親しい方が亡くなられ、家族葬でお葬式が執り行われる時、一般的なお葬式の参列との違いに慌てて失敗してしまった…などということは避けたいですよね。近年、大きく盛大なお葬式とは一線を画し、親しい人だけに見送られ、ささやかに自分らしく供養してもらいたいと願う人も増えてきています。そのため、親しい方の家族葬へ参列を求められるという場面もゼロとは言えなくなってきました。
そこで今回は、初めての家族葬。参列者が知っておきたい一般葬儀との違いをお伝えします。家族葬への参列と、一般葬の違いに加え、おさえておくべきマナーを、ポイントを絞ってお伝えします。この記事を読めば、家族葬へ参列するときにも慌てずにすみますから、落ち着いた気持ちで、大切な方に思いを馳せることができますよ。
初めての家族葬。
参列者が知っておきたい一般葬儀との違い
家族葬とは何か
お葬式は通常家族が主体となって執り行われますし、親類縁者の参列も当たり前です。それでもあえて「家族葬」と呼ばれるということは、家族以外の参列ができないということなのでしょうか。
家族葬とは、勤務先やご近所づきあい程度の方々の参列をお断りし、亡くなられた方の家族に加え、特に親しくしていたご友人に限って参列していただく、ささやかな葬儀の事を指します。
つまり、「家族葬」は家族以外の参列をお断りするものではなく、「特に親しい方に限って」として大がかりな葬儀を執り行わないという趣旨を言っているのです。
参列願いがあった場合のみ参列する
大切なご友人や遠縁のご親族が亡くなられた場合、訃報のお知らせがあれば直ぐにでも葬儀に参列したいと考えてしまいますよね。しかし、葬儀はあくまでも個人やご遺族の意思ですので、「家族葬で」と文面にあった場合は一呼吸置き、参列か、辞退かを判断しましょう。
基本的に訃報のお知らせを受けた際に、ご遺族側から葬儀場や日時の案内を受けた場合は参列願いがなされたとみなして問題ありません。家族葬に参列する準備をしましょう。ここで注意すべきはご遺族からの案内であるという点です。人づてに斎場の場所や日時を知りえたからといって、勝手に参列するのはマナー違反となります。これは親族の場合も同様で、いくら親族であるといっても、家族葬への参列範囲を決めるのは故人、もしくは喪主の判断にゆだねられています。ご遺族から直接案内を受けていない場合に、勝手な判断で参列することの無いよう、注意したいですね。
ご遺族にお悔やみの言葉をかけても良い
通常の葬儀であれば、受付が設けられており、そこでお香典を渡す際に「この度は・・・」とお悔やみの言葉を申し伝えるのが一般的です。ご遺族へ直接お悔やみの言葉を伝えに行くことはマナー違反とされています。これは、家族を亡くされた中で葬儀の準備を行うご遺族を心身ともに気遣うための配慮ですね。
しかし、家族葬の場合は受付が設置されていないことが多く、ご遺族との距離も通常の葬儀より近くなっています。この場合、ご遺族に直接お悔やみの言葉を伝えることは、マナー違反にはなりません。ご遺族も、参列者との距離が近くなることを望まれて家族葬を選択していますので、是非声をかけて差し上げましょう。
香典辞退をされたら素直に従う
家族葬では、一般葬と同様お香典を準備して参列します。しかし、中にはお香典を辞退されるご遺族もいらっしゃいます。通常、案内を受けた際に、案内状や口頭で香典の辞退についてふれられますので、その通りに従いましょう。
辞退されたけれど、どうしても渡したいと無理やりお香典を渡してしまった場合、香典返しの準備でかえってご遺族に気を遣わせてしまいます。そのような気遣いのいらない、気心の知れた間柄だけで心穏やかに故人を送りだしたいと考えて選択された家族葬です。ご遺族の意向をきちんと汲み取り、香典や供花の辞退には、素直に従うようにしたいものです。
参列が叶わない場合は弔電を送ってもかまわない
家族葬では、ご遺族から明確に参列願いを受けた場合のみ参列します。しかし、参列願いを受けたにも関わらず、どうしても都合をつけることができないという場合もありますよね。その場合、弔電を送ることはマナー上問題ありません。また、参列願いは受けていないけれど、どうしても哀悼の意を表したいという場合も、弔電であればヨシとされています。
家族葬では返礼品の準備が必要な香典や供花、供物は辞退することが多いのですが、弔電に限って言えば、お礼状の発送だけで良いため負担が少ないと考えられていることがその理由です。しかし、当然ですがご遺族から弔電の辞退が明示されていた場合は控えなくてはいけませよ。
いかがでしたか。家族葬というと、そのネーミングから家族のみが参列を許される葬儀というイメージをもってしまいますが、あくまでも故人や喪主の判断で参列の範囲が決まるということがわかりました。
家族葬を選択されるご遺族の心中には、大切なご家族を亡くされた中で、参列者への対応や返礼品の準備といった<事務的な事>に時間を割かれるのではなく、故人との時間を大切にしたいという思いがあります。訃報を聞いた側としては、どうしても参列したい、哀悼の意を示したいという気持ちになってしまいますが、一番大切なことはこれからを生きていくご遺族が、家族の死をどのように受け止めていきたいのかという事です。大切なご友人だからこそ、家族葬を選択されたご遺族の意思を尊重し、節度をもった対応をしたいですね。
まとめ
家族葬で参列者が知っておくべき一般葬との違いは
・「家族葬」は、「家族のみ葬」ではない
・訃報を聞いただけで勝手に参列してはいけない
・ご遺族に直接お悔やみの言葉をかけてもよい
・香典の辞退には、素直に従う
・参列願いは受けていなくても弔電を送るのはOK