直葬を選ぶなら☆決める前に知っておきたい7つの知識

直葬を選ぶなら☆決める前に知っておきたい7つの知識

直葬(ちょくそう)という言葉を聞いたことがありますか?直葬とは、通夜や告別式などの宗教的な儀式をせずに、ごく限られた親族や親しい人のみで火葬場に行き、最低限の「火葬」のみをしてもらうという、最もシンプルな故人を見送る形式です。

最近では経済的事情人づきあいの希薄化、また故人の希望などで、直葬が増えつつあります。特に関東地方では5件に1件が直葬で弔われているというデータもあるほどです。

しかし、日本では通夜や告別式を執り行うのが一般的で、まだまだ直葬はポピュラーなものになっていないというのが現状です。そこでここでは「葬儀を直葬にするか、しないか」を決定する時に役立つ、ぜひ知っておきたい7つの知識についてお伝えします。

 

直葬を選ぶなら☆
決める前に知っておきたい7つの知識

 

直葬はどのような理由で選ばれるか

かつて直葬には、身元がわからない故人を供養する時や、経済的に葬儀を執り行うことができない方のための「特別なケース」という認識がありました。現在のように一般の方の葬儀の「ひとつのスタイル」として数えられるようになったのは7~8年ほど前からです。

現在、直葬を選ぶ方の主な理由は以下のようになっています。

【 直葬を選ぶ人々の、主な理由 】

・なるべく経済的に故人を弔いたいから

宗教にとらわれたくないから

・故人が高齢、あるいは親戚づきあいや人づきあいがなく、葬儀に参列する方がほとんどいないから

またなるべく簡素に弔ってほしいと、故人から遺言がある場合もあります。

 

直葬のメリット

直葬にはメリットとデメリットがあります。決定の際にはこれらを十分に考慮しなければなりません。この項では直葬のメリットについてご説明します。

○ 直葬のメリット

・ 葬儀にかかる費用が少なくて済む(一般的な葬儀の10分の1ほどの費用で済む場合もあります)。

・ 参列者がいないので「飲食接待費」がかからなくて済む

・ 葬儀の準備に追われることがないので、故人に向き合いつつお別れをすることができる

 

直葬のデメリット

日本では直葬はまだまだ葬儀スタイルのひとつとして定着していない、と言うのが現状です。そのため一般的な葬儀スタイルとは違う選択は、まだまだデメリットもあることを理解してから、選ぶ必要があります。

○ 直葬のデメリット

・親戚や故人とゆかりのある人たちから反感を持たれ、思わぬトラブルにつながることがある

後に訃報が伝わった時に、個人的な弔問が相次ぎ対応に追われる可能性がある

・香典がないので、直葬に関わる費用はすべて「遺族持ち」となる

こういった一連の違いを理解して、その上で選択して下さい。

 

直葬と火葬式の違い:では直葬とは

そもそも直葬は、火葬式でも見られるような「ワンクッション」となる、一切のことを省き、火葬のみに重きを置いたスタイルです。サイトにより様々な表現がありますが、一般的には…。

【 直葬の大まかな流れ 】

・ 臨終→
・ 遺体を安置する場所に搬送→
・ 納棺・出棺→
・ 火葬→
・ お骨上げ(骨を骨壺に納めること)

というシンプルな流れが直葬です。

少しでもこちらに儀式的なことがプラスされたら火葬式、と覚えておくとわかりやすいです。

 

直葬の問題①:安置する場所の確保

ご遺体は死亡時刻から24時間が経たないと火葬ができないため、その間「安置する場所」が必要となります。そのため仮に病院で亡くなっても、すぐに火葬場に直行することはできません

もし自宅に遺体を安置できるスペースがあれば、そこで親族や親しい方とのお別れもできますが、問題はスペースがない場合です。

【 直葬の問題①:安置する場所の確保 】

○ 火葬場の霊安室に安置する場合はほぼ有料となりますが、中には霊安室のない火葬場もあります。

・ 最もよいのは、直葬を取り扱う葬儀社と話し合い場所を決定することです。

中には専用スペースを使って遺体を安置することができる葬儀社もありますので、あらかじめ様々な葬儀社を比較検討しておくことをおすすめします。

 

直葬の問題②:「菩提寺」のある家族の場合

もし「菩提寺」があり、そのお寺の墓所にお墓がある家族は要注意です。

【 直葬の問題②:「菩提寺」のある家族 】

○ お寺に対し何の相談もなく直葬を行った場合、納骨を拒否されたり、宗教的儀式を省いたことで、お寺との関係が損なわれる可能性があります。

そもそも「菩提寺」とは「死後の冥福」をさす「菩提を弔う寺」のことですから、直葬を考えた時は「故人の遺志」であっても必ずお寺側に相談して下さい。

 

直葬の問題③:周囲の人々に理解してもらう

実は直葬で最も問題となっているのは「後から直葬となったことを知った親戚や、故人の友人・知人から強く反発された」ことなのです。

通常の形式に捉われない葬儀のスタイルは、年配になればなるほど、受け入れられないことが多いものです。また「自分もお別れの挨拶がしたかったのに…」と、故人と縁のあった人たちを悲しませてしまうことになるかもしれません。

【 直葬の問題③:周囲の人々への配慮 】

○ そのためもし直葬にするのなら、周囲の人々にも配慮し「どうしてもこの形式で見送りたいこと」を誠意をもって説明し、理解を得る必要があります。

これをおろそかにすると、大きなトラブルを招くこともあります。覚悟を決めて説得に当たります。

 

直葬についてのお話はいかがでしたでしょうか。「宗教的な儀式を省けるし、参列者もいないから直葬は気が楽、私もこのスタイルがいいかな」と思っていた方もいらっしゃったかもしれません。

しかし実際はこのように、いろいろと考えなければならないことが意外と多いものです。

特に周囲の人々とトラブルになってしまった場合は、また改めて葬儀やお別れの会を催さなければならなくなったりと、結局大きな出費がかかってしまうこともあるのです。

そのため、直葬にするかしないかを決める時は、家族の中だけでなく様々な人の気持ちに配慮し、それがクリアできるようなら…という形にすることをおすすめします。

故人も残された人々が困り顔になることを、決して望んではいないはずです。ぜひトラブルなく、故人を偲ぶ葬儀スタイルを選んで下さい。

 

まとめ

直葬を選ぶ時の注意点と、知っておきたい基礎知識

・直葬は宗教にとらわれたくないことや、経済的な理由で選ばれる
・直葬のメリットは、葬儀にかかる費用が少なくて済むことも
・直葬のデメリットには、思わぬトラブルにつながる恐れも
・直葬は火葬のみに重きを置いたごくシンプルなスタイル
・直葬の問題① 遺体を安置する場所を確保できるか
・直葬の問題② 「菩提寺」のある家族は事前に相談を
・直葬の問題③ 周囲の人々に理解してもらうことの大切さ


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