お彼岸は、古くからある日本の文化。小さい頃に親に連れられ、お彼岸にご先祖様のお墓参りに行ったことがある人は、多いですよね。しかし、お彼岸にお墓参りに行く理由や、お彼岸独特のお墓参りの仕方について、細かく知っているという人は、あまりいません。
お彼岸のお墓参りには、自分の親や祖父母など面識のある家族の供養の意味ももちろんありますが、ご先祖様の供養をするという意味もあります。そのため、家族で代々続けていく行事。とはいえ、お彼岸をする意味や背景について知識がないと、お墓参りをする意義が薄れていってしまうもの。
そのため、子どもの頃からお彼岸は何のためにあるのか、どのようなことをするのかを、親なら子に言い伝えたいですよね。そこで今回は、子どもにも聞かれても困らない、お彼岸に関する基礎知識を7つ、お伝えします。
お彼岸とは何?
子どもにも答えられる7つの基礎知識
お彼岸の意味とは?
お彼岸という言葉はよく聞く言葉だけに、反対に「そういえば、意味についてはよく考えたことがない。」という人が多いもの。
【 そもそも、お彼岸とは? 】
★ お彼岸の「彼岸」というのは、悟りの境地の事を言います。
・ 私たち現世の人間がいるのは「此岸」と言い、彼岸とは対極の岸ということになります。
自分たち人間が今生きているのはご先祖様のお陰であり、その感謝の気持ちを込めて彼岸にいるご先祖様に伝えようということで、お彼岸の習慣が始まったのです。
お墓参りをする理由
お彼岸と混同されやすいお盆は、ご先祖様をお迎えしてもてなす意味がありますが、お彼岸でのお墓参りには、どんな意味合いがあるのでしょうか。
【 お彼岸のお墓参りの意味とは? 】
★ お彼岸はご説明した通り、ご先祖様の方に「こちらから伺って」感謝する、という意味があります。それが、お墓参りをするという現在の形になったのです。
また、お彼岸にお墓参りをするのは、お彼岸にいらっしゃるご先祖様に降りかかる、苦しみや悪いことがなくなりますようにと祈り、供養をする日でもあるのです。
お彼岸の時期
お彼岸は春分の日と秋分の日とその前後3日間を合わせて合計で、1年に2回7日間ずつ。
【 お彼岸の時期の由来 】
★ 春分の日と秋分の日には、太陽が真東から登って真西沈むため、昼と夜の長さが同じ時間になる時、彼岸と此岸が繋がりやすい、と言われているのです。
クリスマスやお正月は毎年何月何日と日にちが決まっていますが、春分の日と秋分の日は天文学的な定義に従っているので、日にちが決まっていません。暦に注意しておかなくてはいけません。
お彼岸の習慣の由来
お彼岸の時期が春分の日と秋分の日に行われるようになったのは、日本古来の農耕儀式にも由来していると言われています。
【 お彼岸の習慣の由来 】
★ 日本では神道と言って、自然界にあるあらゆる物には神様が宿るとして自然崇拝をする宗教観が古来からありました。
・ そのため、種を蒔く春と収穫の時期である秋に五穀豊穣を先祖に祈るという農耕儀式が行われていて、これがお彼岸の習慣になったともいわれています。
仏壇とお墓の掃除
お彼岸にはお墓参りをするというのが基本ですが、1年に2度しかないご先祖様に感謝をする儀式という事ですから、ご先祖様を供養している仏壇や仏具の掃除もします。
【 お彼岸でのお墓の掃除 】
★ また、お墓参りをする時には必ず掃除もします。
・ お墓は屋外にあり、枯葉やゴミが溜まりやすいですから、お墓参りには箒と塵取り、ゴミ袋も持参することをおすすめします。
墓石はスポンジと石材用の洗剤で磨くときれいに!洗った後には、からぶきしておいて、苔が生えるのを予防してください。
牡丹餅とおはぎ
お彼岸でご先祖様にお供えするのは、果物やお菓子などの精進料理ですが、お彼岸には牡丹餅やおはぎもお供えします。牡丹餅とおはぎの違いは小豆の形。おはぎは粒あんなのに対して、牡丹餅はこしあんなのです。
【 お彼岸の牡丹餅とおはぎ 】
★ これは、小豆の収穫時期が秋であるため、秋に作るおはぎは新鮮な小豆をそのまま使い、春には小豆の皮が固くなってしまったため、つぶしてこしあんにして使うという理由があるのです。
・ また、名称は春に咲く花の牡丹、秋に咲く花の萩から由来しています。
お供えする花
お彼岸でお墓参りをする際には果物、お菓子のほかにも供養のための供花も持参します。お彼岸には彼岸花をお供えするのが一般的。
【 お彼岸でのお供え花 】
★ お店で供花ように彼岸花を購入するときには、お墓にある花瓶に差したときにあまり長くなりすぎないように、茎の部分をカットしておいてもらう事をおすすめします。
・ ただし、お墓に供花をお供えする時に注意したいのがお花のその後の処理!
霊園側が枯れたお花を処分してくれるところは、そのままで問題ありませんが、そうでない場合は、自分でお花を回収、掃除をしに行かなくてはいけません。それが難しい場合には、お墓参りの時だけ供花をいけて、帰るときに持ち帰ることをおすすめします。
いかがでしたでしょうか、お彼岸の意味やその儀式をするようになった由来、また、お彼岸にしなくてはいけないことについて基礎的な知識を解説いたしました。お彼岸はご説明した通り、春分の日と秋分の日ですので、毎年何日という風に日にちが決まっているわけではありません。
事前に準備が必要ですので、毎年早めの時期にカレンダーや予定表にお彼岸がいつなのか書き込んでおくことをおすすめ!お彼岸はお墓参りをする日となんとなくわかっていた人でも、お彼岸の本来の意味や由来を知っておくことで、気持ちの持ちようが変わってくるはず。
今の自分が平和に暮らせていることに対して、ご先祖様に感謝する気持ちはいつも持っているのが理想。ただ、お彼岸という特別な時期に改めて手を合わせ、気持ちを表すことは貴重なことです。ぜひ、家族でお彼岸のお墓参りに行きましょう!
まとめ
わかりやすいお彼岸の意味と基礎知識とは
・彼岸とはご先祖様がいる悟りの境地のこと
・お彼岸はお墓参りをしてご先祖様の供養をしに行く
・時期は彼岸と現世が最も近づく春分と秋分の前後3日間
・お彼岸の時期は日本古来からの農耕儀式にも由来
・お彼岸の日にはお墓参りだけでなく仏壇仏具の掃除もする
・春には牡丹餅、秋にはおはぎをお供えする
・お墓参りには彼岸花をお供えする