上手・下手がわからなくてビジネスシーンでまごついたり恥ずかしい思いをした方もいらっしゃいますよね。目上の人やお客様を案内する際は敬意やおもてなしの気持ちを込めて一番良い席に着席していただくことが大切です。
座る位置関係は相手の肩書はもちろん、関係性もわきまえることが重要で、上手下手は人間関係そのものといえるでしょう。
上手・下手の理解があやふやだとマナーを知らない失礼な人として映り、ビジネスシーンにも影響を与える可能性があります。今後のお付き合いにも関わりますので、上手・下手の意味を知り、気持よく着席していただくためにも十分な配慮が必要となってきます。
そこで今回は、上手・下手を完璧に見極める対応術についてお伝えします。
上手下手の基本
上手・下手の基本は入口から一番遠い奥の席が上手(上座)となり入口に近い席が下手(下座)になります。
特に日本人は立ち位置や順番にはとても敏感で、目下よりも下手に案内でもされようものなら気分を害すること間違いなし。逆に、上手に案内されれば大切にされている、敬意を払ってくれていると感じます。
案内する時は「奥の席にどうぞ」と声をかけながら上手を手で示すとよいでしょう。「どうぞ」だけでは無愛想にも感じます。
さすがのマナーと思っていただくことは今後のビジネスも良い結果につながることでしょう。
応接室での場合
応接室の場合、大抵ソファと一人掛け用の椅子がありますが、ソファは事前に上手に置いておきましょう。お客様を案内する時はソファを勧めます。基本は守りたいところですが、イレギュラーなこともありますので注意が必要です。
自慢の調度品をさり気なくお見せするのも奥ゆかしいおもてなしになります。
エレベーターの場合
上手下手がおもてなしに大切だとわかっていても、エレベーターに乗る時にはどうしたらよいか悩みますよね。
先に乗ってボタンを押しがちですが、目上の方を先に案内するのがマナーです。案内人は最後に乗り、下手となる操作盤側に立ちボタンを操作します。
降りるときは目上の方に先に降りていただき、案内人はその間ドアが閉まらないよう操作盤の「開」ボタンを押しておきます。目上の方が降り終えたのを確認して目下も降ります。
タクシーの場合
上手・下手のマナーはタクシー乗車の際にもありますので、目上の方と同乗する場合は特に気をつけたいものです。
目上の方に先に乗っていただくのがマナーで「奥の席へどうぞ」と案内します。運転席の隣の助手席が下手になり、一番目下の人が座ります。この場合、運転手に道順を伝えたり支払いをします。支払い時はさっと渡せるよう事前に小銭の準備もしておくとスマートですね。
飲食店での場合
上手下手の席順は飲食店での会食や接待の際にも気を配ることが大切です。
上手下手は料亭など和室の場合は床の間の前が上手になり、入口に近い席が下手になります。
また寿司屋やバーなどのカウンターに案内する場合の基本は、一番奥の席が上手になりますが、板前さんやバーテンダーさんの前を上手とする場合もあります。お店の方との話を楽しんでいただくのも粋なおもてなしになることでしょう。
以上、上手・下手の対応術をお伝えしました。これでどんなお客様にも完璧に対応できることでしょう。
上手下手の考え方は相手を敬いおもてなしをするということです。基本は入口から一番遠い席が上手で一番近い席が下手になります。下手の席に座る一番目下は必要に応じてすぐに動ける位置でもあります。上手と下手に基本を押さえておきますが、さらに応用も必要です。
その席から見える景色や調度品の位置で上手と下手が入れ替わる場合もあります。臨機応変にかつ失礼が無いように見極めると素晴らしい対応だと思っていただけることでしょう。
上手下手は人間関係を大事にする日本人特有の感覚ではありビジネスの展開にも影響がありますので、しっかりと身に付けておきたいものです。