葬儀の流れの基本!いざという時に役立つ7つのポイント

葬儀とは、亡くなられた方のご冥福を祈りお別れをする儀式ですが、主催者側の遺族は、ご逝去から通夜、葬儀告別式にいたるまでの手続きや対応に追われ、旅立つ人の思い出に浸る暇もなければゆっくりお別れを言う暇もありません。ですから、できれば親族の中で喪主の代理として葬儀の流れをしっかり把握できる葬儀ディレクター的存在の方が必要なのです。

お葬式は故人にとっても大切な人との別れの儀式であり、この世に生きたことを証明する一大イベントでもあります。そんな故人の意思を尊重するためにも、穏やかで慌てることのない葬儀を執り行うことが大切です。そこで今回は、葬儀の流れの基本と、いざという時に役立つポイントをいくつかお伝えします。

 

葬儀の流れの基本!
いざという時に役立つ7つのポイント

 

逝去されて最初に決めることはご遺体の安置場所

最近は病院で亡くなる方が多くなりましたが、大切な方を亡くした直後と言うのは冷静さを欠いて当り前です。ですが、このままそこに寝かせておくわけにはいきません。逝去されて最初に決めることは、ご遺体をどこに移動するかということです。

安置場所の選択肢は自宅、葬儀社の保管所、火葬場の保管所が一般的ですが自宅が狭いことや、あまり人に知られたくないなどの理由で葬儀社や火葬場の保管所を選択する方も多くなっています。ただし火葬場の保管所は、お線香を始め全てのお供え物の持ち込みを禁止している上、面会時間も限られています。安置場所を決める際は今後の葬儀の流れを十分考慮して決める必要があります。

ポイント:逝去されて最初に決めることはご遺体の安置場所。自宅や葬儀社、火葬場の安置所が一般的。今後の葬儀の流れを考慮して決める。

 

葬儀の場所と葬儀社を決める

葬儀の場所を決める条件としては、自宅からの距離、予測される会葬者の数、予算、会場までのアクセスがあげられます。また葬儀から火葬場へ流れる必要がないため火葬場併設の式場が人気ですが、予約でいっぱいの時が多く、葬儀の日程が大幅に延長になるケースもあるので確認が必要です。

良い葬儀社の見分け方は見積り作成時に、色々事細かに聞いてくれること、どんな相談にも乗りますよといった仕事に対する姿勢が見えるか見えないかです。いくら見積り上安くても、説明の少ない数字だけの契約では葬儀後の実際の請求額が当初の見積り額より大幅に高いことも考えられます。経験豊富なスタッフや厚生労働省認定の一級葬祭ディレクターの存在も選考の基準です。

ポイント:葬儀の場所は会葬者の数や予算、利便性などで決める。また葬儀社選定の際は見積りの安さだけに惑わされないこと。

 

葬儀の流れは菩提寺への連絡から始める

葬儀の準備を始めるにあたって大変重要なことは、菩提寺へ連絡するタイミングです。もしも葬儀の日程や場所を決めてからお寺に連絡したとすれば大変なマナー違反です。葬儀の流れはあくまでも僧侶を主体として執り行うものだからです。ですから葬儀の日程を決める順番はまず僧侶の予定が最優先にしてその後、火葬場の空き状況、式場の空き状況を確認し決めてください。

また連絡を入れた僧侶にはご挨拶に伺うのが礼儀、その際に葬儀の流れや枕経の有無の確認を行いますが、主な目的はお布施の金額を決めることです。もしも見当が付かない場合は、直接僧侶にお願いして大方の目安を教えていただきましょう。

ポイント:葬儀の流れは菩提寺の僧侶の相談しながら決めること。先に決めるのはマナー違反。またお布施の金額は葬儀の前に決めておく。

 

葬儀費用を決定する手順

葬儀の費用は祭壇や遺影写真の制作費、お礼状などの葬儀に必要な費用と式場使用料や火葬に関わる費用、霊柩車などの実費費用、そして会葬いただいた方々に対する食事や返礼品などの接待費などさまざまですが、葬儀費用を予算内で納めるコツは最初に実費費用や接待費を計算し、最後に祭壇の予算を決定することです。

なぜなら祭壇は安いものから高いものまで差が大きいため、つい葬儀社の勧めで値段の高い祭壇に決めてしまい、後から予算が足りなくなるということがあるからです。参列者の数で予算は大きく変動しますので読み間違いがないよう注意が必要です。

ポイント:葬儀費用を予算内に納めるコツは祭壇の費用を最後に決めること。また参列者の数をなるべく正確に予測すること。

 

通夜の流れと喪主あいさつのタイミング

以前は自宅葬が多く、通夜も夜を徹して行われたものですが、最近は式場で行われることが多く夜9時までとする場合が多いようです。式の流れとしては、僧侶の入場後に読経が始まり、その間参列者は焼香をします。

焼香の後、参列していただいた方に対しては会場の外で会葬御礼をお渡しして食事をしていただきます。ですから喪主が通夜の会場であいさつをする機会はありません。参列していただいた方にあいさつをする場合は、僧侶が通夜の会場から退場した後、お食事を振舞う会場に出向くのが通例です。

ポイント:通夜の終了までの所要時間は決まっていないが、会場の都合で夜9時までとする場合が多い。喪主から参列者のあいさつは通夜の後の振る舞いの会場で行う。

 

葬儀の流れの基本と注意点

葬儀の流れは次の通りです。僧侶入場後読経(40分程度)→僧侶より故人へ引導の授与→僧侶の合図により遺族、親族、会葬者の順で焼香開始→弔辞→弔電奉読→僧侶退場→お別れのお花入れ→喪主、親族代表あいさつ→出棺。と約1時間程度です。お別れのお花入れは、親族を始め会葬者全員で行いますが、その際、お花の他にも故人の愛用品や祭壇にお供えしていた一膳飯と枕団子も納棺します。

ですが故人の思い出の品ならなんでも納棺していいというものではありません。入れたらいけない物でよく耳にするのは、ゴルフクラブ、DVD、ビンや缶に入ったお酒、ジュエリー、アクセサリーなど、燃えないごみとして扱われるものは禁止です。

また喪主、親族代表のあいさつは、会葬していただいたお礼に始まり、逝去までの様子や故人との思い出のエピソードなどを簡単に披露し、最後に今後も家族みんなでがんばっていく決意や出棺までお付き合いいただいた感謝の気持ちを伝えます。もちろん原稿を読みながらでも問題ありません。火葬時間は予約制のため出棺の遅れは厳禁です。

ポイント:お別れのお花入れの際にお酒のビンやゴルフクラブ、アクセサリーなどの燃えないごみを納棺するには禁止。また親族代表あいさつは、家族全員でがんばる決意と会葬者への感謝の気持ちを伝える。

 

葬儀後早めに処理すべき事柄

葬儀後にすることは想像以上にたくさんあって、どれから手を付けていいか解らなくなりますが、そこは家族で助け合って徐々に片付けていくようにしましょう。まず健康保険より「家族埋葬料」として5万円支給されますが、申請に行かないともらえないので葬儀後早めに申請してください。申請先は国民健康保険の場合は市役所、会社員の場合は社会保険事務所です。

また会葬帳の整理をしてお礼状の準備。お手伝いいただいた方や供花、お供物、弔電をいただいた近隣の方へのあいさつ回り、遠くの方にはお礼状を送ります。以上葬儀後にやるべき仕事の流れを一週間以内に終わらせるのが理想的です。

ポイント:葬儀の後は処理することがたくさんあるが、家族で助け合って片付ける。特に近隣の方へのあいさつ周りとお礼状の送付は葬儀後一週間以内に終わらせる。

 

いかがでしたでしょうか。

お葬式はいざ送り出す側になると、色々な決まりごとやマナーも多くて大変ですね。それに時間も限られています。最近は故人の意思や家族の意向でご遺族だけで執り行う家族葬も増えてきましたが、生前のお付き合いが広かった方の場合はそういうわけにもいかないようです。

人は一人では生きられるものではなく、必ず誰かに支えられて生きてきたわけですから、その方々に何のお礼も言わずに送り出したのでは、かえってトラブルのもとになるという意見もあります。ですから、ごく親しかった人をお迎えしてのお葬式はとても大切だと思います。お通夜の会食の席で故人の功績について話しを聞いたり、親友だからこそ知っている秘密のエピソードが飛び出しすかも知れません。

おそらくお葬式とはそんな儀式。故人との別れを惜しみ思い出を語り合う大切な時間なのです。別れの時はないに越したことはありませんが必ず訪れます。そんな時のために葬儀の流れの基本を覚えておきましょう。愛する人との別れの時を大切にするため、そしてお世話になった方々へ心からのお礼の気持ちを伝えるためにも。

 

まとめ

葬儀の流れに合わせて、いざという時に役立つ7つのポイントをご紹介します

・亡くなった後最初に決めるのはご遺体の安置場所です
・色々な条件を考えて葬儀の場所と葬儀社を決めます
・葬儀の日程は最初僧侶に相談して決めてください
・葬儀費用を予算内で納めるコツは祭壇を最後に決めることです
・通夜のあいさつはお食事会場で行います
・お葬式のお花入れの際、お酒や宝石を納棺するのは禁止です
・お葬式後のあいさつ回りやお礼状の送付は一週間以内に済ませましょう


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