のし袋とは慶事などのお祝いを包む袋のことで、簡略化された印刷のものが出回っていますが、元来、のしとは アワビをほして伸ばして乾燥した貴重なもので古来から縁起物として神社に奉納されたり、結納品として束ね熨斗(のし)が用いられたりしてきました。
縁起物の「のし」をつけたのし袋。袋を結く水引とともに、印刷物から細工ものまでいろいろありますが、おめでたいときに使うものだけあって、使用上注意する点があります。
のし袋の書き方、世間知らずでは済まされない!
マナー違反7つ
のし袋ののしの有無
袋の右上にのしがついているものとないものがあります。
本来はのしがついているものや印刷されているもののみをのし袋と言うはずですが、近年ではのしがついていないお金を入れる金封ものし袋と読んでいるのが現状です。
金封はのしをつけるのにふさわしくない場合にも利用するので分けているのです。お見舞いや仏事、魚介類の贈答時には本来は「のし」はなしです。
水引に注目
水引とは贈り物の包み紙を結ぶ紙ひものことで基本的に奇数の紐で作られていて目的に応じて結び方も変わります。
紅白の蝶結びは、一般のお祝いごとやお中元、お歳暮など、何度でも繰り返したい場合に使用します。蝶結びは簡単に結び直せるためです。また慶事には金銀、赤白などの紐が使われます。華やかな祝儀袋になるように水引で縁起の良い鶴や梅の花なども作られています。
水引のほどける結びと、ほどけない結び
結び切りとは、固く結ばれて離れない結び方で、紐の終わりが上に跳ね上がっています。主に一度きりの婚礼関係に使用し、夫婦は二人で一つという意味を込めた5本を二つに合わせた偶数10本で作られています。
のしがついていない結びきりのものは重ねて起きて欲しくないという思いを込めてお見舞いや全快祝い・快気祝いなどに使います。
白黒の「仏のし」はのしがついておらず二度と繰り返したくないお悔やみ全般にも結びきりは使われています。淡路結びもありますが、これはどちらの場合にも使えるので便利です。
のしの書き方
のし紙の上段中央には寿やお祝い、お見舞いなど、御霊前 など、表書きを記します。
水引やのしに文字がかからないように気をつけます。水引の下の段には、上段よりはやや小さく名前を書きます。正式には毛筆で書きましょう。準じて、筆ペン・万年筆・サインペンなどありますができればボールペンは避けたいところです。できるだけ丁寧に楷書でかきましょう。
慶事は濃い黒で、弔事の場合は薄い墨の色で書きます。
のし袋に送り人の名前等を書いておく
のし袋の裏面かうち袋には 金額や住所と名前をを書いておけば もらったほうとしてもお返しのときになどすぐ連絡先が分かり便利なのです。
金額は、「壱萬円也」など、一、二、三、ではなく、大事という壱、弐、参、を用います。本来は漢字を書き換えて例えば一を二にすることが出来ないようにするための方法なのですが、旧字体や大事を使えばより、重々しく感じられます。
関東と関西
先ほど述べた蝶結びは関東式で 関西は淡路結びを使うというのこともあるようです。大阪ではグリーンと白の紙で折った祝儀袋を男性用に使うこともあるようです。京都は男女を問わず赤と白の祝儀袋をつかいます。
袋の形を成すための折り方も違っていて、風呂敷で包んだような風呂敷折やひだの折が華麗なひだ折りは関西で、関東で一般的に使われるのはたとう折りです。
慶弔の違い 後ろ側の納め方
たとう折りの場合、後ろから見たると、慶事は下側を上側に被せてあり 目を上げて、喜びを表すとか幸せが何度も受け止められるようにという意味が込められています。また弔事の場合は悲しみに目を伏せるということから上側を下側にかぶせてあります。渡す側の人はお金を入れたあと、後ろを納めるときに注意しなければなりません。
渡す側としてはほんの些細なことでも貰った方としては、縁起でもない!と気にしてしまうことが多々あるので注意が必要です。こういったことをスマートにできるようになると、晴れて、おとなの仲間入りですね。
まとめ
のし袋の書き方、世間知らずでは済まされない!マナー違反7つ
・のし袋ののしの有無
・水引に注目
・水引のほどける結びとほどけない結び
・のしの書き方
・のし袋に送り人の名前等を書いておく
・関東と関西
・慶弔の違い 後ろ側の納め方