のし袋の表書きは宗派で違う!?確認すべきチェックポイント

のし袋の表書きは宗派で違う!?確認すべきチェックポイント

のし袋の表書き、不安になることはありませんか?お通夜や葬儀は、ある日突然やってきます。その際に持参する香典は、ご祝儀とは異なり、あらかじめ準備することがなく、用意する段階になってバタバタしてしまいがちです。しかも、のし袋の表書きは、宗教、宗派によって異なります

自身の親族のお通夜や葬儀に参列する場合は、家族の宗教や宗派に合わせて問題ありません。しかし、親族のお通夜や葬儀でない場合、香典ののし袋の表書きは、故人の宗教や宗派に合わせます。そうなると、やはり突然の準備に戸惑いますよね。

そこで本記事では、宗派によって違うのし袋の表書きの基礎知識を、チェックポイントを踏まえてお伝えします。香典ののし袋を早急に記載する必要があるならば、故人の宗教や宗派を確認した上で本記事を参考にしてください。

 

のし袋の表書きは宗派で違う!?
確認すべきチェックポイント

 

通夜で宗教が不明な場合にも安心の、のし袋の表書き

普段からあまり信仰深くないとはいえど、日本の告別式や法要は、ほとんどが仏教式で行なわれています。とは言え、参列してから宗派の違うお香典を準備していると分かるのも、恥ずかしいものです。故人の信仰が分からない場合、どのように対応したら良いでしょうか?

【宗派が分からない場合の表書き】

■ 通夜や告別式である場合は「御霊前」とのし袋に記載すると安心です。
「御香奠(ごこうでん)」、「御佛前」と記載する場合もあります。

【御霊前が通らない例外の宗派】

■ 例外として、「キリスト教プロテスタント」、「浄土真宗」、「曹洞宗などの禅宗」においては、基本的に「御霊前」は使用しないので注意します。

 

法要で宗派が不明な場合にも安心の、のし袋の表書き

【故人の宗派が不明な場合】

■ 四十九日、または四十九日後の法要での、のし袋の表書き

「御仏前」と記載します。

浄土までの道のりである「御霊前」に対し、「御仏前」は閻魔大王による裁きが下り、仏となり浄土へ往生したという意味があります。

基本的には四十九日を境に、のし袋の表書きが変わるとされていますが、地方によってはその期間が異なる場合もあるようです。

 

キリスト教カトリックなら、仏教とは全く違うと心得ます

故人がキリスト教である場合、カトリックであるかプロテスタントかによって、のし袋の表書きは異なります。

【キリスト教カトリックの場合の、のし袋の表書き】

■ カトリックの場合、「御花料」が一般的です。

「御白花料」、「献花料」、「御ミサ料」などと記載する場合もあります。

「御霊前」も許容している場合もあるようですが、厳密には使用しないので、避けると安心です。ちなみにのし袋は、十字架が印刷されたキリスト教専用のものがあるので、そちらを準備しましょう。

 

キリスト教プロテスタントの、のし袋の表書き

キリスト教の中でもプロテスタントののし袋の表書きは、カトリックと同じ「御花料」と記載されることが多いです。また、プロテスタントのみの、のし袋の表書きでは、「弔慰料(ちょういりょう)」が挙げられます。

【キリスト教プロテスタントの場合の、のし袋の表書き】

■ プロテスタントの場合、タブーに気を付けます。

「御霊前」の、のし袋の表書きはNGです。
・ 蓮の模様がついたのし袋は、避けます。

一般的にどの宗派でも使用できると俗にいわれている「御霊前」ですが、プロテスタントでは否定されています。使用しないように、確認が必要です。蓮の模様がついたのし袋は、仏教用ですので使用しないよう注意してください。

 

神道ならば、さらに大きく変わります

神道は仏教とは異なり、通夜を「通夜祭」といいます。宗教自体が異なるため、のし袋の表書きも異なります。

【神道での、のし袋の表書き】

「御榊料(おんさかきりょう)」と記載するのが一般的です。

「御玉串料」「御神饌料(ごしんせんりょう)」と記載しても問題はありません。「御霊前」と記載する場合もあるようですが、できれば神道式の記載方法の方が好ましいです。

のし袋は、双銀と呼ばれる銀色の水引もしくは、双白という全体が白一色の水引のものを使用します。仏教式が多い日本の葬儀ですが、神道の場合には大きく異なるため、できれば事前に宗派が確認できれば安心です。

 

浄土真宗の葬儀での注意事項

故人が浄土真宗である場合も、一般的な仏教式の葬儀と大きくマナーが変わります。浄土真宗は多くの人々が信仰しているため、基本的なマナーを把握しておくことをおすすめします。

【浄土真宗の葬儀での、のし袋の表書き】

・ 通夜であってものし袋の表書きは「御仏前」と記載します。

浄土真宗は、日本で最も信者の数が多いといわれている仏教の宗派の一つです。そして、「亡くなった後すぐに成仏する=仏になる」という考え方から、「霊」の存在が無いとされています。

このような理由から、一般的にどの宗派でも使用することが可能という「御霊前」は使用しませんので、注意してください。

 

日本には「禅宗」の宗派もあります

仏教の中でも、そもそも「浄土」という考え方が存在しないのが、禅宗です。禅宗とは、大きく分けて「臨済宗」、「曹洞宗」、「黄檗宗(おうばくしゅう)」の3つがあります。

【禅宗での、のし袋の表書き】

・ 「成仏する前の段階」という概念がないため、「御霊前」は使用しません

故人が禅宗に属している場合は、四十九日以前であっても「御仏前」とのし袋の表書きには記載します。

 

いかがでしたでしょうか。今回は意外と知らない、宗派によって違うのし袋の表書きの違いについて解説してきました。異なる表書きを書いたからといって、誰に怒られるわけではありません。けれどもお歳を召した方は気にされる方もいらっしゃるかもしれません。

特に親族の方は、大切な家族を亡くされて悲しみの中にいらっしゃいます。故人の宗教や宗派は、知り合いなど周りの方にあらかじめ確認しておくと安心です。のし袋の表書きだけではなく、数珠の有無など、他にも詳細なマナーの違いがあります。宗派が分かっているならば、事前に確認できれば助かります。

とは言え、数珠の取り扱いなどは自分の宗派の方法でも良し、とするマナーもあるように、違う宗派の人々も集まるのが葬儀。まずは自分の宗派のマナーを学ぶことが一般的です。そしてもし、どうしても不明な場合は、表書きを記載せずにのし袋と香典を持参し、会場で確認した後に記載し、お渡しする方法もあります。

 

まとめ

故人の宗派によって違う、のし袋の表書きの注意点

・1つではないので注意!通夜で宗教が不明な場合は「御霊前」
・法要によって変わる記載方法!宗派が不明な場合の法要は「御仏前」
・キリスト教カトリックは仏教とは異なる認識を!
・「御霊前」は使わない!キリスト教プロテスタントの少ない表書き
・のし袋も気を付けて!仏教とは大きく異なる神道
・基本的には「御仏前」。浄土真宗の場合は注意が必要
・ちょっと特殊な宗派。禅宗では「御仏前」


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