フランス料理のマナーと聞くだけで落ち着かないという方もいらっしゃることでしょう。たくさんのフォークやナイフが並んでいるのを見ただけで緊張するという意見もよく耳にします。確かにフランス料理にはマナーがありますが、ある程度のルールを覚えてしまえばそんなに難しいことではありません。
マナーが気になって、お料理を楽しめないなんてもったいないですよね。食事のマナーというのは一緒に食事をする相手や周りの人に対する気遣いです。フランス料理をいただく時の正しいマナーを身に付けお料理を楽しみ、周囲の方との会話も弾むような素敵なシーンにしたいものです。
そこで今回はフランス料理の基本マナーについてお伝えします。
フランス料理の基本マナー☆
ココさえ押さえれば大丈夫!
席についたらナプキンを広げる
フランス料理のマナーはレストランに着いた時からスタートします。空いている席に勝手に座るのではなく席に案内されるのを待ちましょう。座るときは椅子の左側に立ち、椅子をひいてもらった横からテーブルと椅子の間に入ります。この時テーブルと体の間に握りこぶし3つ入るくらいの間隔をとっておくと食事もいただきやすくなります。
着席したら注文した飲み物が来る頃にはナプキンを膝に置きましょう。二つ折りにし、折り山になっている部分を自分の方に向けていると口元を吹きやすくなります。ナプキンは服を汚すことのないようにという役割もありますが、口についたソースや脂分を拭き取る役目もあります。飲み物を口にする前は必ずナプキンを使って脂分を取りましょう。
脂分がグラスを汚しては美しくありませんし、また料理の味を変えることが防げます。
カトラリーの使い方
フランス料理のマナーを考える時、一番悩むのがカトラリーを使うときの順番という方も多いことでしょう。席に座りたくさん並んだナイフとフォークを見て緊張するかもしれませんが、外側から使うということを覚えておくことがまずは大事です。種類としては、オードブル用・魚料理用・肉料理用・デザート用などがあります。(デザート用は正面に置いてある場合が多いです。)
フランス料理のマナーとしてカトラリーは外側から使いますが、もし間違えてもスタッフがさりげなく交換してくれますので、あまり気にせず落ち着いてお料理を楽しみましょう。
使い方はナイフを右手(利き手)にフォークを左手(利き手の逆)に持ち、肘をテーブルにつけないようにしナイフとフォークがハの字になるようにします。ナイフは刃の付け根部分、そしてフォークも同様の位置に人差し指を添えて持ちましょう。
カトラリーを使う姿もエレガントに見せるよう背筋を伸ばして姿勢を正すと好印象です。
魚料理・肉料理ののいただき方
フランス料理のマナーは料理のいただき方にもポイントがあります。
まず魚料理の場合、魚用ナイフで左側から切り分けながら食べましょう。丸ごと一尾出てきたときには、魚の身を骨からはずしながら食べる必要がありますが、上身をひと口ずつ切りながら食べ、上身を食べ終えたら身の左側をフォークで押さえ、背骨の下と下身との間にナイフを沿わせて身と骨をはずします。
上身を食べ終えた魚をひっくりかえして食べるのはマナー違反です。肉料理はひと口で無理なくほおばれる大きさにカットしましょう。また、ステーキなどを最初に全部カットしてしまうのも好ましくありません。肉汁が出やすくなる上、せっかくの料理が冷めてしまいます。お料理を最高の状態で食べるように心がけるのもマナーの一つと言えるでしょう。
食事中・食事終了のサイン
フランス料理のマナーではカトラリーの置き方がスタッフへのサインになることを覚えておきましょう。
食事の途中でワインを飲んだりパンを食べる時、あるいは会話を楽しむ時は、ナイフやフォークはいったん置きます。その際、「まだ食事の途中です」ということをカトラリーで示す必要があります。「食事中」を示すには、フォークとナイフをハの字に置きましょう。フォークは左、ナイフは右に置きます。この時、ナイフの刃は手前に向けて置くことが大切です。
食事を食べ終えたときには、ナイフとフォークは皿の右側にそろえて置くと終了のサインになります。フランス料理のマナーでは刃先を左にして真横にして置きます。ナイフは刃を手前に向け、フォークはナイフの手前に置きます。ナイフの刃を向こう側に向けたり、フォークを裏返して置かないように気を配りましょう。
食事中は和やかな会話を楽しむ
フランス料理のマナーでは同席の方々と和やかに会話することもとても大切なことだとされています。騒々しい話は好ましくありません。あくまでその場に相応しい話題を選び、お料理を邪魔しない会話を楽しむことは品の良さにもつながります。政治や宗教の話題となると議論に発展する可能性もありますから避けたいところ。フランス料理の席でのマナーとして皆が楽しめる話題で過ごしたいものです。
たとえ緊張していたとしても、仏頂面の気難しい表情は会話も弾みにくく料理の美味しさも半減してしまいますよね。男性女性に関わらず、食事中は微笑みを忘れないことが相手への気遣いと思いやりになります。リラックスムードが漂う和やかな場になるよう心掛けましょう。
いかがでしたか。フランス料理の基本マナー☆ココさえ押さえれば大丈夫!をお伝えしました。フランス料理のマナーは間口も広く奥行きも深いのですが、まずは基本を知り楽しい食事の会にしたいものです。
カトラリーの基本的な使い方はお料理をいただく際の基本になりますのでしっかり身に付けておくことが大切です。特にナイフとフォークの扱いは知っておきましょう。敷居の高いお店であってもカジュアルなお店であってもフランス料理のマナーというのは共通しています。
好印象を与える立ち居振る舞いと品のある会話で場を豊かに過ごせると、今後のお付き合いもさらに深まることでしょう。フランス料理のマナーは場数をこなすことで身につくことも多いので慣れない席で緊張するからと尻込みせず、人間関係の学びになりますし積極的に参加するようにしたいものですね。
フランス料理のマナーを身に付け、堂々とそして和やかに食事の場を楽しみましょう。
まとめ
フランス料理のマナーの基本は
・案内を待って席につきナプキンを広げる
・ナイフとフォークは外側から使うのが基本
・魚料理・肉料理は左側から一口サイズにカットしていただく
・食事中・食事終了のサインはカトラリーの置き方で伝わる
・皆が楽しめる話題で和やかに過ごす