急な訃報。残されたご遺族の気持ちを思うとすぐにでも駆けつけたい・・・しかし、どうしてもお葬式の日程のスケジュールの調整がつかない・・・得てして訃報は急なものですので、こんな時があるのも仕方のないことです。
しかし、そんな時の対応で今後のお付き合いも変わってくるかもしれません。まして、それがクライアントなどの仕事関係の方のお葬式であれば、参列出来ないことへのフォローには万全を期したいものです。クライアントがご遺族の立場であれば感情も不安定な時です。こういった時の対応を機に、更に信頼感が増すような対応を心がけたいものですよね。
ここでは、「葬式の日程、どうしても都合がつかない時に取るべき対応」と題し、参列は叶わなくとも、それ以上に弔意を示せる対応方法をご紹介致しましょう。
葬式の日程、
どうしても都合がつかない時に取るべき対応
まずは連絡を入れましょう
連絡を受けておきながら参列出来ない場合は、すぐにその旨を知らせましょう。
電話をかける場合、遺族は通夜・告別式の前後はとにかく慌ただしい状態です。開式・閉式の前後1時間の時間帯の電話は極力避けたほうが賢明でしょう。電話をかけてもつながらない時は、必ず、留守番電話への伝言を残します。例えば以下のように伝言します。
「〇〇(自身の名前)です。この度は突然の事で・・・お悔やみ申し上げます。只今、出張で地方におります為、駆けつけることが叶いませんが、また改めてご連絡させて頂きたく存じます」・・・まず、①お悔やみの言葉、②参列できない理由を簡潔に、③改めて連絡する旨を手短に伝言に残しましょう。
電話がつながらない時にもフォローしましょう
また、電話を掛けるタイミングも合わない場合はメールを送りましょう。
前述の①お悔やみの言葉・②参列できない理由に加え、「ご遺族(喪主などでもOK)のお立場でお忙しい時と思われました為、先ずはメールにてご連絡差し上げました。ご無礼ご容赦下さい」とし、③後日、改めてご連絡させて下さい・・・とします。あくまでも相手の状況に配慮し、「メールでの連絡」とさせて頂いた事を一言添えましょう。相手の方によっては「メールだけで済ませるなんて失礼だな」と思われるかもしれません。
そして、告別式の翌日以降など、ご遺族が落ち着かれた頃を見計らって、改めて電話で連絡を入れましょう。
代理を立てましょう
もし、故人・遺族が仕事関係の方の場合で、自身も対外的に役職のある立場であれば「代理」を立てるのも良いでしょう。
その場合には、部下などに「香典と本来の参列者の名刺」などを持参させます。その際の不祝儀袋(香典袋)の氏名欄にも本来の参列者の名前を記入し、その左横に小さく(代)という字を記入するものとなります。また、代理人が式場で記帳をする時も同様に「本来の参列者の名前」の左横に小さく(代)と記帳します。また、代理のケースで多いのが「奥様がご主人の代理で」というものです。
前述の内容の(代)を(内)と記入します。いずれにしても「〇〇の代理」という事を明確に伝えられるようにしましょう。
香典は現金書留で送りましょう
代理を立てない場合は、後日、香典を現金書留で送りましょう。(普通郵便などでは送りません)送る時期は「告別式以降~四十九日法要までの間」が良いでしょう。
具体的な方法をご紹介します。現金書留の封筒は郵便局で販売(1枚20円:平成27年現在)されています。この現金書留の封筒に不祝儀袋(香典)を入れて封をし、その上から押印します。現金書留の表面に金額も記入します。郵便局から書留の控えが渡されます。
また、香典とともに手紙も同封しましょう。もし、香典が高額でない場合(5000円以下など)は「お返しなどはご無用に願います」などと一言添えても良いでしょう。
弔電を送りましょう
弔電(ちょうでん)とは、弔意(お悔やみの気持ち・ご冥福を祈る気持ち)を表す電報のこと。参列できない場合には電報を送っても良いでしょう。
仕事関係で遺族が取引先関係(クライアントなど)であれば特に送ったほうが良いでしょう。現在は弔電もインターネット上のサイトから送ることが出来ます。弔電の場合は定型文で送ることも多いと思いますが、もし、オリジナルの文言で送る場合には「忌み言葉」に気をつけましょう。
・忌み言葉
※繰り返す言葉「くれぐれも、たびたび、重ねて、重ね重ね(かさねがさね)、再三」など
※直接的な言葉「死んだ→ご逝去」「生きてた頃→ご生前」など
※数字「4」(死)「9」(苦)をイメージさせる為
花を贈りましょう
お花の種類には大きく分けて2つあります。生花(本物の花で作った花台や花籠)と花環(造花)で作った花輪)です。
発注する際は、まず、その式を取り仕切っている葬儀社に連絡を入れると良いでしょう。他の方々からのお花と共に、式場内を統一感をもたせて飾る為です。その葬儀社を介して一斉に手配されます。自分自身は行けず、代理を立てる場合でも「会社名・会社代表者名」などでお花も併せて手配しても良いでしょう。
もし、個別に贈りたい場合は、お花屋さんに直接に注文を入れますが「弔事用と宗派(仏葬やキリスト教等)」を伝えるのを忘れずに。(その宗派の弔事に相応しいお花で作ってくれます)
ご遺族宅を訪ねましょう
そして、参列は叶わずとも、一番、弔意を表せるのは、後日、ご遺族宅を訪ねることでしょう。
もし、このように、後日、訪問する場合には、この時に香典を渡しても構いません。お花も持参する場合には、前述の通り「弔事用」の花束や花籠を作ってもらっても良いですし、ご自宅に飾って頂くものの場合は「故人が好きだったお花」などでも良いでしょう。また、線香なども供物となるので良いと思います。
訪問する際は喪服である必要はありませんが、弔意を示すような落ち着いた色合い(黒・グレー・紺など)や夏場であっても、極力、露出を抑えた服装を心がけましょう。
いかがでしたか。
お葬式の日程にどうしても都合がつかない場合のとるべき対応についてご紹介してまいりました。参列できなくとも・・・であればこそ、その時にとった対応がご遺族の心にも残るものとなりますし、故人へのなによりのご供養にもなります。
自身もスケジュールの都合がつかないほど忙しい時の急な訃報では、心乱れることも多いと思いますが、少し冷静さを取り戻し、適切で、ご遺族の心情にたった心ある対応をしたいものです。
まとめ
葬式の日程、どうしても都合がつかない時に取るべき対応
・まずは連絡を入れましょう
・電話がつながらない時にもフォローしましょう
・代理を立てましょう
・香典は現金書留で送りましょう
・弔電を送りましょう
・花を贈りましょう
・ご遺族宅を訪ねましょう