葬式の流れと事前準備。喪主や遺族が心得る事柄とは?

葬式の流れと事前準備。喪主や遺族が心得る事柄とは?
葬式の流れを事前に理解している人は、縁起が悪いような気持ちもあるため、少ないですよね。けれども家族が亡くなってから通夜までの短い時間で、悲しみのなかでも、こなすべき事柄がたくさんあります。

この時、突然のことであったり、事前に考えていない喪主や遺族は、その手順に戸惑うだけで、ただただ呆然としてしまうことも多いのです。

しかし、故人と縁のある方々とともに故人を偲び、これまでのことに感謝をし、魂が安らかでいられるよう祈るためには、喪主と遺族が一丸となって滞りなく式を執り行えるよう、力を注がなければなりません。

とは言え、突然の訃報でバタバタしながら通夜となり、基本のお葬式の流れを把握できずに不安になることも…。このお葬式の流れを知る事で、悲しみなかでも、少しでも安定した気持ちで進められれば良いですよね。

そこで今回は、臨終から通夜前までの一連のお葬式の流れを、喪主や遺族の理解しておきたい事柄とともにお伝えします。

 

葬式の流れと事前準備。
喪主や遺族が心得る事柄とは?

 

臨終を迎えたら

遺族は臨終の直後から、お葬式に向け様々な準備をしなくてはなりません。病院で臨終を迎えることがほとんどですが、その場合にはまず、葬儀社に連絡を取ることから始めます。

【 葬儀の流れ:葬儀社に連絡する事柄 】

・ 逝去した場所
・ 遺体を安置する場所まで搬送を依頼

死亡診断が下ったら、そこから24時間以内は遺体を火葬することができないため、必ず遺体をどこかに安置しなければならないのです。自宅なのか斎場なのか…、遺体の搬送先を決めて葬儀社の車で搬送する流れになります。

 

死亡診断書を受け取る

その後、医師に「死亡診断書」を作成してもらい、受け取ります。

【 葬儀の流れ:自宅で臨終を迎えた時 】

■ かかりつけの医師に連絡し、死亡確認を行った後診断書を作成してもらいます。

・ もしもかかりつけの医師がいなかったら、救急車を呼んで病院に搬送し、そこで死亡確認を行った後、診断書の作成となります。

その後必要ならば、葬儀社に遺体の搬送を依頼する流れになります。

 

遺体の搬送

この時連絡をするべき葬儀社、突然だったりすると決まっていないものです。

【 葬儀の流れ:葬儀社が決まっていない場合 】

■ 病院から紹介されることが多いです。

・ ただ、もし紹介された業者にお葬式を依頼するかどうかその場で決められない場合は、あくまでも「遺体の搬送」だけを依頼して問題ありません。

しかしこの時点で、できるだけ速やかにどこにお葬式を依頼するか、正式に決めなければなりません。

 

搬送前に行うこと

なお臨終を迎えたら、搬送の前に次のことを行います。

【 葬儀の流れ:末期(まつご)の水をとる 】

■ 湯呑みに水を用意して、綿棒や筆などにその水を含ませ、故人の唇を湿らせます。

この儀式を「末期の水をとる」と言いますが「あの世で喉が渇かないように」との願いが込められています。故人と血縁の濃い順に、その場にいるひとりひとりが行います。

【 葬儀の流れ:湯灌(ゆかん) 】

■ 遺体を拭き清めることを指します。病院ならば看護師、自宅なら葬儀社の担当者が行うのが一般的です。

【 葬儀の流れ:身繕いや死化粧を施す 】

■ 遺体には本来死装束(白の経帷子)を着せますが、この時点では故人が好きだった服などでも可。ひげそりやメイクアップなどを行い、故人のお顔を安らかに整えるのも、この時です。

 

近親者と菩提寺への連絡

遺体の搬送の手続きや、死亡診断書の受け取りが終わったら、まずは近親者に連絡を取ってください。

【 葬儀の流れ:近親者に連絡 】

■ 連絡は急を要しているので深夜や早朝でも失礼に当たりません。

・ そして遺体の安置場所に駆けつけることができる方には、その場所や遺体の到着時間等を知らせます。

さらに、菩提寺がある場合にもすぐに連絡を入れます。これは檀家の方が亡くなった場合、納棺時に僧侶が遺体の安置場所に赴き「枕経(まくらぎょう)」を勤める必要があるからです。

 

遺体の安置

ここから、お葬式へ向かっての具体的な動きが始まるのですが、この時に一連のお葬式の流れも確認することになるのです。

【 葬儀の流れ:遺体の安置 】

■ 遺体が搬送されたら、頭を北側に向けて布団に寝かせて安置します。

・ 布団は上下とも薄いものにして、遺体の顔には白い布を。そして「枕飾り」を設置してください。

なお枕飾りは、信仰する宗教により異なりますので、以下に記します。

【 枕飾り 】

■ 仏式→

・ 白い布を掛けた経机(きょうづくえ)の上に「香炉・燭台・花立て」を供えて、花立てには白い菊。

■ 神式→

・ 白い布を掛けた案に、榊と燭台、塩と洗ったお米、水やお神酒などを供えます。

■ キリスト教式→

・ 白い布を掛けたテーブルに、十字架・燭台・故人の聖書や生花など。

このような枕飾りのための様々な用具は、葬儀社が用意してくれるので、葬儀社に故人の宗教を打ち合わせで伝えておけば、後は安心して任せてください。

 

葬儀社とのお葬式の打ち合わせ

葬儀の流れでやはり大切なのは、一連の葬儀をサポートしていただく、葬儀社の担当者と近親者との打ち合わせ。ここまでたどり着けば、喪主の挨拶や参列者への配慮などさまざまありますが、助けてくれる方々がいて心強くなるはず。

【 葬儀の流れ:葬儀社との打ち合わせ 】

・お通夜・葬儀・告別式、つまり「お葬式の流れ」を確認

・喪主とお葬式においての受付・会計・接待などの係決め

・お葬式の日程・斎場・火葬場などの確定。

・通夜ぶるまいなどの、接待用飲食や会葬御礼・香典返しなどの内容や数量決め。

貸衣装や着付けが必要な場合は、この時点で手配。

この時には、お葬式にかかる費用や、僧侶へのお布施・戒名料・お車代などを見積もって多めに現金を用意してください。それらを包む袋なども、この時に一緒に準備しておくと、後々スムーズです。

 

いかがでしたでしょうか、葬儀社との打ち合わせまで進めば、少し落ち着きますが、やはり喪主や遺族には、こなすべきことがたくさんあります。

本文中でお伝えした、医師に発行してもらった死亡診断書は、打ち合わせ時に葬儀社の担当者に渡し、死亡届の提出・火葬許可証の手続きを代行してもらってください。仏式でお葬式を行う場合は、僧侶が到着するまでに依頼しておくとスムーズです。

お葬式の流れにおいてはまさに、やらなければならないことがたくさんあり、悲しみに浸っている間もないほどかもしれません。初めて喪主や遺族となった場合はなおさらです。

しかし喪主や遺族は、手続きや連絡など、任せられる部分は葬儀社や信頼できる方にお任せし、なるべく故人とともに最後の時間を過ごすことも必要。そのバランスを大切に、故人に寄り添い、見送ってください。

まとめ

お通夜までの葬儀の流れ

・葬儀社に連絡をして、遺体の搬送を依頼する
・自宅でかかりつけ医がいなければ、救急車で病院へ行く
・病院から葬儀社を紹介されるが、搬送だけの依頼でも良い
・搬送前に湯灌と身繕いや死化粧を施す
・搬送手続きと死亡診断書をもらったら、近親者へ連絡
・北枕で寝かせた後、枕飾りを施す
・葬儀社と打ち合わせ時には、お布施などの現金も準備する


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