。この体験談でも、新婦である娘さんは、長年父親の社交ダンスの趣味を恥ずかしく感じていました。
★ 「これがラストワルツです。」
実はこのお父様の言葉。結婚式前に娘が積年の溝を埋めようと、父親の社交ダンスの趣味を認めて、結婚式の余興で2人で踊った時の、最初の言葉です。この時新婦である娘さんは、初めて社交ダンスに触れ、父親との距離を縮めていきました。
★ 「私の積年の夢、娘とワルツを踊ること。それが今日、初めて叶いました。」
けれどもダンスの終盤、予定とは違いそのお父様はある男性にバトンタッチをするのです。もちろん、その男性とは新郎です。
★ 「○○君。これからは私の愛する娘の手を、あなたに託します。○○ちゃん、これからは○○君の手を離さずに、助け合って生きていくんだよ。」
この結婚のお祝いメッセージのひと言で、とても華やかで楽しげなステージが一転、会場からは感動の涙が溢れました。新婦は涙が止まらず、父親を抱きしめていました。
バージンロードで起きた奇跡のお父様
これは、結婚のお祝いメッセージではありませんが、そのエピソード自体が目の前でドラマを見ているような感動的なシーンの体験談です。
★ 「絶対にバージンロードは歩かないから!」
実はこれは新婦さんの挙式の打ち合わせ中の言葉です。「お父さんがエスコートをするなら、バージンロードは歩かない!」と言うことなのです。それだけ親子の仲は冷え切ったもので、お互いに頑固に拒否している状態でした。
結局その後も、スタッフの必死の説得にやっと新婦さんが承諾したものの、今度は父親が拒否する始末。そのまま式当日を迎えました。チャペルの扉が開く直前まで、スタッフは父親に目配せをしましたが、父親は親族席にどっしりと座り、動こうとはしませんでした。
★ 「お父さん!」
その時です。扉が開いた瞬間に、新婦さんが父親に向かって投げかけた言葉でした。その声のトーンは悲しげで、気持ちを振り絞るような声でした。お父様はその場で花嫁である娘の元へ向かい、一歩一歩歩みを進めました。
それは、長年こじれた2人の愛情が溶け合い、再び通った瞬間でした。そして新郎の元まで娘をエスコートしたお父様が、なかなか我が娘の手を離すことが出来なかった場面も、結婚のお祝いメッセージを超えた、印象的な出来事でした。
このようにコトバだけの結婚のお祝いメッセージだけでなく、いろんな形での思い出いっぱい詰まった、お父様の心の中からの思いの丈いっぱいの結婚のお祝いメッセージ。
友人・知人や会社の同僚からもコトバやお手紙、今ならオリジナルの写真集、また色紙での寄せ書きなどで気持ちを伝えて感動をします。けれども、さらに感動や思いがたくさん詰まっているのが、愛する娘への結婚のお祝いメッセージです。
長年一緒に暮らしてきたご両親。普段何気ない会話をずっとしてきても、式で聞くほんの一言の結婚のお祝いメッセージは、狙わなくとも感動的なシーンになります。特にお父様からの、ここぞとばかりに温存しておいた結婚のお祝いメッセージは、やはりこころに響くのです。
新婦の兄弟からは「普段見たことがない、緊張したオヤジで普段聞いたことがないコメントだ」と言う感想もしばしば。どこのお父様も、大切な娘に贈る大切な結婚のお祝いメッセージ、想いの丈を伝えてください。