一周忌のお布施、お坊さんに包む際には、守らなくてはいけないマナーが意外と多いですよね。通夜や告別式などの葬儀の時には、葬儀社がすべてを手配してくれ、お坊さんへのお布施なども、分からなければアドバイスをしてくれます。
けれども、一周忌は施主が直接お寺に依頼をして行うことが多いため、すべて自分で決めなくてはいけないのが大変!
また、一周忌のお布施には料金設定がありません。お坊さんやお寺の方から「御布施はいくらです」と金額を提示されることがないため、お布施を包まないといけないことを知らずに、渡さなくても何も指摘されないのです。
しかし、これは大変失礼に当たりますから、忘れないように気を付けたいもの。しかし、お寺からお布施についての案内がないと目安がわからないですよね。
そこで今回は、一周忌でのお布施の金額の目安や、お坊さんに包むときのマナーを7つのポイントに分けてお伝えします。
一周忌でのお布施の目安。
お坊さんへ包む、7つのマナー
金額の相場
一周忌のお布施の相場は、3万円から5万円くらいの金額が妥当。故人の供養は、通夜、告別式、初七日、四十九日、一周忌、三周忌と続いていきますが、年数によってお布施相場も変えてください。
【 一周忌でのお布施、相場 】
★ お坊さんへのお布施は、四十九日、一周忌まではある程度高めに包み、三周忌以降は、1万円~3万円が相場にしていくのが一般的。
・ ですから、葬儀の時にいくらくらい包んだかと、三周忌以降、いくら包む予定なのかを踏まえて、その中間くらいの金額を包むのです。
菩提寺の場合の金額設定
一周忌のお布施をお坊さんに渡すとき、もし、そのお寺が代々法事をお願いしている菩提寺の場合には、これまでの金額に合わせるのが無難。
【 一周忌でのお布施、菩提寺 】
★ 例えば、自分の祖父母の法事をする時に、両親がお坊さんに渡していた一周忌のお布施が3万円だった場合には、自分が施主で渡す場合にも3万円に。
・ 景気不景気や経済的な余力の問題もありますから、必ずしも合わせなくてはいけないわけではありませんが、金額が極端に上下しないよう配慮することも大切です。
お布施と一緒に渡すお車代
一周忌の法事法要をお寺ではなく、自宅で行う場合には、一周忌のお布施の他に「お車代」をお坊さんに渡さなくてはいけません。
このお車代は、お寺とお坊さんに来ていただく自宅の距離が遠い近いにかかわらず、足を運んでくださる時にはお渡ししないと失礼。
【 一周忌でのお布施、お車代 】
★ 金額の相場はだいたい、5千円~1万円程度。
・ 例え、お寺がとても自宅に近く、確実にお坊さんが徒歩で来られることがわかっていても、お渡ししなくてはいけませんから、注意が必要です。
また、逆に交通費の実費がどの程度掛かるか分かる場合には、実費プラス5千円~1万円を包むのが礼儀です。
会食に欠席の場合の御膳料
一周忌にかぎらず、法事の後には参列者で会食をします。この会食には、お坊さんもお招きするのがマナーですが、お坊さんによっては、参加を辞退される場合もあります。この場合には、一周忌のお布施とは別に「御膳料」をお渡しします。
【 一周忌でのお布施、御膳料 】
★ 「御膳料」というのは、会食に参加されない代わりにお渡しする、お食事代のようなもの。金額の相場は、5千円から1万円程度。
・ 会食代の金額によって妥当な金額を包むのがマナーです。
一周忌のお布施の渡し方
一周忌のお布施をお坊さんに渡す際にもマナーがあります。飲食店やホテルなどでサービスを受けた対価として、料金を払う時は現金をそのまま渡しますが、お布施はお坊さんにお納めするものですから、中袋に入れ、奉書紙に包んで渡さなければなりません。
【 一周忌でのお布施、渡し方 】
★ さらに、奉書紙に包んだお布施は、手渡しではなく、切手盆という黒いお盆にのせて渡すのがマナー。
・ もし、お寺で渡すなどでお盆を持っていけない場合には、ふくさに包んでいきます。
表書きと中袋に書く事項
お坊さんに渡す一周忌のお布施は、奉書紙に包んで渡しますが、奉書紙と中袋には記入しなくてはいけないことがあります。
【 一周忌でのお布施、棒書紙 】
★ まず、奉書紙には「御布施」という表書きを。葬儀の香典では薄墨で書くのがマナーですが、お布施の場合には濃い墨で書けば大丈夫。
・ また、中袋には左側に自分の住所、氏名を記入し、右側に金額を記入してください。
金額は「金〇〇円」と記入しますが、数字は、壱(いち)、弐(に)、参(さん)、伍(ご)の旧字の漢数字で書くのがマナーです。
一周忌のお布施を渡すタイミング
一周忌のお布施を渡すタイミングは、お坊さんから「ください」と言われることはありませんから、自分からタイミングを見計らって、お渡ししてください。ちょうどいいのは、法事が始まる前のご挨拶か終わった後のご挨拶の時。
【 一周忌でのお布施、タイミング 】
★ お寺でも自宅でも法要をする時には、前後でお坊さんと挨拶をするタイミングがありますから、その時が最も適切。
・ 「本日はよろしくお願いします」とか「本日はありがとうございました」とお渡しすると作法もバッチリです。
このように、一周忌のお布施の目安は、3万円から5万円ですが、その金額は施主が最終的に決めること。
菩提寺のお坊さんにお願いする場合には、これまで自分の家がお渡ししてきた相場も、加味しなくてはいけませんし、お坊さんに自宅に来ていただく場合や、会食に欠席される場合などには、一周忌のお布施にプラスしてお渡ししなくてはいけません。
自分が施主として一周忌のお布施を用意するのであれば、このように、場合に応じた対応が必要になってきます。マナーを抑えつつ、お坊さんに感謝の気持ちを持ってお布施を用意するよう、事前に十分な準備をしておくと安心。
法事法要は、故人を供養するための儀式ですから、菩提寺やお坊さんに気持ちよく供養して頂けるよう、一周忌のお布施は忘れずにお渡ししなくてはいけません。
まとめ
一周忌でのお布施にまつわるマナー
・一周忌のお布施は3万円から5万円が相場
・先祖代々続く菩提寺の場合はこれまでに合わせる
・法要をお寺ではなく自宅でするならお車代を加算
・会食に僧侶が出席しない場合は御膳料も渡す
・お布施は奉書紙に包み黒いお盆にのせて渡す
・お布施の表書きは「御布施」で中袋に金額
・お布施を渡すタイミングはご挨拶の時