暑中見舞いの書き方は、あまり意識することが無いものですよね。友人間でやりとりをすることも稀なので、年賀状は毎年のように送っているけれど、暑中見舞いは出したことが無いという方も多いでしょう。
一方で、特別にお世話になった方にお礼を述べたいけれど年賀状では遅いと感じる場合など、暑中見舞いには使い勝手の良い点も多くあります。新年度になって新しく知り合った方に挨拶をしたい、転居の報告をしたいという時にも、タイミングとしてちょうどよいものです。
とはいえ、やはり年賀状のようには多くの相手に出さないことが多いので、暑中見舞いとなると、どのような書き方が一般的なのか、なかなか浮かばないものです。
そこで今回は、暑中見舞いの書き方についてお伝えします。
季節の挨拶から書こう
暑中見舞いは、その名の通り夏の暑さを見舞うことがもっとも大きい目的です。手紙ではなく、贈り物をもってお宅を訪問することも「暑中見舞い」と言います。
ですから暑中見舞いは、「暑いですね」ということと「その中でお元気ですか」という2つの思いを込めた書き方にします。
年賀状を書く際は、見出しのように大きく「明けましておめでとう」「謹賀新年」などと書きますよね。暑中見舞いでも同様に、まずは季節の挨拶を書きます。
暑中見舞いでは「暑中お見舞い申し上げます」という書き方になります。すでに印刷されている暑中見舞いのはがきを購入する際にも、ほぼすべてのはがきに書かれています。年賀状のように「おめでとう!」「HAPPY NEW YEAR!」などのバリエーションはあまりありません。
相手によっては文言が堅苦しいと感じる場合は、字体を工夫することで全体のイメージをポップにするとよいでしょう。
なお、立秋を過ぎてからは「残暑見舞い」として送ります。
相手を気遣う文を入れよう
続けて、相手を気遣う一文を書きます。相手によって文言を変えるならばこの部分です。
ここからは、季節の挨拶よりも小さい字で書きます。
簡単に書くならば、
「暑い日が続きますがお元気ですか」
「暑い日が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか」
のように書きます。
かしこまって書くならば
「炎暑ことのほかきびしい中、皆様お変わりなくお過ごしでいらっしゃいますか。」
「連日猛暑が続いておりますが、ご家族の皆様にはお元気でお過ごしのことと存じます。」
などのように書きます。
近況報告を書こう
冒頭でも書いたように、暑中見舞いを出す際は、こちらの近況を報告することが目的の場合も多くあります。その場合は、相手を気遣う文の後に、短く近況報告をしましょう。
特に報告することが無い場合でも「こちらは元気ですよ」程度の文章を入れましょう。近況報告を加えるだけで、ぐっと親しみのわく文章になります。
「このたび、下記の住所に引っ越しましたのでお知らせいたします。こちらへお越しの際には、ぜひお立ち寄り下さい。」
「おかげさまで家族一同元気に過ごせております」
といった文を書きます。
結びで美しくしよう
締めの文で全体を引き締め、美しくなるように整えましょう。
相手によって文言や雰囲気を変えて書きますが、一般的には“体に気を付けてください”という趣旨の文を書きます。
「夏の暑さが出やすい頃ですので、どうぞご自愛ください」
などは語呂もよく、使いやすいです。
最後に日付を入れます。「平成○〇年 盛夏」と書きます。残暑見舞いであれば「晩夏」「立秋」と書きます。
「八月」などのように書いても構いません。
ひとことを添えよう
暑中見舞いを出す相手が多い場合は、季節の挨拶から結びまでを同じ書き方で印刷すると簡単です。
ただしその場合は、相手を気遣う文や近況を報告する文まで統一になってしまうので、あまり個人的な内容は書き込めません。活字は見た目もきれいなので、一人ひとりに異なる文で作成してもよいですが、印刷でそれを実行しようとすると、場合によっては手書きよりも時間がかかりますよね。
そこで、暑中見舞いをすべて同じ書き方で印刷する際、あるいは印刷済みはがきをまとめて購入する際は、空いているスペースに手書きで一筆を入れるようにしましょう。
一文でも手書きの文字が入っているだけで、受け取る側の印象はとても変わります。
さて、近年は印刷されている暑中見舞いのはがきも目を引くデザインのものが多く、またPC用のソフトなどを利用して簡単に作成することもできるので、初めからすべて作成する方はほとんどいないでしょう。
ただ、既成の暑中見舞いの文面の書き方では、なんとなくイメージと合っていないということはありますよね。デザインはかわいいけれど一文だけ固すぎると感じる、引っ越しの報告は定型で全員に入れたいけど既成の文面だと納得がいかない、ということはよくあります。
そんなときは、ぜひご自身で文を考えて書きましょう。出す相手が少なければ、全文手書きというのもとても味があります。
相手の顔を浮かべながら「この文の方がいいな」と考えて書いた文は、受け取った側もぎこちなさを感じずに読むことができるものです。また、一般的な暑中見舞いの書き方を知っていれば、一人だけ違う書き方にしたいという時にもスムーズに対応できます。
年賀状よりもイメージの薄い暑中見舞いですが、一般的な書き方を知り、挨拶や報告のツールとして上手に活用してみてください。
まとめ
暑中見舞いの書き方の手順は
・季節の挨拶から書こう
・相手を気遣う文を入れよう
・近況報告を書こう
・結びで美しくしよう
・ひとことを添えよう