いくら包んだら良い?お布施の金額を決める5つのポイント


「えっ、そんなに高額?!」「お気持ちで結構です…と言われても正直分からない!」お布施に関しての疑問は、親族も頭を抱える所ですよね。宗教でのお金の話はタブーとも言えますし、そもそも金額設定があるものでもありませんし…。

故人の遺志を尊重し、故人が信仰していた宗教に沿った法事を行いたいと思うのは当然です。遺族として、お寺へ失礼に当たらず、故人の名誉も傷つけず、またご自身も気持ちよく弔いが出来たと思えるのが一番です。

そこで今日はいざという時のために、お布施の金額を決めるポイントについてお伝えします。

葬儀時のお布施について

葬儀や法事法要の際に、お寺(僧侶・住職)へお渡しする謝礼の事をお布施と言います。読経をはじめ、戒名、一連の儀式を取り仕切ってくれた事に対しての感謝の気持ちです。

お布施の金額は、故人のお寺との付き合いや、宗派や地域によっても異なります。では、一般的な葬儀時に僧侶・住職の方が行うこと、相場について見ていきましょう。

【僧侶・住職の方が行う事/相場】

お通夜

・枕経(納棺経)…1万
・通夜における読経…1万

葬儀・告別式・火葬前の読経・還骨勤行(+初七日法要)

・読経…10~15万/1人

※初七日の法要は、本来亡くなってから7日目に行われるものですが、葬儀当日に済ませるケースが多くなっています。葬儀一連の作業をまとめて、お布施としてお渡しします。

※戒名、その他お礼は含まない金額です。

 

戒名・法名について

時はさかのぼり、江戸時代。大名や武士、庶民などの地位によって、戒名のランク付けが定められました。こうした名残が今も引き継がれ、戒名のランクが存在し、金額も異なるのです。

現在は、寺院に対して生前どのような功績を残したか、あるいは社会的に高い貢献をしたかによって、戒名のランクが決まります。信仰する宗派によっても相場が異なりますので、あくまでも目安として参考にして下さい。

【最上位】院殿・大居士/院殿・清大姉…下記以上

【次の位】院・居士/院・大姉…100万~

【次の位】院・信士/院・信女…80万~

【次の位】居士/大姉…30~50万

【最も多い名称】信士/信女…15~30万

※浄土真宗では「法名」と呼び釈や釈尼の文字が使用されます。戒名のみの金額です。

 

その他のお礼について

お布施、戒名料以外のお礼として、御車代、御膳料の2つがあります。葬儀以外の法事法要の際にも必要です。こちらはお布施(戒名含む)とは別の袋を項目ごとに準備するのが良いでしょう。

【御車代】…5千~1万/1台

※葬儀や法事法要のために出向いていただいた場合にお渡しします。送迎タクシーを施主が手配し、タクシー会社へ実費を支払うこともあります。

【御膳料】…5千~1万/1人

通夜ぶるまいや精進おとし、お斎を僧侶・住職の方が欠席された場合にお渡しします。地方によって、また会場によっても金額が異なります。

【ポイント1~ここまで】が葬儀の際に僧侶・住職の方にお渡しする謝礼です。戒名のランクにもよりますが、30~80万の間でお考えになっていた方が無難です。

また、お世話になる僧侶・住職の方の人数によっても大きく変動しますから、注意しておきましょう。

 

法事法要について

葬儀後の法事でも僧侶・住職の方のお手を借りる機会が多くありますね。ここでは一般的な法要、相場も含め説明します。

【初七日】初七日法要の読経…2~3万+その他お礼

故人が三途の川のほとりに到着する日とされています。激流・急流・緩流、また船、橋、泳ぎのいずれかで渡る判定が決まる日です。緩流で、橋もしくは船で安全に渡れるよう供養しましょう。

【四十九日】読経…3万+その他お礼。

※本位牌への入魂供養(開眼供養)…1万/納骨…1万

三途の川を渡り、閻魔大王の元で最後の審判を受ける日です。来世の行き先が決まるもっとも重要な日と言われています。故人が極楽浄土で成仏できるよう法要します。

またこの日をもって「忌明け」となります。法要後、忌明けの会食を開きましょう。この四十九日のお布施が今後の年忌法要の基本金額になる場合が多いようです。

【一周忌~三十三回忌】読経…3万+その他お礼

そのほかの法事法要は、5千~1万+その他お礼が相場となっています。

 

ポイント5.お寺の格式

実は、意外と知られていないのが「寺格」です。お寺にも格式があり、また僧侶・住職の方にも教団内での地位があります。社会的地位によって、政府より認められた格式の寺院もありますし、宗派ごとに定めた寺院の格式もあります。

この格式によって、各お寺が本山へ上納する金額の大小が決まり、また、僧侶・住職の方の地位が高ければ、本山関連のお勤めも多くなり出費も増えます。お布施の相場に幅があるのは、こういった理由も含まれる訳です。

先祖代々お世話になっているお寺が、実は格式高いお寺ということもあり得ますので、ご家族や地域の方、または檀家の方に聞いてみましょう。いざという時に役立ちますので、知っておいて損のない内容です。

 

今回紹介したポイントは、あくまでも目安です。事前にお寺の方と相談する方法もあり、恥ずかしい行為ではありません。普段と違い、精神的にも思考的にも余裕がない時ですから、直接確認し、おおよその金額を聞いてみるのが一番良いでしょう。

もしも金額を提示してくれない/あまりにも多大な金額の場合は、そのお寺の檀家・総代に相談してください。お葬式や法事に出席する人数も減少傾向にある中、ご遺族の負担にならない法事法要が出来るとよいですね。


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