お焼香の仕方をおさらい。突然でも慌てない7つの基本


「お焼香の仕方」に戸惑うことってありますよね。冠婚葬祭の伝統を重んじる日本人ですが、いざお葬式に参列した際に「そう言えば、正式にはどうだったけ…」と思うことが多いのです。

「前の人のお焼香の仕方を真似すればいいや」と思う方も多いかも知れません。しかたし、マナーに則って順番を待っている時、なかなか前の方のお焼香の仕方は見れないもの。正しいお焼香の仕方を知らないと、いざという時に困ってしまいます。

もしかしたら、後に続く人にとっては自分のお焼香の仕方が規範となるのですから、間違った仕方はできません。大人であれば理解して、堂々とお焼香台に立ちたいですよね。そこで今回は、いざというときに役立つ、お焼香の仕方の7つの基本をお伝えします。正しいお焼香の仕方をおさらいしてください。

 

お焼香の仕方をおさらい。
突然でも慌てない7つの基本

 

お焼香の仕方の基本

お葬式は宗派別の形式がありますが、基本的にお焼香の仕方は同じです。

【 お焼香の仕方:流れ 】

① まず自分の順番が来たら、席を立って、焼香台の前まで移動します。

② 遺族に一礼して、焼香台に更に一歩近づいて、遺影に向かって一礼します。

③ 宗派ごとに定められている回数のお焼香を行ってから、合掌して一礼します。

④ 最後に遺族に一礼して、自分の席に戻ります。

 

お焼香の種類、3つのパターン

お焼香の仕方には「立礼焼香」「座礼焼香」「回し焼香」の3つの種類があります。一般的な斎場での葬儀では、ほとんど「立礼焼香」が行われています。立礼焼香とは、椅子席の斎場で立って行う焼香の仕方を言います。

【 お焼香の仕方:立礼焼香の流れ 】

① 焼香台の手前まで進み、遺族と僧侶に一礼をします。

② 遺影に合掌して、一礼してください。

③ 焼香台に進んで、お焼香をした後に、合掌

④ 最後にもう一度遺族に一礼して、自分の席に戻ります。

次に「座礼焼香」ですが、座って行うお焼香のことです。葬儀が和室などで行われる場合、座礼焼香で行われます。

【 お焼香の仕方:座礼焼香 】

■ 焼香台までの距離が近い場合は、膝行・膝退といって、立ち上がらないで焼香台まで移動することが作法。

また、自分の席と焼香台までの距離がある場合は、中腰の姿勢で立って移動してください。

最後に「回し焼香」ですが、葬儀会場が狭くて、参列者が多い場合、焼香台まで移動がしづらいもの。その場合は、祭壇前の焼香台まで移動するのではなく、香炉と抹香をお盆に乗せて、参列者が回して自分の席でお焼香します。

【 お焼香の仕方:回し焼香 】

■ 香炉と抹香が乗ったお盆を隣の人から受け取ってから、自分の前か膝の上にお盆を置いて、お焼香をしてください。

お焼香が終わったら、次の人にお盆を渡します。

 

宗派によって違う、お焼香の回数

宗派ごとのお焼香の仕方ですが、回数が異なることがあります。まず、「日蓮宗と浄土宗は、1回または3回」とされています。また「真言宗と日蓮正宗は3回」そして「臨済宗は1回」と定められています。

【 お焼香の仕方:宗派 】

■ 自分の宗派のお焼香の仕方で大丈夫なのです。

・ 葬儀によっては、時間の関係から「お一人様、1回でお焼香をお願いします。」と案内されることがあるので、その場合は案内に従うのが自然です。

 

数珠の持ち方に気をつける

宗派によってはお焼香の際に、数珠の持ち方も異なりますが、自分の持っている数珠で構いません。数珠を持ってのお焼香の仕方はどのようにやるのでしょうか。数珠は左手に持って、祭壇前の焼香台の手前に進んでください。

【 お焼香の仕方:数珠 】

① 遺族と僧侶に一礼して、ここで数珠を両手にかけて合掌します。

② 数珠を左手にかけて、香を右手の親指、人差し指、中指でつまんで、「おしいただき」ます。

③ 合掌する時は、合わせた手にひらに隙間のないように、ぴったりと合わせるのがポイント。

数珠の持ち方は少々複雑なので、おさらいしておくと安心してお焼香ができます。

 

お焼香の順番にも注意

お焼香の仕方として、故人との関係が近い順に行われます。大きく分けると「親戚や親族によるお焼香の親族焼香」と「葬儀の参列者によるお焼香である一般焼香」に分けられます。

【 お焼香の仕方:順番 】

■ 順番は、喪主→配偶者→その子供→故人の兄弟姉妹→その他の親族→知人→一般弔問客が妥当です。

基本的には、親族焼香と一般焼香に分かれますが、葬儀の規模によっては更に地域の代表者や公職関係者、会社・団体の代表などのお焼香を間に挟んだり、焼香の順序を一部入れ替えたりもします。

 

喪主のお焼香は間違いのないように

自分が葬儀の喪主となった場合のお焼香の仕方はどうやるのでしょうか。葬儀の参列者として、列席した場合は前の人にならってお焼香をすればいいのですが、自分が喪主となる場合は、そうはいきません。

喪主は一番最初にお焼香をすることになるので、間違いのないように慎重に進めます。

【 お焼香の仕方:喪主 】

① 参列者全体に向かって一礼をしてから、祭壇に向かいます。

② お焼香が済んだら、もう一度参列者に向かって、一礼して席に戻ります。

 

自分が故人の遺族の場合

自分自身が故人との関係が、友人や知人の場合は、お焼香の仕方は、遺族に対して一礼をするのが普通です。

【 お焼香の仕方:遺族の場合 】

■ 自分自身が遺族の家族である場合は、一礼は必要ないので、気をつけてお焼香台へ進みます。

 

いかがでしたでしょうか。日本では仏式の葬儀がほとんであるので、必ずお焼香がつきものです。同じ仏教であっても宗派や地域によっては、お焼香の回数や作法が異なったりして、対応が様々になることがあります。

また、お焼香の際に関して、一礼の仕方、数珠の持ち方やお焼香の順番に注意が必要になってきます。また、葬儀は故人とのお別れの場所となるので、遺族や周りの参列者に対して配慮するようにしてください。

一番、大切なのは「故人を偲び、心を込めてお焼香をして、故人を見送る」ことではないでしょうか。「人は亡くなって意識はなくても、声は聞こえる」と言われます。葬儀の際には、ぜひ故人に声をかけてあげて下さい。

いざという時に慌てないように、正しい知識を身につけて、お焼香の仕方の基本を覚えてください。

 

まとめ

お焼香の仕方、基本の手順

・お焼香の仕方は宗派が異なっても、基本的に同じ
・お焼香の種類には3つのパターンがある
・宗派によってお焼香の回数が異なる
・数珠は左手に持ち、合掌時は両手にかける
・お焼香の順番は、故人に近い関係の方々から
・喪主のお焼香では、全体に向かって前後で一礼
・自分が故人の遺族の場合、お焼香の一礼はいらない


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