旅館にチップって必要なの?と改めて疑問に思う方は多いですよね。昔では考えられなかった海外旅行も気軽に行ける時代になりました。海外旅行に行くとチップが必要な場面が多いことに気付くことでしょう。ドアを開けてくれたらチップ、荷物を部屋まで運んでくれたらチップ、ちょっとお願いしたらチップ…1ドル札がいくらあっても足りない!!と思うことはきっと多いはずです。チップを渡さないとチェッと舌打ちされたりすることも…。
そんな予備知識があるせいで日本の旅館でもチップが必要なんじゃないかと疑問に思う方が意外に多いのです。日本のサービスはとても心地よくチップを払いたくなるほどの対応のところが多いのも事実。しかし、どのランクからチップを払うのか…気になるところでしょう。そこで今回は旅館に泊まった際はチップが必要かといった様々な疑問についてお伝えします。
どんな旅館ならチップが必要?
旅先の心づけ5つの基礎知識
心づけはチップと一緒?必要か不必要か
海外でよく行われるチップですが、日本の場合で言うと「心づけ」が一番似ている言葉でしょう。しかし、「一緒」とは言わないのは何故か。
日本には本来おもてなしの精神があるので、もてなすことはごくごく当たり前のこと。しかし、海外では違います。もてなす=サービス=有料という図式が一般的なのです。
「仕事はするけどサービスを受けたいのなら有料よ」ということになります。
給料形態も違う海外ではチップも給料の一部として容認しているところも多く、お国柄有料にしないとサービスを行わないといったことが一般的です。
日本で言う心づけは「気持ち」という意味が強く、気持ちを表現する代わりにお金を包むと言った意味合いが強いです。つまり、心づけは気持ちでもあるため強制ではありません。
サービスが有料であるチップ文化の海外と感謝の表れの心づけの日本ということになります。なので旅館はチップを必ず渡さなくてはいけない決まりはありません。
渡したいけどどのグレードの旅館から渡せばよいの?
いつも渡している、親はいつも渡していたから自分も渡したいといった方もおられますよね。旅館のグレードでチップを渡す、渡さないが決まるのか、疑問を持った方もいることでしょう。
例えば素泊まり食事ナシで泊まった場合、この旅館にチップが必要ないのはわかりますよね。サービスを直接受けているわけではないので渡さなくてもOKです。
旅館のグレードが高ければチップを渡して、グレードが低ければチップがいらないのか…答えはどっちもバツです。
先程も話したように、日本における旅館でのチップは心づけとされるので、あなたの気持ちがそうさせるならお渡ししても良いでしょう。チップを渡したくなければ渡さなくても良いのです。
日本では宿泊料にはサービス料が含まれている事も多く、チップの様な料金をすでに支払っている事がほとんどです。
旅館のグレードに関係なくチップを払いたい人はお渡しし、払いたくない人は渡さなくても良いのです。日本の旅館では、チップの有無が関係してサービスが変わることはありません。
チップを渡したほうが良いケース
必ずしも旅館にチップを払わなくてもよいとお伝えしてきましたが、逆にチップを支払ったほうが印象が良くなるケースもあります。
1.自身が常に介助をお願いしないといけない場合
2.特別な旅行で普段はないメニューを作ってもらった場合
3.自分の好みで部屋を替わってもらった場合
具体例を挙げましたが、要は旅館側や中居さんにお願いをした場合です。旅館側は業務の一部だと思って対応してくれていますが、受けているこちらはなんだか気が引けることもあるでしょう。
そんな時に心づけという形であなたの感謝の気持ちを伝えると良いですね。あなたの感謝はちゃんと伝わりますし、旅館側や中居さんも悪い気はしないはずです。
また、部屋のものを壊したり、傷を付けてしまったりした時にも心づけというカタチでチップを支払うほうが良いでしょう。
ただ、旅館の中にはチップを断る旅館もあります。その場合は言葉で感謝を伝えるだけにとどめておいて、後日ハガキなどのお礼状を書くことをおすすめします。
チップの金額の相場は?何に入れるの?
海外でのチップの場合は1動作に1ドルというのが一般的です。しかし奥ゆかしい日本では金額を公にはしないですよね。
日本の旅館のチップの相場はおおよそ¥1.000~¥3.000が一般的。あまり高額だと何をしにいっているのかわからなくなります。
相当無理を聞いてもらって旅館の仲居さんや女将にもお世話になったと思っている方でも最大で¥5.000までにしておきましょう。高額だと逆に気を遣われてしまいます。
日本では現金をそのまま渡すのではなく、袋に入れて渡すことが慣例となっています。チップ(心づけ)も同じで袋に入れてお渡ししましょう。
ぽち袋が一番ベストですが、なければティッシュに包んでお渡しするのでも構いません。包み方はデパート包みの様な包み方の方がありがたい気持ちが伝わるでしょう。
チップを渡すタイミング
旅館でチップを渡すタイミングはやはり帰り支度をしている時などに渡すとスマートです。
また、最後の夕食後に中居さんに「ほんの気持ちですが」と言って渡すと自然な感じがして良いものです。女将さんに無理を言ってお願いした場合は帰り際に「お世話になりました」と言ってお渡しすると良いでしょう。
嬉しかった、ありがとう、という気持ちがこもっていればOKです。
いかがでしたか。旅館でのチップについてお話しました。チップというとどこかビジネスライクな印象がありますよね。やはり、日本でのチップの意味合いは心づけと言う方がしっくりきます。
旅行における宿泊先は最も重要な要素の一つです。快適さを求めるならホテルを選びますが、宿泊先に旅館を選ぶのは風情や人柄と言った味わいのある雰囲気を楽しみたいからです。
旅館では特に中居さんにお世話になるシーンが多く、自然な気遣いに居心地が良くなります。非日常の空間でありながら細やかな気遣いに、よりリラックスできるのが旅館の醍醐味ではないでしょうか。
そんな旅館の中居さんや女将さんに感謝する気持ちが起きるのは当然と言えます。気持ちのよい空間は努力なしでは作れません。見えないところで配慮が行き届いているからこそ私たちは素敵な旅行が味わえるのです。
たかがチップですが、気持ちがこもった表情と言葉で旅館に差し上げてみてはいかがでしょうか。
まとめ
旅館でチップを渡す場合とは
・旅館のグレードは関係ないが、素泊まりの場合はチップは必要ない
・チップの相場は¥1.000~¥3.000が一般的
・こちらからお願いして特別なことをしてもらった時はチップを渡したほうが良い
・チップは帰り際や、最後に食事後にそっと渡すほうがスマート
・チップははだかのまま渡さず、ポチ袋かなければティッシュに包んで渡す