最近、広まりつつあるのが「家族葬」です。密葬とも呼ばれ、家族や親族、そしてごく親しい友人のみで故人を送るのが特徴です。一般の会葬者への心遣いが必要なく、故人との最後の別れを存分に確保できるため、家族葬を選択する方が増えています。また、故人が高齢で友人・知人が少ない、葬儀予算をあまりかけたくない、故人の遺言でこじんまりと行いたいという希望からも家族葬が選ばれています。流れとしては通常のお葬式となんら変わりません。お通夜⇒葬儀⇒出棺⇒火葬という流れです。この家族葬について、家族葬を執り行う場合、家族葬に参列する場合、家族葬に招待されていない場合、それぞれに気をつけるべきマナーについてご紹介します。
家族葬ってどんな葬儀?
家族葬の場合の7つのマナーと知識
参列者の招待
家族葬のマナーとして、これは主に取り仕切る側が気をつけることになりますが、招待する人の範囲に気をつけることが必要です。後で「なんで呼んでくれなかったんだ」とクレームが来ないようにしっかりと配慮する必要があります。挨拶状もどこまで出すのかしっかり決める必要があります。10人程度のごく少ない人数で行う場合は家族のみ。二親等位の範囲で招待します。もう少し規模を大きく、30人程度の場合は三親等くらいの親族、それに加え、故人が生前に親しくしていた友人を招待します。
家族葬の通知
家族葬では参列者を近親者のみに限定し、ご近所、同僚、仕事関係者など義理で来る人の参列をお断りすることになります。その参列者を限定するために通知を行い、家族葬であること、お香典、弔電をお断りすることを明確に伝えなくてはなりません。家族葬であると明言してもお焼香などにくる方もいますので、最初の段階で明確に意思を伝えておくことが重要です。お通夜などを執り行わない場合でも、その旨を明記すると良いでしょう。
ご近所には直接のご挨拶かもしくは回覧板などを通してお知らせをするのが良いでしょう。
お香典について
お断りしたにもかかわらず、相手がどうしてもと言って置いていかれた香典に関しては、お返しをするのがマナーです。いくら家族葬とは言え、その方々それぞれに故人に対する思いがあります。香典の本来の意味は、故人と交流があって世話になり、その縁に対する感謝の意味が含まれています。不本意にいただいたにせよ、お返しをすることが望ましいでしょう。
一方、家族葬に参列する方は、事前にお香典を断られている場合はお香典は持参すべきではありません。しかし、家族葬イコールお香典なしではありません。これを勘違いしてしまうと、大変失礼なことになり、恥をかいてしまいます。お香典に関して何も記載がない場合は、持参するのが無難でしょう。受付で断られた場合には持ち帰れば良いのです。
家族葬の服装
家族葬イコール簡易的な葬儀と考える方もいますが、これも大きな間違いです。家族葬とは言え、葬儀であることには違いはありません。ですので、服装もマナーも通常の葬儀と変わりはありません。
男性は黒いスーツ、白いシャツ、黒のネクタイ、黒の靴下、黒の靴。
女性は地味な平服で、肌をむやみに露出せず、光り物は身につけない格好で参列するのが好ましいでしょう。
お通夜には行くべきか
家族葬に招待されていない場合、お通夜には行くべきか悩むかもしれません。確固とした決まりがあるわけではありませんが、一般的にはお通夜にも参列しないのがマナーです。しかし、故人との親しさの度合いや家族葬をする家族にも事情があるかと思いますので、お通夜に関して相手方に直接確認するのが良いと思います。お悔やみの言葉を申し上げて直接確認するのが良いでしょう。
お香典に代わるものを差し上げるのはどうか
家族葬で、お香典について辞退されている場合、現金のお包みは避けるのがマナーですが、お香典に代わるものを贈りたい場合はどうすれば良いでしょうか。どうしてもという場合には御供として、贈答用のお線香をお渡しするのがお勧めです。この場合、遺族を困らせないような心遣いをするのがマナーとなります。つまり、御供に対するお返しに関して辞退する以降をあらかじめ伝えておくことが必要です。
後日のお焼香、弔問に関して
葬儀後のお焼香のマナーとして、訪問するタイミングは葬儀後一週間の間が良いでしょう。その際の服装は、普通の葬儀と同じで、その4で紹介したような服装を参考にしてください。また、お焼香の際の香典については、家族葬であったならば遺族は受け取りませんので、持参せずに訪問しましょう。
その後の弔問やお線香に関して、家族葬と言えどもお断りする家族は少ないです。ただし、それぞれの家族の事情がありますので、弔問を希望する場合は、お悔やみのご挨拶をして、直接遺族に確認するのが良いでしょう。
家族葬についてご紹介しましたが、イメージは出来ましたでしょうか?葬儀の内容に関しては通常のお葬式と何ら変わらないのですが、参列をオープンにするのか、限定するのかが大きな違いです。家庭の事情も様々ですし、故人の意向も様々です。家族葬は今の時代に合った葬儀の方法のひとつなのかもしれません。
まとめ
家族葬ってどんな葬儀?家族葬の場合の7つのマナーと知識
・参列者の招待
・家族葬の通知
・お香典について
・家族葬の服装
・お通夜には行くべきか
・お香典に代わるものを差し上げるのはどうか
・後日のお焼香、弔問に関して