お通夜の準備、遺族がしなくてはならない5つの事

お通夜の準備、遺族がしなくてはならない5つの事
通夜を行うに当たっては、葬儀社が一通り行ってくれますが、細かいところで自分たちが何をすればよいのかということは、分からない方も多いですよね。通夜という言葉は誰でも知っているものですが、通夜を準備する方法については普段知る機会はなかなかありませんし、身近な人が亡くなるという事を誰でも考えたくはないものです。

通夜は、故人の遺族が寄り添って故人の魂を慰める意味があり、忙しく終わる葬式の中でも唯一、故人の事を想いながらゆっくり過ごすことができる時間です。

いわば本当に親しい方や親族が故人との最後のお別れをする場でもあります。トラブルなく故人との思い出を心に残せる通夜にする為には、通夜の事前の準備がどうしても必要になってきます。そこで今回は、遺族がしなければいけないお通夜の準備に付いてお伝えします。

 

お通夜の準備、
遺族がしなくてはならない5つの事

 

通夜の本当の意味とは?

葬式の流れについては、臨終の確認、遺体の搬送安置、納棺、通夜、葬儀、告別式、出棺、火葬の順番で、約3日程の短い期間で行われます。その中で通夜は、故人の棺を取り囲み、親しい方が最後のお別れを告げる催しです。

名前の通り夜通しで行われて、そのまま葬式を迎えるというのが昔からの伝統的な方法です。本当に親しい方と親族だけで1晩中焼香を絶やさずに遺体に寄り添って過ごし、故人の魂を慰める、というのが通夜の本来の意味なのです。死臭を線香で消す意味や、死者の魂を悪魔に邪魔されずに送り出す意味、昔は死亡確認の技術が乏しく、まれに息を吹き返す事があった為、1晩中監視するという意味合いもありました。

 

半通夜とは?

今主流になっているのが半通夜と呼ばれる形式で、18時ころから通夜会場の部屋に棺を運んで祭壇に置き、遺族や親しい方が取り囲むように通夜を行う方法です。僧侶の方をお呼びして、その中で一般の方でも時間が合えば訪問し、冥福をお祈りしてすぐ帰るというのが半通夜ですが、今でしたら通夜というとこちらをイメージする方が多いでしょう。

医療技術の進歩や忙しくて時間の取れない方にと、通夜の形式も現代の事情に合わせて変わりました。司会進行、喪主あいさつ等を付けて告別式と同じような形で行うのが一般的ですが、オープンスペースのようにしておき、僧侶の方がお経を唱えている間、順次弔問客を受け付け、故人の供養が終わったら帰るという方法もあります。

 

お通夜の準備、まず始めなければならない5つの事

葬儀のほとんどを葬儀社に任せるのが一般的ですが、それでも自分で準備しなければいけないところがあります。

・喪主あいさつ

通夜の進め方によっては喪主あいさつを省略する場合もありますが、基本的には通夜の始めに5~10分程度、喪主あいさつとして、会葬者への御礼、故人が亡くなったいきさつ、故人の生前の御厚意への感謝、再度会葬者への御礼といった形で喪主あいさつを行います。その中での注意点として「死亡」「急死」「生存」等の忌み言葉は使わず、「逝去」「突然の事」「生前」等に言い換えること、それに合わせて「たびたび」「再三」「重ね重ね」のような繰り返し言葉も使わないようにしましょう。

・会場設営

葬儀社が一通り行うのですが、その中に細かな要望があれば伝えなければなりません。例えば、故人の会社関係の方だけの入り口を作る等は通夜を行う際の大事な部分です。

・供物、供花の配置と送り主の確認

供花は通夜の行われる式場に直接送られてきます。供物の1つ1つに名前の間違いが無いかを確認し、送り主の名札を付ける事と、祭壇に並べる事を自分たちの手で行わなければなりません。基本はつながりの深い順で、祭壇から遺族、親戚、友人、知人、故人の所属していた、若しくは関わりのある企業団体の順番で並べます。また、通夜式を行う際も席順は供花の順番通りですので注意しましょう。

・通夜ぶるまいの準備

通夜ぶるまいとは、通夜のすぐ後に故人を取り囲んでの最後の食事を行う事を指します。大皿料理や寿司等の軽くつまめる物を準備して振る舞わなければなりません。

・通夜の役割分担

受付係、香典を管理し金額を計算する会計係、弔問客・僧侶にお茶を配ったり通夜ぶるまいで食事を出す接待台所係、駐車場の手配や弔問客の車を誘導する駐車場係等の役割が必要になります。

 

通夜での正しい服装とは?

通夜での服装は、略式喪服を着用してください。男性はブラックスーツに白のシャツ、黒無地のネクタイに黒の光沢が無い靴に黒い靴下、派手なアクセサリーやネクタイピンをつけないのが一般的です。女性の場合、膝が隠れる黒のワンピースかスーツが一般的です。モーニングコート、縞ズボン、白ワイシャツ、ベスト等の正式喪服は3親等までは良いとされていますが、通夜では着用せず、一貫して略式喪服を着ましょう

学生の方は学校の制服が喪服に相当しますので、特に準備は必要ありませんし、むしろ学校指定のままで参加するのが好ましいとされています。例えば、靴下は白のままでも良いですし、ネクタイも学校の物で構いません。小さいお子さんの喪服は無い方も多いですので、その場合は貸衣装屋で喪服のレンタルも可能です。

 

いかがでしたか。現在では薄れつつありますが、魔物から魂を守るという意味合いから「火葬場までは同じ道を通らない」「遺体に剣を握らせる」等の風習が多い日本の葬式の中で、一晩中かけて行う通夜から、短い時間の中で遺族も含めて一般の方でも自由に参加できる半通夜へと形は変わってきています。しかし、それでも通夜が無くならなかったのは、故人や遺族の大切な人との関わりを重んじ、故人の思い出を振り返ると共に、最後まで魂と尊厳を守る意味があるのです。

別れは辛いもので、葬式が終わってからようやく故人の死を認識するという方が多くいらっしゃるでしょう。そのような中で、お通夜は唯一遺族がゆっくり故人の顔や思い出を心に残せる時間です。ですから、準備をきちんと行い、故人を心に残せる通夜にしましょう。

まとめ

お通夜の準備で遺族がしなくてはならないこととは

・通夜とは故人の棺を取り囲んで死者の魂が天にいけるように慰めること
・通夜は今では1,2時間程度の半通夜が主流
・遺族がする準備とは、喪主あいさつ、会場の設営、通夜ぶるまい、役割分担、供花の配置
・通夜は略式喪服を着用する


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