親と縁を切る選択肢は、決して一概に誤りだとは言えないことも多いですよね。世の中には、子供を産む覚悟を持たずに子供を産んで、責任を取り切れない親や自分のエゴを優先して子供の幸せを考えることをしない親も事実存在します。
一般的には子供は親に愛されて育つもの、と言われていますが、そうでないケースもあるのです。
しかし、親と縁を切ることを自分の配偶者や親戚、友人などの周囲の人に打ち明けると、「親と縁を切るなんておかしい」とか「親がいるから自分がいるのに薄情だ」と批判的な意見を受けることがほとんど。
親と子供の関係性は、第三者には理解できない部分が多いので、当然といえば当然…。中でも、配偶者に親と縁を切ることを理解してもらえないと、その後の夫婦関係にも亀裂が入りかねませんよね。そこで今回は、親と縁を切るのは本当に酷いことなのか、夫婦でもめた時に役立つ事例を5つ、お伝えします。
親と縁を切るのは酷いこと?
夫婦でもめた時に役立つ体験談
お金にだらしない親
子供にお金をせびったり、借金をして子供に迷惑をかけるような、お金がだらしない親と縁を切るのは賢明な判断。お金にだらしないということは自制心がない証拠です。
このような親は、ことあるごとに理由を付けて、お金を子供に借りようとしますが、返す例は稀なのです。
【 親と縁を切る体験談:お金 】
★ Aさんの親は、収入がないわけではないのに、欲しいものを我慢することなく買ったり、競馬やパチンコで生活費がなくなるまでお金をつぎ込むため、しょっちゅうお金に困っていました。
Aさんが社会人になると、お金をせびってくるようになり、最初はAさんも渡していたのですが、結婚をすることになって事態は変わったのです。
Aさんの結婚相手の女性はすでに妊娠をしており、親に金銭的な援助ができるほど経済的な余裕がなくなり、自分の家庭のことを考えて親と縁を切りました。
…お金にだらしない親は得てして、子供が子育てや家庭のことで経済的に困っても助けてはくれませんから、縁を切るしか、自分とその家族の幸せを守る方法はないのです。
暴力をふるう親
子供に暴力をふるう親は残念ながら後を絶ちません。多くの場合は、自分も幼少期に親から暴力を受けていたというケースが多いですが、負の連鎖は断ち切るのが賢明。
【 親と縁を切る体験談:暴力 】
★ Bさんは、幼少期から親に過剰な暴力を受けていました。暴力を受けた後に優しくされるため、心底親を憎むことができなかったといいます。
しかし、大学に進学する時に一人暮らしをしたいと親に伝えたところ、親が逆上。これまでにない暴力をふるい、刃物を取り出すまでに至ったのです。
Bさんは恐ろしくなり実家を出て、半ば逃げるようにして独り暮らしを始め、親と縁を切る決断をしました。
子供を叱るのは親の愛情ですが、必要以上の暴力は親のエゴ。ケガをしたり、命を落とす危険にさらされるかもしれませんから、そのような親とは関わらない方がよいのです。
アルコール依存症の親
不景気で会社をリストラされたり、配偶者に裏切られるなど、日常生活における不満や不安からアルコールに溺れ、依存症になってしまった親の場合、子供は親が更生するようサポートをすべきだという意見も…。
しかし、アルコール依存症の親が、子供のアドバイスを素直に聞くのは難しいこと。
【 親と縁を切る体験談:依存症 】
★ Cさんは、母親が幼少期に他界し、会社をリストラされたことでアルコール依存症になってしまい、高校生の頃からアルバイトをして自分の学費などを賄っていました。
大学への進学をあきらめ、地元で働き始めましたが、父親は依存症から回復することはありませんでした。
父親はCさんに断りものなく、クレジットカードを使ってお酒を購入してしまうため、Cさんは父親が更生するまで一切会わないと決め、家を出たといいます。
親が原因で自分の精神衛生も悪くすると共倒れになってしまいますから、このようなケースでは、親と縁を切るという方法も、一つの選択肢と考えても良いのです。
恋人を優先する親
子供を産んだ母親全員が、母親の自覚が芽生えるとは限りません。子供を産んだ後に離婚し、子供を引き取ってもなお、自由に恋愛をする母親もいます。
【 親と縁を切る体験談:恋人 】
★ Dさんの母親は夜の仕事をしながら収入を得ていたものの、しょっちゅう恋人を作っては、まだ高校生のDさんがいる自宅に恋人を住まわせていました。
Dさんにとっては、血のつながりのない男性が自宅で生活するわけですから、強いストレスを受けていたといいます。
Dさんが高校を卒業した後に母親にできた恋人は、Dさんにも言い寄ってきたため、Dさんは母親に「恋人をとるか自分をとるか」と詰め寄ったのですが、母親は恋人を選びました。
Dさんは親と縁を切る決心ができたといいます。
子供を道具としてみる親
親を子供を叱る場合、時には厳しい言葉を発することもありますが、厳しさの裏には子供を思う気持ちがあるはず。しかし、ただ自分のストレスやイライラを子供に八つ当たりする親もいます。
このような親に育てられると、傷つくだけで学ぶことは何もありません。
【 親と縁を切る体験談:暴言 】
★ Eさんは親から「死ね」「産むんじゃなかった」など、人格や存在を否定されるよな言葉をしょっちゅう投げつけられてきました。このような言葉を子供の頃から言われてきたために、自分の存在価値を軽く考えるようになったといいます。
中学時代の教師にそのことを打ち明けた時、そんな考え方をする必要はないと教師が気づかせてくれたといいます。
子供をストレス発散のための道具として扱う親と縁を切るのは、間違った選択ではありません。親と暮らすことが子供の人生にプラスにならないのであれば、親と離れることが良い選択になることもあるのです。
いかがでしたでしょうか、親と縁を切るということは、その言葉だけ聞くと一瞬「冷たい」とか「薄情だ」という印象を持たれることがほとんど。しかし、世の中には常識を逸脱した人間もいます。そのような人間が親になってしまうと、子供は犠牲者。
人間には生まれながらにして、自由で健康的に生きる権利が与えらえるべき。
子供にそれをしてあげられるのは親なのですから、親としての義務を果たせない親と縁を切ることは、批判されるべきではありません。家族のことは当事者同士にしかわからない事情があります。
もし、親と縁を切ることを配偶者である夫や妻に批判されたり、反対された時には、一般論ではなく、今回お伝えしたような具体的な事例を挙げると理解してもらいやすくなります。
自分の親がどんな親なのか、それによって自分が被ったことや思いを丁寧に話せば、きっとパートナーは理解をしてくれるはずです。
まとめ
体験談からわかる親と縁を切るべきケース
・お金にだらしない親とは縁を切るべき
・暴力をふるう親には我慢せずに逃げる
・依存症の親とは更生するまで甘やかさない
・子供より恋愛を優先する親は親の資格なし
・子供を傷つけるだけの親とは関わらない