食事のマナーに自信がある人は少ないですよね。格式の高いレストランでの食事は、多くの方が楽しみと同時に、緊張を覚えるのではないでしょうか。
高校や大学などによっては校外学習の一環で、食事のマナーを取り入れているところもありますが、カトラリーの扱い方や具体的な料理のいただき方などは、慣れていないとすっとできるものではありません。
しかしこのような食事のマナーは、そもそも、周りに不快な印象を与えないということが基本になっているのです。
カフェや居酒屋なでの友人とのくつろいだ時間とは違った時間ですが、美味しい食事や飲み物と共に、食事のマナーを守らなければならないシーンでの所作は、スマートにしたいですよね。
そこで今回は、結婚式にお呼ばれしても安心して楽しめる、食事のマナーの基礎知識をお伝えします。
食事のマナーは大丈夫?
結婚式でも安心!の基礎知識
大きな荷物はクロークに預ける
格式のあるレストランや結婚式場には、必ず荷物を預けるクロークがあります。
【 食事のマナー:荷物 】
★ もしも大きな荷物で出かけることになったら、それらは最初にクロークに預けます。
・ 貴重品やハンカチ、化粧直し用の口紅などをコンパクトなバッグにまとめたもののみ、会場に持ち込むようにしてください。
・ 秋冬ではコートも必要になりますが、それらも軽くたたんでからクロークに預けます。
また、会場に持ち込んだ手荷物はテーブルの上には置かず、専用の荷物入れや膝の上、または右の足元に置くようにします。携帯電話もテーブルの上に置くのはNGです!
携帯電話で写真?食事のマナー
なお、携帯電話などで料理の写真を撮り、SNSにアップしたい方もいらっしゃるかもしれません。
【 食事のマナー:写真撮影 】
★ これに関しては賛否両論ありますが、食事中にパシャパシャ写真を撮ることを快く思わない人が多いことは確かです。できれば控えたほうが良いと言えます。
ただし、お店の方に頼んで写真を撮ってもらうことは可能ですから、そのような形で思い出に残してはいかがでしょうか。
カトラリーの使い方は「外側から」
会場に入ると、ずらっとお皿の両側に並べられたカトラリーにたじろいでしまう方もいるかもしれません。
【 食事のマナー:カトラリー 】
★ しかしその使い方の基本として、料理が運ばれてきたら、一番外側のナイフ・フォーク・スプーンから順に使えばよいと考えるのが、ごくごくシンプルで分かりやすい覚え方です。
・ 仮に間違えて使ってしまっても、スタッフが新しいものを持ってきてくれるので、心配することはありません。
なお、うっかりカトラリーを落としてしまっても、自分では拾わずにスタッフを呼んで拾ってもらい、新しいものに交換してもらえばOKです。
その時も「すみませーん!」など大声を出したり手を叩くようなことはせず、目で合図を送ってスタッフを呼びます。大きな音を出さずスマートに、というのも食事のマナーのひとつです。
中座の際の、食事のマナー
また、食事中は原則的に中座をしませんが、お手洗いに行きたいなど、避けられないこともあります。
【 食事のマナー:中座 】
★ 使っているナイフとフォークをお皿の上にハの字に置けば、まだ食事中のサインになります。
・ この時ナイフの刃は内側に、フォークは背を上にして置きます。
食事が終わったらナイフとフォークを揃えて、お皿の右側に縦に揃えるか、お皿の上で「4時20分の位置」になるように斜めに置くとスマートです。
ナプキンの扱い方
ナプキンはお皿の上に美しく置かれていることが多いものです。これをいつ膝の上に広げるのか、迷ってしまう方も多いかもしれませんが、タイミングは次の通りです。
【 食事のマナー:ナプキン 】
○ レストランでは、料理を注文したすぐ後
・ なお、ナプキンが立ててあり、メニューを広げた時に当たるようなら倒してOKです。
○結婚式では「乾杯が終わってから」
・ ナプキンは手に取ったら二つ折りにして、輪になるの方を自分の体に向けて膝の上に置き、口を拭う時はナプキンの内側を使います。
なお食事の最中に中座をする時は、ナプキンを椅子の座面の上に置くか、椅子の背かひじ掛けに掛けておき、食事が終わったら軽くたたんで、テーブルの上に置きます。きっちりたたんでおくと「サービスに不満がある」のサインになってしまうので、気をつけて!
グラスの持ち方
洋食の席では、シャンパンやワインがつきもの。実はそのグラスの持ち方にもポイントがあります。
【 食事のマナー:グラスの持ち方 】
★ 上の方を持ってしまうとせっかくの飲み物が温まってしまいます。
・ 脚(ステム)の部分を親指・人差し指・中指でしっかり持っていただくのが正解。
ただしソフトドリンクや水を飲むためのグラスは少し大きいので、ボウルの部分を持ってもOKです。
なお乾杯の際にはグラス同士を当てると破損してしまうことがあるので、目の高さまで持ち上げて軽く会釈をするようにします。また、手酌をしたりドリンクを注いで廻るのは、レストランや結婚式場においてはマナー違反!スタッフに注いでもらいます。
この時もグラスを持ち上げず、テーブルにそのまま置いておきます。
手で直接持ってよい食べ物
洋食は通常カトラリーを使っていただきますが、手で持って食べてもよい食べ物があります。
【 食事のマナー:手で持っても良い食べ物 】
★ 例えばパンがそれに当たりますし、銀紙が骨の部分に巻かれたチキンや、オマール海老やカニなどもOKです。
・ 基本的には、手を洗うためのフィンガーボールが出されたら、手を使ってよいと思ってOK!
ただし大きいものにかぶりつくのはマナー違反!パンは一口ずつちぎってからバターをつけて口に運ぶ、チキンは大きな身の部分を先にナイフで切って食べてから、口に運ぶなど、美しく食べることが食事のマナーなのです。
結婚式でも安心して堂々と食べられる、食事のマナーの基礎知識はいかがでしたでしょうか。
ちょっと堅苦しいなと思う人もいて当然!なのがこの食事のマナーですが、同席した人同士が不快な思いをしないように配慮して、料理をいただくこと、日常の生活でも率先して意識できれば気品も漂います。
つまりこのような席は、料理だけでなく時間や、人との会話や、雰囲気を楽しむものでもあるのです。そう思うと、食事のいただき方は、実はとても奥深い世界だと気づくことができます。
ここでは洋食の食事のマナーをお伝えしましたが、和食や中華料理にももちろん、人を不快にさせずに食事を楽しむ、マナーが存在します。それらを知ることは、きっとあなたの世界を広げてくれることになるはず!
とは言え、すぐにすべてが飲み込めるものでもありませんから、まずは基本を覚えて、食事のマナーの世界に触れてみてはいかがでしょうか。
まとめ
結婚式や会食での食事マナー
・大きな荷物はクロークに預ける
・基本的には、料理の写真撮影は控える
・中座をする時、フォークとナイフをハの時におく
・カトラリーは外側から使う
・ナプキンは膝の上に置く
・グラスに注いでもらう時には、ステムを持つ
・フィンガーボールがある時は、手で食べても良い