尊敬語と謙譲語の使い分け。よく使う5つの言葉をチェック

尊敬語と謙譲語の使い分け。よく使う5つの言葉をチェック
尊敬語と謙譲語を使い分けるというテーマはよく取り上げられますよね。尊敬語も謙譲語もビジネスの世界では欠かせないものですので、関心が高いのはもっともなことです。

それにしても、これだけ取り上げられても、一生懸命覚えようとしても、尊敬語と謙譲語をしっかり使いこなすのはなかなか難しいです。ちゃんと分かっているつもりでも、いつの間にか混乱してしまうものです。似ている表現があるので混乱することはよくありますし、勘違いして尊敬語と謙譲語を逆に覚えてしまうこともあります。さらには、丁寧な表現を使おうと意識し過ぎてかえって変になってしまうこともあります。

そこで今回は、よく使う5つの言葉を取り上げて、尊敬語と謙譲語をチェックしてお伝えします。

最もよく使う「する」

「する」という動詞は、人生において最もよく使うフレーズの一つと言えます。使用頻度が高いということは、それだけ使い方を間違う確率も高いという事です。

まず尊敬語では、「なさる」とか、「される」というフレーズになります。「今日はどうなさいますか?」とか、「今日はどうされますか?」などと使います。しっかり相手の意見を敬意を払って聞いています。

これを謙譲語にすると「今日はどういたしますか?」となります。つまり、「いたす」というフレーズに変化しています。

相手がする行動に焦点を合わせた尊敬語と違い、謙譲語は相手に対して自分が何をするのかに焦点が合っています。同じ文章を尊敬語と謙譲語を使って比較すると分かりやすいです。

 

使い分けが重要な「言う」

これも使用頻度が非常に高いフレーズです。先方が言ったことなのか、自分が言ったことなのか、はっきりする必要があります。

尊敬語は「おっしゃる」になります。例えば、「先生がおっしゃいました」などと使います。敬意が表れています。

この場合、よくあるのは丁寧さを心がけすぎて「先生がおっしゃられました」と言ってしまうことです。嫌だと思われることはないでしょうが、違和感があります。

この「おっしゃられました」というのは「おっしゃる」と「~られる」という尊敬語が二重に使用されていますので、望ましくありません。

そして、同じ文章が謙譲語では、「先生に申しました」、また、「先生に申し上げました」となります。

 

ガラッと言い方が変わる「行く」

この「行く」については、尊敬語は「いらっしゃる」、「行かれる」というフレーズになります。

例えば、「目的地には何時にいらっしゃいますか?」とか、「目的地には何時に行かれますか?」となります。

これが謙譲語となると、ガラッと変化します。「目的地には2時に参ります」とか、「目的地には2時にお伺いします」となります。

「いらっしゃる」というフレーズなどは、すこし言い回しに苦労する方が多いことでしょう。使い慣れるよう練習しておきたいです。

 

多くの表現がある「来る」

この「来る」に関しては、多くの尊敬語表現があります。例えば、「来られる」、「見える」、「おいでになる」、「お越しになる」、「いらっしゃる」などがあります。

例えば、「先生が3時に来られた」、「先生が3時にお見えになった」などとなります。他の表現でも構いません。

さて、謙譲語ではどうなるかというと、「参る」を使います。「行く」の謙譲語と同じですので、混乱しないように注意してください。

例文で言うと、「私は3時に参りました」となります。

ビジネスでも重要な「食べる」

ビジネスにおいては、食も大切なものです。相手との距離を縮めるための重要なアイテムと言えます。ですから、「食べる」というフレーズの尊敬語と謙譲語をよく使います

そこで、「食べる」の尊敬語は「召し上がる」です。格調高い感じのするフレーズです。例えば、「甘いものは召し上がりますか?」という感じです。

では謙譲語は何かというと、「いただく」とか、「頂戴します」になります。「甘いものを頂きます」とか、「甘いものを頂戴します」となります。

「いただく」を尊敬語と間違えるケースは多いようですので、気を付けてください。「甘いものをいただいてください」なんて言わないように

 

このように、ビジネスシーンでは尊敬語と謙譲語の使い分けができるかできないかが、仕事ができるかできないかのバロメーターにされてしまうこともあります

復習しておくと、相手を立てるのに使われるのが尊敬語、謙譲語は尊敬している相手に対してへりくだって自分の動作を表現する語です。その中で、今回お伝えした動詞は基本となりますので、しっかり使い分けられるようになりたいところです。

正直、尊敬語や謙譲語は面倒だと感じることがあるでしょう。尊敬して丁寧な語を使ったつもりなのに、「使い方が間違っている」なんて指摘されたらショックです。でも、そんな面倒なものだからこそ、それを使いこなした先にはご褒美が待っているというものです。きっと自分の評価は上がります。

それでは、難しいからこそチャレンジして、尊敬語と謙譲語を使い分けていきましょう。

まとめ

よく使う言葉の尊敬語と謙譲語

・ 「する」は尊敬語が「なさる」や「される」、謙譲語は「いたす」
・ 「言う」は尊敬語が「おっしゃる」、謙譲語は「申す」や「申し上げる」
・ 「行く」は尊敬語が「いらっしゃる」や「行かれる」、謙譲語は「参る」
・ 「来る」は尊敬語が「来られる」や「見える」など、謙譲語は「参る」
・ 「食べる」は尊敬語が「召し上がる」、謙譲語は「いただく」や「頂戴します」


連記事
タイトルとURLをコピーしました