家族や知人の訃報を知ると、悲しみに打ちひしがれとても辛い状況に置かれます。でも辛いながらも人が亡くなると葬儀を行わなければなりません。葬儀には流れがあり、基本的な知識を持っていると、もしもの時に役立ちます。葬儀はそんなに頻繁に行われるものではないので、流れが分からないことも多いですね。葬儀というと一般的に通夜から葬式・告別式のことを思い浮かべるでしょう。
しかし遺族にとっては大切な人が亡くなった時からが葬儀と言えます。最近は病院で最期を迎える方が多く、病院で医師によってご臨終・死亡を告げられます。そこで医師に死亡診断書を書いてもらいます。御遺体は病室から霊安室に移され、病院が搬送を行うのは霊安室までです。この時までに葬儀社を決めておくと良いでしょう。御遺体を病院から自宅などに搬送する時に、死亡診断書の携行が義務付けられています。
亡くなって7日以内に死亡届を出さなければなりませんが、その時にも死亡診断書が必要です。また、保険金や遺族年金の請求にも死亡届が必要になりますので、2通書いてもらうと良いでしょう。このように大切な人が亡くなるといろいろな葬儀の手続き上の流れもあります。また、日本の葬儀は仏式が多いので一般的な葬儀の基本的な流れをお伝えいたします。
葬儀の基本的な流れ。
もしもの時に知っておきたい基礎知識
訃報から通夜前日までの流れを知ろう
葬儀の流れとしては、遺族は病院の退院手続きを行って病院へのお礼と精算を行い、死亡診断書を受け取ります。自宅の場合、御遺体を安置する場所を決めて布団を用意しておきます。御遺体の搬送、受け入れを行いますが、枕飾りなどは葬儀社がしてくれる場合が多いです。
葬儀の流れには、まず訃報を聞いてからとりあえず弔問するということが含まれてきます。身内、親族、近親者は突然の悲しみに見舞われた遺族にお悔やみを述べます。葬儀の準備を手伝う為の弔問でもあります。喪服は着ていかず、地味な服装で駆けつけて下さい。亡くなった日が仮通夜、翌日が本通夜であることが多いです。
通夜の流れについて知ろう
葬儀の流れの中でも通夜の流れを知っておくと役に立ちます。通夜とは葬儀の前夜に親族や個人と親しかった知人が集まり、夜を徹して故人と過ごし別れを惜しむ儀式のことです。しかし、近年は告別式に出席できない人の為のお別れの場になっています。一般の弔問客を迎えて1時間程度で終わる半通夜が多いです。
通夜の流れは僧侶が着座してから始まり、遺族と参列者は焼香を行います。読経は30〜40分くらいで終わり、その後僧侶から法話や説教がある場合があります。僧侶が退室した後、喪主が挨拶して通夜は終わりという流れです。通夜ぶるまいと言って、弔問客に飲食を振る舞うこともあります。遺族・近親者は大抵斎場に宿泊し、交代で祭壇の灯・線香を絶やさないようにしなくてはなりません。
葬儀式について知ろう
葬儀の流れとして、通夜が明けた翌日の日中に葬儀式・告別式が行われます。いわゆるお葬式で、一般の会葬者を迎えて行う公式の追悼儀式です。ほとんどの葬儀の流れは故人または喪家の信仰している宗教の葬祭儀礼に則って行われます。
葬儀式は宗派や会場によっても違いますが一般的な葬儀の流れは決まっています。開始時刻の15〜20分前に遺族・親族・参列者の順に着席します。式が始まり僧侶が読経を始めます。僧侶による焼香を行った後、弔辞が奉読され、弔電も奉読されます。その後一般参列者による焼香が始まります。葬儀の閉式となり、全体で1時間半〜2時間程度で終わります。
告別式について知ろう
葬儀式は宗教儀式ですが、告別式は故人との最期のお別れをする社会的な儀礼と言えます。元々は別の儀式でしたが今では葬儀・告別式と引き続いて行われる葬儀の流れで、お葬式と言われています。葬儀式に引き続く流れで、棺を閉じる石打ち前に故人に別れを伝え、別れ花を行うことが告別式です。棺の蓋を開け、個人と最期のお別れをします。
供花を短く切り取り、1人1輪ずつ棺に入れながらお別れを告げることが一般的な葬儀の流れです。喪主から故人との血縁が濃い順に、一般の会葬者も別れ花を行います。白い花を顔の周りに、色のある花は肩から下に入れるようにします。棺に蓋をして石で釘を打って閉じますが、これを石打ちと言います。
出棺について知ろう
葬儀の流れの中には出棺の儀式もあります。蓋を閉じた棺を近親者数人の手で持ち、霊柩車に乗せます。一般的には喪主や遺族は棺を運ばないことが普通です。位牌、遺影、遺骨の箱、棺の順で霊柩車に向かいます。棺の乗車口を開けたままで、喪主は会葬者に謝辞とお別れの言葉を述べます。霊柩車の扉が閉じられ、僧侶の打つ弔鐘か長いクラクションとともに火葬場へ出発します。一般会葬者は合掌して見送ります。
火葬について知ろう
葬儀には火葬場での流れもあります。火葬するには、死亡届を出した時に区市町村で発行された埋火葬許可証が必要です。火葬場で埋火葬許可証を提出すると、火葬後に火葬済の証印が押されて御遺骨とともに渡されます。
火葬には1〜2時間くらいかかります。埋火葬許可書が確認されると、火葬場の係員によって棺はストレッチャーに移され火葬炉の前に運ばれます。火葬炉の前には祭壇がありますので、持参した白木位牌、遺影、花を飾ります。棺の窓を開けて個人に炉前のお別れをします。僧侶が同行している場合は野辺送りの読経が行われます。
拾骨・骨上げについて知ろう
葬儀には拾骨・骨上げについても大切な流れがあります。火葬が終わると、火葬場の係員が連絡に来ます。全員で拾骨室に向かいます。お骨になった御遺体を会葬者全員で囲みます。喪主は骨壺を持って、御遺体の頭部の位置に立ちます。
他の人は骨箸を持ちます。係員の指示に従って、足の方から骨箸で御遺骨を拾い上げ骨壺に収めていきます。この時、自分の骨箸から直接骨壺に入れてはいけません。必ず別の人の骨箸に渡し、箸から箸を経て骨壺に移しますが、これを箸渡しと言います。
還骨法要について知ろう
葬儀には火葬後、自宅や斎場に戻ってから行う還骨法要の儀式があり、これにも流れがあります。火葬場から戻ってきた遺族は入口で塩と水で身を清めて入場します。その後僧侶による読経があり、焼香をします。喪主が参列者に精進おとしの案内をします。
精進おとしは僧侶を主賓として、来賓、親族を接待する会食です。喪主が御礼の挨拶をして、接待は遺族が行います。僧侶がお帰りになり、遺族が会食終了の挨拶をしてお開きとします。葬儀の流れとしては、故人が亡くなった日から7日目に行う初七日法要があります。しかし喪家・会葬者の負担を軽減する為、還骨法要と併せて行うことが一般的になっています。
いかがでしたでしょうか。
もしもの時の為に知っておきたい葬儀の基本的な流れを紹介しました。家族や知人が亡くなった場合に気を付けておいた方が良いことも含めて、葬儀の流れを書いてみました。いざ葬儀となる事態に直面すると慌ててしまい、忘れることも多いですよね。息を引き取られた故人を目の前にすると、葬儀のことを考えることも辛いでしょう。しかし、御遺体はそのままにはしておくことはできません。
まず動揺する気持ちを抑えて、葬儀の流れを考えながら準備を進めましょう。御遺体を安置する場所、葬儀を依頼する葬儀社、葬儀の場所、どんな葬儀にするかなどを決めなければなりません。分からないことは葬儀社の方に聞くことをお勧めします。葬儀の流れをしっかり覚えて、納得のいく故人とのお別れの儀式を行いたいものです。
まとめ
もしもの時に知っておきたい葬儀の基本的な流れと基礎知識
・訃報を受けてから通夜前日までにすることにも流れがあります
・通夜の意味や流れも知っておくと為になります
・葬儀式は公式の追悼儀式です
・告別式は故人との最後のお別れの儀式です
・出棺にも儀式があります
・拾骨・骨上げには大切な意味があります
・還骨法要や精進おとしで締めくくりましょう