お中元の時期から贈り方まで。季節のご挨拶5つのマナー


季節のご挨拶、特に、お中元の時期や贈り方など人付き合いにまつわるマナーは色々ありますよね。贈るお相手は、ほとんどの場合、ひとかたならぬお世話になっている方が対象ということで、決して失礼があってはいけませんので、実に難しいというのが多くの方のご意見でしょう。

そもそも、贈り物は、お相手に喜んでもらうために贈るものですから、贈り手側の独りよがりになってしまっては意味がない、という点でまずは品選びに悩みます。

そして、更には、お中元やお歳暮のような季節のご挨拶というテーマがあれば、時期をはじめとした贈る意味など様々なルールもあるはずです。

そこで、今回はお中元の時期や贈り方などのマナーについてお伝えします。

夏のご挨拶、お中元

テレビCMで『夏の元気なご挨拶~♪』などお馴染の歌や夏をイメージするギフト映像が流れ始めると「そっか。もうそんな時期だった」というのが毎年恒例の会話、なんてご家庭も多いのでは?

お中元は、親しい方やお世話になった方へ日頃の感謝を伝えるための大切なコミュニケーションツール、季節のご挨拶の1つです。

今までは、そんなお付き合いは親任せにしていたが、新社会人になったことを機に、ご自分でやってみようと思う方もいらっしゃるでしょう。

しかし、いざ贈ろうとしても、お中元の時期など様々なマナーがあることさえわからずに早速途方に暮れてしまう方がほとんどかも知れません。

人付き合い、季節のご挨拶、お中元、それらにはマナーが必要であるという事を知るだけでも大人への第1歩になります。

 

起源は中国の中元と日本の盆礼

お中元は、もともと中国の道教の行事に由来していると言われています。『中元』とは旧暦の7月15日のことです。

中国の三元、上元(旧暦の1月15日のこと)と下元(旧暦の10月15日のこと)と並んで、中元があります。この三元は、それぞれ司る神様がいて、中元を司る神様は地官赦罪大帝(ちかんしゃざいたいてい)、その神様を祝い旧暦の7月15日に人々はお供え物をしていました。

日本では室町時代に、中国の三元の行事と日本のお盆『盆礼』という風習が結びついたのが『お中元』の起源です。

因みに、地官赦罪大帝という神様は、人の犯した罪を許してくれる神様でその神様の誕生日の中元には罪を償うという意味もあったそうです。

中国の中元と日本の風習であったお盆に親戚や近所に祖先の霊を祭るためにお供え物を配った習慣とが相まって「お盆の頃にお世話になった人に品物を贈る」という風習に変化したとのこと。

その時期は旧盆の時期とも重なり、7月15日頃までに贈るというスタイルになりました。

「年明け~中元までの半年間、大変お世話になりました」という感謝の気持ちや暑い夏、ご自愛ください」という気遣いの気持ちが込められるお中元。

贈る品物は、うなぎ・そうめん・アイス・ゼリー・桃・マンゴーなどのような夏らしい季節感のあるものが人気。洗剤・タオルなどの日用品も一般的で、相手が好きなものを選べるカタログギフトを贈る方も最近では多いです。

 

お中元の時期は地域により違うので先方の地域に合わせる

お中元の時期は、一番守らなければいけないマナーと言っても過言ではありません。

北海道では、旧盆の時期にあたる7月15日~8月15日にお中元を贈るのが一般的です。

東北と関東は、一般的に7月初旬から7月15日までがお中元の期間です。

北陸の場合、関東同様7月初旬~7月15日にお中元を贈る地区と、北海道同様7月15日~8月15日の時期の地区に分かれます。

東海・関西・中国・四国のお中元は、7月15日~8月15日までに贈るのが一般的です。

九州の場合、関東・東北地方と丸1ヶ月もお中元の時期が異なります。

沖縄は他の地域とは異なり、旧暦の7月15日までにお中元を贈ることが主流です。

季節のご挨拶とは言え、縦長の日本列島の場合、季節の移り変わりもかなりの差があるので、お中元の時期にもその様な違いがあるのです。

 

お中元のマナーの1つ『送り状』

お中元の時期を考える際に、一緒に覚えておくと良いのが、お中元のマナーの1つ『送り状』についてです。

これは「近々、贈り物をお届けします」というお知らせですから、品物よりも先にはがきや手紙で送ると丁寧です。

夏の時期には長期休暇で留守にしがちなご家庭も多いモノ。品物が届くとお知らせする目的ですから、品物を贈る1週間前くらいからが送り状のグッドタイミングでしょう。事前にお知らせするのは挨拶だけではなく、この日に送りますので受け取る準備をして下さいという目的もあります。

送り状には、時候の挨拶、日頃のお礼、何をいつ贈る、或いは、贈ったかなどを書くと良いでしょう。

 

のしの表書きは時期により違う

地域によるお中元の時期に差があることはお分かりいただけたことでしょうが、もう1点、お中元にはケースバイケースのマナーがあります。

それは、お中元を贈るときに品物につける『のし(熨斗)』です。この『のし』も贈る時期により表書きは変わります

お中元の時期により『お中元』『暑中見舞い』『残暑見舞い』を使い分けるのも注意が必要なポイントです。

7月初めから15日の中元までは御中元・お中元で、中元後7月15日以降から立秋ごろまでは暑中御見舞・暑中見舞い・暑中御伺いです。

立秋から9月上旬には残暑御見舞・残暑見舞い・残暑御伺いになります。

 

以上がお中元の時期や贈り方など、誰もが知っているようで知らなかったお付き合いのマナーです。

学生時代の過去の恩師や新社会人時代に指導してくれた上司、実家の両親など、お世話になった方は結構いますよね。そんな大切な方への季節のご挨拶であるお中元。

身近なお世話になっている方ももちろんですが、特に、過去お世話になった方で、なかなか普段顔を合わせる機会はないけれど、それでいて、いつも心の中にいてくれる…そんな方々のお顔を思い浮かべながら、どんなモノを選べば喜んでくれるか想像を働かせ品選びしたお中元の品を贈り、お互いの近況の報告、感謝の気持ち、先方の健康を祈る。季節のご挨拶は難しさもあるけれど、とても素敵な文化です。

ぜひ心を込めてお中元を贈りましょう。

まとめ

お中元の時期とは

・夏のご挨拶がお中元
・起源は中国の中元と日本の盆礼
・お中元の時期は地域により違うので先方の地域に合わせよう
・お中元のマナーの1つ『送り状』を忘れずに
・のしの表書きは時期により違うので注意


連記事