弔電は多くの電報のなかでも、特にマナーに配慮したいもの。誰かの訃報は、まさか!という思いがけないタイミングで、耳に入ります。通夜や告別式の日程も、もちろん土日に合わせるという訳ではなく、日柄に合わせて決めていきます。そうなると、どうしても参列できないタイミングも生まれます。
日程的には列席できても、遠方であったり、どうしても都合が合わなかったりと、列席できない人も多いです。そんな事情がある場合、お悔やみの気持ちを込めて弔電を送るのがマナー。
弔電は、葬儀の最中に読まれることもあります。そのため気持ちを込めた弔電は、式の中で読み上げられます。より気持ちを強く伝えてくれるのです。そこで本記事では、故人を偲び気持ちのこもった弔電を送るために、経験の多い葬儀屋さんが教えるポイントを、お伝えします。
弔電を送るなら、
葬儀屋さんが教える7つの知識
弔電はお花付きではなく台紙タイプを選ぼう
弔電を送る時に、通常電報は台紙付きのタイプと供花付きのタイプとの2つが選べます。どちらがいいのかと迷うのではないでしょうか。
★ 弔電では供花ではなく、台紙タイプのものを選ぶことをおすすめします。
供花付きのタイプのほうがゴージャスなのでは?と選ぶ人々が大多数ですが、供花付きの弔電は、葬儀社の人によって花と電報を分けて保管されます。
このような理由から、供花タイプの弔電を選んでも、実は誰から贈られたものか、わからなくなることも多いのです。弔電に供花付きのものを贈りたい気持ちはわかりますが、台紙付きのものが得策です。
台紙を高級なものにするより文章にこだわろう
弔電の台紙にもオルゴール付きのものや、押し花付きのものなどさまざまな種類・ランクのものがあります。どれにしたらいいのか、とすごく迷う人々を見受けます。実際には…。
★ どれを選んでも、あまり遺族の心には残らないかもしれません。
どの台紙を選んでも文章が定型文であれば、もしかしたらまったく同じ台紙と定型文の弔電が届いてしまう可能性もあるのです。
それよりは定型文ではなく、オリジナルの文章で弔電を送るほうが、ずっと遺族の心に残ってくれます。台紙よりも文章の中身にこだわることを、おすすめします。
弔電初心者は無理せず定型文をアレンジしよう
オリジナルの文章の弔電にしよう!と思っても、弔電初心者ではちょっとむずかしいものです。お悔やみの言葉にも「忌み言葉」というものがあり、使ってはいけない言葉や言い回しがあるのです。
★ 弔電をはじめとする、お葬式の挨拶文には、多くのタブーがあります。
せっかくのいい文章でも、忌み言葉を使ってしまっていると、遺族はいい気分にはなりません。
このような理由から、今まで弔電を贈ったことがないのであれば、基本の定型文を使って、間にエピソードを少しだけ挟んで、アレンジをする方法が得策です。その部分だけでも、しっかり文章を考えれば、その真心は伝わります。
申し込みは電話よりインターネットがスムーズ
弔電の申し込みは、電話だけではありません。最近では、インターネットからも、申し込みが可能です。
★ 申し込みは、出来ればインターネットがおすすめです。
電話での弔電の申し込みは、間違いがないように言葉で相手に伝える必要があり、案外手間取ります。また、気持ちを込めてオリジナルの文章で弔電を送る時、それをオペレーターに伝えるのが、気恥ずかしくなり定型文で済ませてしまう人も多いです。。
インターネットで弔電を申し込めば、時間や場所を気にせずに、心をこめた自分のオリジナルの文章を、よりスムーズに送ることができます。お届け日の指定もできるので、弔電は早めに申し込みしてください。
名前の難しい人は弔電にふりがなも入れよう
弔電には自分の名前を必ず記載するものです。そこで、「苗字や名前が読みにくい。」そんな自覚がある方はいませんか?
★ 名前が難しい場合、ふりがなを入れてください。
弔電は、式の最中に読み上げられる可能性があります。そのため、難しい読みには、ふりがなを入れるよう、読み手を気遣うのが、マナーです。
また、遺族が電報を読んだ時にも、名前が読めないと不都合があります。読みにくい名前のふりがなは必須。遺族から連絡が来ることもあるので、名前と住所はきちんと記載してください。
電報の価格は会社によって金額が違うので注意
電報を打ってもらえる会社は一社ではありません。いろいろな会社が電報のサービスを行っています。もちろん、利用者はその会社を選ぶことが出来ます。でも弔電といえば!とひとつの会社に連絡し、そのまま申し込む人々がほとんどです。
★ 会社によって、同じ文字数でも価格が変わります。
なんと、実際には倍以上の金額差があることも。時間に余裕があれば、いくつかの会社を比較して、よりよい内容でよりよい金額の会社を選び、弔電をお願いすることをおすすめします。
★ 弔電に役立つ、電報サービス会社
・ 電報サービス VERY CARD
・ ALSOK電報
・ e-denpoなど
葬儀に日に間に合わなければ弔電よりも訪問を
「葬儀に参列できないので、急ぎ弔電を贈らなければ!」と思うあまり、どのパターンも弔電を送ることで済ましてしまっているなんてこと、ありませんか?
★ 弔電は、急いで駆けつけたい葬儀に、間に合わない時に送るものです。
葬儀の翌日に弔電が届く…。このような弔電は、タイミングとしていかがなものでしょうか。とは言えさまざまな事情があって、弔電も遅れてしまう、という方もいるかもしれません。
【 葬儀までに弔電が、届けられないなら 】
予め弔電が間に合わないと分かっているのなら、すぐに弔電は送らず手紙を送る方法もあります。もしくは葬儀が落ち着いた頃でも、訪問するほうがずっと気持ちが伝わるものです。
弔電も遅れてしまうために届ける手紙なら、お悔やみと遅れてしまったことへのお詫びの言葉を添えてください。四十七日を過ぎても、ご仏前に手を合わせられれば、より良いです。
いかがでしたでしょうか。弔電を送るポイントは、遺族の気持ちを考えることで、自然と分かるマナーも多いです。ただし遺族の気持ちもまだ不安定な葬儀や弔電のマナーは、できる限り把握して、まだ悲しみのなかにいるご遺族の心が、少しでも温かくなるよう、心がけたいもの。
マナーによっては、とりあえずの弔電を送るだけ、葬儀が終わっても定形の弔電が届くだけ、と捉えられてしまいかねません。故人への礼儀を尽くしたつもりの弔電でも、それだけでは遺族とのすれ違いの心配もあります。弔電はあくまでも、駆けつけられなかった時に利用するもの。できる限り、手を合わせられるようにしたいですね。
弔電はシンプルな気持ちを表すツール。だからこそ、きちんと気持ちを込め配慮をすれば、その気持ちもしっかり遺族に伝わります。弔電を送る時には、故人を偲び真心を込めることを、忘れずに送ってください。
まとめ
葬儀屋さんだからこそ知る、弔電の大切なマナー
・弔電のお花は遺族に届かないことがあるので注意
・台紙の違いよりも弔電の中身が遺族に伝わるもの
・弔電には使ってはいけない言葉もあるので注意
・電話での申し込みは手間がかかるので避けるべき
・弔電は葬儀中読まれることもあるので配慮しよう
・電報は送る会社によって価格が違うことも検討
・参列できなかったお悔やみは訪問して伝えよう