挨拶状の文例集。シーンごとに上手に伝わる5つの書き方

挨拶状の文例集。シーンごとに上手に伝わる5つの書き方
様々なシーンで必要となる挨拶状。文例があってもどのように書いたら良いのか今ひとつつかめないと思われるかもしれませんが、実はどのような内容であっても、その文章の形式はほぼ決まっています。挨拶状は礼儀に則ってしたためるものですから、ある意味一から自分で文章を組み立てなくても挨拶状の文例を参照すれば良いので「楽」とも言えるのです。メールやLINEなどで物事を伝えることの多い昨今だからこそ、あえて手紙やハガキで挨拶をしてみませんか。

そこで今回は、人生の転機となる時の挨拶状の文例と、よく使われる季節の挨拶状」と「お礼状」の文例を合わせてお伝えいたします。礼儀に沿った形式と「情報を正確に伝える」ことを念頭に置けば、どなたでも相手の心に届く挨拶状を書くことができますよ。

結婚の挨拶状

結婚の挨拶状は、披露宴に出席した方にはお礼を兼ね、欠席や招待しなかった方などには報告のために送る挨拶状で、以下の内容を記します。

① 結婚した報告(日付も添えるケースが多い)

② 今後の指導や支援のお願い

③ 新住所と連絡先

④ 新郎・新婦氏名(読み方も)

ここまでは印刷でOKですが、余白に手書きのメッセージを添えると良いでしょう。またデザインは自由ですが、目上の方にはあまりくだけたデザインのものは送らないよう注意します。

また、結婚の挨拶状は挙式後1ヶ月以内に送りますが、年賀状や暑中見舞い等の時期に近ければそれを兼ねても失礼に当たりません

以下は結婚式の挨拶状の文例です。

結婚しました
(ここから本文)
このたび私どもは○月○日に〇〇ホテルにて結婚式を挙げました。
未熟な私どもですが、今後ともご指導のほど、何卒宜しくお願い申し上げます。
なお、お近くにお立ち寄りの際はぜひ新居にお立ち寄りください。平成〇〇年○月〒123-4567
〇〇市〇〇町1-1-1
℡ 0123-456-7890
△△△太・△子(旧姓 □□)

 

出産の挨拶状

出産の挨拶状は、お世話になった方や知人・友人に宛てて子どもが無事生まれたことを報告する挨拶状です。以下の内容を記します。

① 子どもが誕生した報告と子どもの名前

② 生年月日・出生時の体重・性別など

③ 今後の指導や支援のお願い

こちらは産後1~3ヶ月の間に送ります。結婚式の挨拶状同様、年賀状や暑中見舞いの時期に近ければそれを兼ねてもOKです。

以下は出産の挨拶状の文例です。

新しい家族が増えました
(ここから本文)
○月○日に元気な男(女)の子を出産しました。
名前は「〇〇」です。
これからも、親子ともどもどうぞ宜しくお願いいたします。
平成○○年○月吉日

 

転居の挨拶状

転居の挨拶状は、進学や就職、結婚や転勤などで転居した際に、親しい方や友人に転居先の住所や連絡先を知らせるために送るものです。以下の内容を記します。

① 頭語(目上の方の場合)

② 時候の挨拶(目上の方の場合・省略しても可)

③ 相手を気づかう言葉

④ 転居したことをハッキリ伝える

⑤ 本文

⑥ 今後の支援や指導のお願い(省略しても可)

⑦ 結語(目上の方の場合・頭語を用いたら必ず結語を使うこと)

⑧ 新住所と氏名

こちらは転居後1ヶ月を目処に送るようにします。以下に目上の方に向けての転居の挨拶状の文例を記します。

拝 啓初夏の候、いかがお過ごしでしょうか。

さて、このたび下記に転居いたしました。こちらは気候もよく、観光地も近いので日々楽しみがあります。お近くにお越しの際はぜひお立ち寄り下さい。

今後とも変わらぬ ご指導ご鞭撻の程を宜しくお願い申し上げます。

敬 具

〒123-4567
〇〇市〇〇町1-1-1
℡ 0123-456-7890
△△△太

 

季節の挨拶状

季節の挨拶状は、年賀状や暑中見舞い・残暑見舞いなど、折々の季節に相手方を気遣って送る挨拶状のことです。ここでは暑中見舞いを例に取ってお話します。内容は以下の形式となります。

① 書き出しの言葉

② 相手方の安否をたずねる文

③ 自分の近況を伝える文

④ 相手方の自愛を願う文

⑤ 日付

なお、改まった手紙には頭語(拝啓など)と結語(敬具など)を記しますが、季節の挨拶状には必要ありません。以下に暑中見舞いを例とした、季節の挨拶状の文例を記します。

暑中お見舞い申し上げます。今年も厳しい暑さが続いておりますが、いかがお過ごしですか。おかげさまで私たち家族は元気に暮らしております。

皆さまのご健康を心よりお祈り申し上げます。

平成〇〇年盛夏
(暑中見舞いの場合は具体的な日付を記さず「盛夏」または「七月」「八月」と送った月を記します)

 

お礼状

お世話になった時や贈答品をいただいた時など、相手の方にお礼の意を示す挨拶状です。ここでは「お中元」を目上の方からいただいた時のお礼状を想定してお話を進めます。お礼状には以下のことを記します。

① 前文(頭語・時候の挨拶・安否や感謝の言葉)

② 品物を受け取ったことに対しての報告と感謝の意

③ 品物についての感想

④ 相手への心遣いへの感謝の意

⑤ 末文(結びの挨拶・結語)

お礼状は、品物を受け取ったらすぐに送ることが大切です。以下にその文例を記します。

拝 啓夏本番を迎え連日暑い日が続いておりますが、皆さまにはご健勝にお過ごしのこととお慶び申し上げます。おかげさまで私どもも変わりなく過ごしております。

さて、このたびはお心のこもったお中元の品をご恵贈いただき誠にありがとうございました。(ご恵贈→「贈る」の尊敬語)
さっそく家族全員で嬉しく頂戴いたしました。お心遣いに心より感謝しております。

暑さ厳しき折ですが、皆さまくれぐれもご自愛ください。

まずは略儀ながら御礼申し上げます。
(略儀ながら→「本来ならばお目にかかってお礼を言うべきところ、略式の書面にて失礼いたします」という意味。とても丁寧な印象になる)

敬 具

 

ざっと5つのケースに分けて、挨拶状の文例をお伝えいたしました。「何を一番に伝えるか」はケースによっても違いますが、結婚なら「伴侶となった人の名前とふたりの住まい」、転居なら「新住所と連絡先」、季節の挨拶なら「相手を気遣う気持ち」ということになります。特に結婚の挨拶状や転居の挨拶状など、正確に住所や連絡先を知らせなければならない時は、くれぐれも間違いのないようにチェックしましょう。その他の形式的な部分は、それぞれの挨拶状の文例を用いれば大丈夫です。

冒頭でも記しましたが、最近は紙ではなく、ネットを使って気持ちを伝える機会が増えました。そのため手紙やハガキというものはより一層丁寧な印象を私達に与えるようになりました。素敵な便箋や封筒、ポストカードもたくさんあります。ぜひ様々な機会に挨拶状の文例を使って、心をこめた手紙やハガキをしたためてみてはいかがでしょうか。

まとめ

挨拶状のポイントは

・結婚の挨拶状の文例~誰と結婚しどこに住むのかを伝える
・出産の挨拶状の文例~いつ産まれたかということと性別・名前を伝える
・転居の挨拶状の文例~新住所・連絡先を正確に伝える
・季節の挨拶状の文例~相手を気遣う心を伝える
・お礼状の文例~心からの感謝の気持ちを伝える


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