結婚式のスピーチや披露宴での余興、二次会での乾杯の音頭など、新郎新婦と親しければ親しいほどそのお役目が回って来ることは多いもの。結婚式のスピーチは、誰もが人前で思うように話すことができる訳ではないので「ああ、どうしよう…」と頭を抱える方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、このようなおめでたい席での結婚式のスピーチは、ある程度形式化されています。そのことを踏まえていれば、多少口ごもることがあったとしても、誰でも問題なく結婚式のスピーチができるもの。
そこで今回は、結婚式のスピーチでよく見受けられる7つのシーンを想定し、それぞれのシチュエーションに沿った、結婚式のスピーチの文例をお伝えします。登場人物の名前やエピソードを入れ替えれば、結婚式のスピーチでも決して失礼にはあたりません。どうか安心してこちらを活かしてください。
結婚式のスピーチ☆
乾杯や余興、7つのシーン別文例集
シーン1 披露宴での一般的な乾杯の音頭
乾杯の音頭だけではなく、披露宴でのすべての結婚式のスピーチを依頼されたら、確かめておきたいことは、その披露宴がどれくらいの規模かということと、ゲストはどんな顔ぶれが集まるか、ということです。
新郎新婦の職場の上司が多かったり、社会的地位のあるゲストがいる会場での結婚式のスピーチなら、自ずとフォーマルな方向で言葉を組み立てる必要がありますし。逆に同僚や学生時代の友人が多い会場での結婚式のスピーチは、あまり堅苦しい言葉はそぐわなくなってしまいます。
★ この項目ではまず「一般的な乾杯の音頭」の結婚式のスピーチ文例を。
「ただ今ご紹介に預かりました、花山知子でございます。
正志さん(新郎)、絵美さん(新婦)、そしてご両家のご家族の皆様、本日は誠におめでとうございます。
甚だ僭越ではございますが、ご指名を頂きましたので乾杯の音頭をとらせて頂きます。
お二人の輝かしい前途を祝し、またご両家並びにご臨席の皆さまのご多幸をお祈りいたしまして、乾杯をしたいと存じます。
それでは皆さまのご唱和をお願い申し上げます。
乾杯!」
シーン2 新郎新婦と親しい場合の、披露宴での乾杯の音頭
シーン2では、新郎新婦と親しく結婚式のスピーチ(披露宴での乾杯の音頭)を頼まれた場合の文例です。簡単な自己紹介と、二人の結婚までの経緯を知っている友人だからこそのお祝いのひと言を添えると、親しみやすくなります。
★ 親しい友人の結婚式のスピーチ文例
「ただ今ご紹介いただきました、花山知子と申します。
正志さん、絵美さん、本日はおめでとうございます。
私は絵美さんとは大学時代から親しくしております。
2年ほど前に正志さんを紹介されてからは、3人で出掛けることも多くなりました。
おふたりのお邪魔をしていないかと内心心配だったのですが、やっと結婚が決まったと聞いた時は自分の事のように嬉しく、本日を心待ちにしておりました。
これからも変わらぬお付き合いをお願いします。
それでは乾杯の音頭をとらせて頂きます。
おふたりの輝かしい前途を祝しまして、乾杯!」
シーン3 上司として結婚式のスピーチをする
新郎または新婦が職場の部下の場合は、フォーマル寄りの結婚式のスピーチをするのが一般的です。
★ 職場の上司の結婚式のスピーチ文例
「ただ今ご紹介を賜りました、株式会社リーフの花山知子と申します。
正志さん、絵美さん、ご結婚誠におめでとうございます。
ご両家の皆さま、本日は誠におめでとうございます。
新婦の絵美さんは、仕事が大変的確な上に笑顔を絶やすことがなく、私たちの職場にとってはまさに太陽のような存在です。
その太陽を支える正志さんはどのような方か、お会いすることを楽しみにしていたのですが、まれに見る好青年で、これならきっとふたりで愛情あふれる幸せな家庭を築けるだろうと確信した次第です。
本日は雨が降っておりますが、この雨は地面を固め、花や木、すべての生き物に命を吹き込む恵みの雨だと思います。
新しい人生が本日のように、暖かい愛情が常に降り注ぐ、輝かしいものでありますようお祈り申し上げます。
これをもちまして、私からのお祝いの言葉とさせていただきます。
本日はおめでとうございます。」
シーン4 友人として結婚式のスピーチをする
友人として結婚式のスピーチを頼まれたなら、友人である新郎や新婦の人柄を交えてお祝いの言葉を述べると、とても好感が持てます。
★ 友人からの結婚式のスピーチ文例
「ただ今ご紹介いただきました、花山知子と申します。
正志さん、絵美ちゃん、ご結婚おめでとうございます。
いつ結婚するのかなと内心ドキドキしていましたが、今、絵美ちゃんのきれいな花嫁姿を見ることができて、何とも言えない感動に浸っております。
絵美ちゃんと私は大学1年の時に知り合いました。
当時から絵美ちゃんはよく気がついて、誰にでも明るく優しく接していて、私の憧れでもありました。
2年前に新郎の正志さんをご紹介いただき、あまりにも絵美ちゃんにピッタリなのでびっくりしました。
絵美ちゃんの頑張りすぎるところを、正志さんが上手に包み込み、癒している感じがして、バランスの取れた素晴らしいカップルだと思います。
きっとこれからはそのバランスが、楽しい家庭を作っていくことに繋がるのでしょう。
正志さん、絵美ちゃん、これからも変わらぬお付き合いをお願いします。
本日はおめでとうございます。」
シーン5 余興の前に結婚式のスピーチをする
余興の前にひと言挨拶するパターンも、これから行う余興との相性やTPOに迷うところです。余興の雰囲気を損なわない挨拶がおすすめです。余興の内容が新郎新婦の思い出に関わるものの場合には、少しエピソードなどを紹介しても盛り上がります。
今回は、少しフォーマル寄りの、「ひとりでピアノの演奏をする」余興設定で、スピーチの文例をお伝えします。
★ 余興前の結婚式のスピーチの文例
「ただ今ご紹介いただきました、花山知子と申します。
正志さん、絵美ちゃん、ご結婚おめでとうございます。
私は新婦の絵美ちゃんとは幼馴染で、一緒のピアノ教室に通っておりました。
ピアノの腕は絵美ちゃんの方がずっと上ですが、私たちの思い出の曲をこの場で演奏してほしいと絵美ちゃんから直々にご指名を頂き、毎日練習を重ねて参りました。
お聞き苦しい点もあるかと存じますが、おふたりの結婚を祝して心をこめて演奏いたします。
どうぞ宜しくお願い申し上げます。」
シーン6 二次会で乾杯の音頭をとる
結婚式の二次会は、披露宴とは大きくフォーマル度やマナーも変わります。新郎新婦の親しい友人などが多いため、カジュアルな雰囲気の音頭で問題ありません。
ただし、ホテル会場などではフォーマルな席が続くことも。会場と参加ゲストに合わせた柔軟な対応が必要な場面でもあります。
★ 二次会での乾杯の音頭、文例
「ただ今ご紹介頂きました、花山知子です。
正志さん、絵美ちゃん、ご結婚おめでとう。そしてこんなに楽しいパーティーにご招待いただいて本当にありがとうございます。(ありがとう!でも。)
懐かしい仲間にも久しぶりに会えたのでとても嬉しく思っています。
私は結婚式から参列していますが、笑いあり涙ありの感動的な一日に胸がいっぱいです。
この場でも皆さんと一緒に、おふたりの末永い幸せを祈って一緒に乾杯をしたいと思います。
それでは、乾杯!」
シーン7 二次会で余興での、結婚式のスピーチ
前述したように、二次会になると随分雰囲気がカジュアルになるケースがほとんどです。フォーマルなキチンとした挨拶よりも、場面によっては盛り上げることが第一!という雰囲気もあるかもしれません。
★ 二次会の余興での結婚式のスピーチ
「ただ今ご紹介頂きました、花山知子です。
正志さん、絵美ちゃん、ご結婚おめでとう!
私は大学時代に絵美ちゃんと一緒の合唱団に所属していました。
本日は久しぶりに、同期の7人と一緒にお祝いの歌をこの場で披露します!
全員歌うのが久しぶりなので大変緊張していますが、心をこめて歌います。
絵美ちゃんも良かったら一緒に歌ってください。
それでは、宜しくお願いいたします。」
頼まれると案外緊張したり、悩んだりする結婚式のスピーチの、それぞれのシーンに合わせた文例集はいかがでしたでしょうか。
基本的に冒頭に簡単な自己紹介と祝福の言葉、中間にエピソード、そしてはなむけの言葉と結びの言葉を入れればお祝いの席にふさわしいスピーチの文章が出来上がります。
結婚式のスピーチでは、ややゆっくり目にはっきりと話すようにします。声のトーンは緊張すると高くなる方もいるかもしれませんが、落ち着きを出すよう少し低めを心がけてください。
もしかしたら言葉が上手く出てこなくなることもあるかもしれませんが、そんな時は素直に謝り、落ち着いて残りの結婚式のスピーチをすれば問題ありません。笑ってごまかしたり慌てふためかない方が得策です。
結婚式のスピーチを頼まれる、ということは新郎新婦からの信頼の現れ。耳障りの良い言葉はいくらでもありますが、心をこめて話せば、それこそがその場にいる皆の心に届く言葉となります。
必要以上に飾ることなく、新郎新婦の晴れの日に花を添えてあげてくださいね。
まとめ
それぞれのシチュエーションに合わせた、結婚式のスピーチ文例集
・会場のゲストの顔ぶれに合わせて、スピーチのフォーマル度を決める
・新郎新婦と親しい友人なら、二人の馴れ初めを添えたスピーチも
・上司としての結婚式のスピーチでは、フォーマルな挨拶が基本
・友人として結婚式のスピーチをするなら、新郎や新婦の人柄を
・余興の前にスピーチをするなら、余興の雰囲気に合わせた内容で
・二次会でのスピーチは、会場に合わせつつも、フランクな挨拶を
・二次会余興のスピーチは、場の雰囲気に合わせたテンションで