フレンチマナーにおいて、普段お箸をメインで使う日本人は、実は勘違いも見受けられます。とは言え、誕生日や結婚記念日など、アニバーサリーな記念日フレンチマナーを要する高級レストランは使用したいものです。
フレンチマナーが必要とするのは、やはり高級料理店がメインで、普段はなにげなく利用しているファミリーレストランや居酒屋、大衆食堂などは、その範疇ではないケースがほとんどです。
そのため普段は服装や予約などは全く気にすることはありません。ただ、ここぞという時に勝負がしたいのに気持ちがなんとなくソワソワ、ガイドブックでどちらの店にしようか…。いざ店が決まっても、どういう風に予約をとればいいのか、服装はどうしたらいいのか困ってしまうものです。
そこで今回はそんなお悩みを持つ方へ向けて、海外では基本のフレンチマナーをお伝えします。
フレンチマナーは大丈夫?
高級レストランの7つの常識
フレンチマナー、予約時の心得
人気店の場合、ランチタイム・ディナータイムのピーク時の予約電話はできるだけ避けた方がベターです。また、このような高級フランス料理店を利用する際には、結婚記念日や誕生日など、外せない日だったりします。そんな場合にも、注意が必要です。
【 フレンチマナー:予約時の心得 】
① 決まっている日に利用するなら、最低1ヶ月前には予約するとベター。
② 予算や料理の好みなどをできるだけ伝えると安心。
ホスピタリティーが充実している高級レストランのフレンチマナーの心得として、最初からこまめにお伝えして、コミュニケーションをよくすることが大切です。当日スムーズに気持ち良く食事ができます。
フレンチマナー:服装のドレスコード
日本人のイメージにもあるように、男性はスーツ、女性はワンピースなど、正装で出向く事が常識です。また、清潔な靴を履いて行く事も忘れずにチェックして下さい。
【 フレンチマナー:準備の心得 】
☆ 香水や整髪剤の匂いが強すぎると周りにも迷惑がかかり、せっかくの食事も台無しになりますので注意して下さい。
またフレンチマナーの常識として、日本人が犯しがちなのは携帯電話の扱いです。食事をしながらの電話はNGです。高級レストランに出向く際には、扉の前でマナーモードに必ず変更しておくこともポイントです。
フレンチマナー:注文時の注意点
メニューはフルコースかアラカルトに分かれます。コースの場合は前菜、主菜、デザートが基本です。アラカルトの場合もコースと同じ構成で料理を選ぶか、または前菜やデザートを省いたり、追加したりしてもよいです。
【 フレンチマナー:注文の心得 】
☆ 必ず食べきれる量だけを注文するように気を付けます。
初めて行くフレンチレストランなら、フルコースが安心して食事ができるのでおすすめです。
フレンチマナー:注文のマナー(飲み物)
料理を注文した後、一般的にワインを注文します。フルボトルでグラス約6杯分が目安です。
【 フレンチマナー:ワインの頼み方 】
☆ 選び方がよく分からなくて戸惑った場合には、必ず店のスタッフに恥ずかしがらずに、予算と好みを伝えて選んでもらうのが一般的です。
日本人の犯しがちな間違えは、「予算は伝える」ことを躊躇することです。気持ちよく食事を頂くためにも、予算と希望の味を遠慮なく伝えて下さい。ワインが飲めない場合は、炭酸ウォーターが食事に合うのでおすすめです。
☆ ジュースなどは料理の妨げになるのであまりお勧めできません。
フレンチマナー:食事の仕方
① フレンチマナーでは、分け合う行為はNGです。
・ 料理の取り分けをしたり、他の人の料理をもらったり一般的にはしません。フレンチ料理はソースをからめて食べるので、ソースが足りなくなったり、他の料理のソースと混ざったりしたら味が台なしになってしまうからです。
また取り皿に分けると料理が冷めやすくなります。どうしても他の人の料理が食べたい場合、お皿ごと交換するのが良いでしょう。
② 肉料理を食べるとき、その都度切り分けるのがフレンチマナー。
・ 最初にすべて一口サイズに切り分けてしまうと、旨みが凝縮した肉汁が外へ流れ出てしまい、味が損なわれるのでお勧めできません。
食事の姿勢も片手だけを使って食べるだらしないスタイルになりがちですので、その都度一口ずつ切りながら食べます。
③ スープは「食べる」を意識していただきます。
・ スープは音を立てずに「飲む」というより「食べる」つもりでいただくのが、フレンチマナーの心得です。スプーンをすくう方向は手前と奥のどちらからすくっても大丈夫です。
④ フレンチマナーでは、ワインはスタッフに注いでもらいます。
・ 手酌はしません。また、注いでもらうときのフレンチマナーもあります。例えば、グラスに触れたり、持ち上げたり、斜めにしたりしてはいけません。ご注意して下さい。
⑤ フレンチマナーでは、一休みの合図があります。
・ フレンチマナーで「まだ食事中です。お皿を下げないでください」という合図は、ナイフとフォークをクロスして置いておきます。
⑥ お皿はそのまま置いておきます。
・ フレンチマナーとして、テーブルの全員が料理を食べ終わってからお皿が下げられ、次の料理が出されます。
そのため、食べ終えたお皿は、脇によけたり他のお皿と重ねたりしないで、自分の前に置いたままにしておきます。スタッフの方にお皿を手渡す必要もありません。
フレンチマナー:食後の立ち振る舞い
フレンチマナーの合図では、食べ終わったら、ナイフとフォークをお皿の上に斜めに並べておきます。「もう下げて頂いて結構です」という合図です。
【 フレンチマナー:スタッフを呼ぶ時 】
☆ 基本的にスタッフはテーブルごとに担当が決まっています。
・ 用事があるときは同じ人を呼ぶようにします。「すみません」など声を出して呼ぶのではなく、目で合図をしながら片手を上げて呼ぶのがベストです。
フレンチマナー:会計時の振る舞い
日本人が犯しがちなフレンチマナーとしてのNG行為は、レジ前の譲り合いです。レジ前で「私が払う」「いや私が払います」などのやりとりはやめてください。
【 フレンチマナー:会計時の振る舞い 】
☆ 海外でのフレンチマナーとしては、席で会計を済ませるケースがほとんどです。
・ けれども日本の高級レストランのなかには、稀にスタッフが席で会計をしない場合もあります。そんな場所では先にトイレのふりをして、などの形でそっとお会計を済ませることが多いです。
スタッフに、そしてご一緒したパートナーの方にも、最後はスマートにお会計を済ませて気持ちよくレストランを出てください。
日本人には慣れないフレンチマナーの基本的な常識はいかがでしたでしょうか。高級フレンチレストランを利用する機会は、記念日やお祝い事などがほとんどです。「今回は特別にいつもより奮発してみよう!」と思う時…、と言うことになります。
このようなイベントや記念日、また仕事で行く機会なら尚更、企画する時の気持ちの心構えや、下調べの準備が80%整っていれば、最後は楽しく締めくくることができるとも言えます。フレンチマナーでも同じこと。あまり経験がないと緊張しがちですが、知識を付けておくだけでも、案外落ち着いたスマートな所作が実現します。
フレンチマナーも気になるところですが、せっかくの高級フレンチレストランです。緊張して食事をすると、「どうも、肝心な味の記憶がない…。」などの声もあります。けれども、基本的な当たり前のマナーや常識さえあれば、実際には大丈夫です。
せっかくの美味しい料理、フレンチマナーの知識を付けリラックスした状態で、楽しく美味しくいただきましょう!
まとめ
高級フレンチレストランに行く時に押さえたい基本マナー
・予約のマナーは、より良いコミュニケーションを取る
・服装のマナーは男性はスーツ・女性はワンピースの正装で。靴も清潔に。
・料理の注文のマナーは「食べきれる量」を意識して注文する。
・飲み物に迷ったら、恥ずかしがらずにスタッフに聞いて大丈夫!
・食事のマナーでは、最初に料理を取り分けて食べるのはNG行為
・呼ぶ時はテーブル担当スタッフに目で合図。片手をあげて呼ぶ
・会計は男性が席でスマートに。レジまで行くならそっと事前に終える