お焼香のやり方は大丈夫?まず覚えたい基本の手順

お焼香のやり方は大丈夫?まず覚えたい基本の手順
お焼香のやり方に自信を持っている方は、あまりいないのではないでしょうか。仏式の通夜や葬儀では必ず行われますが、自分の順番が回ってくるまで、他の方のお焼香のやり方をじっくり見て「こうやればいいんだな」と確認をする方も多いです。

しかし何かの折に、周囲のお焼香のやり方が確認できないまま、自分の順番になってしまったら…、どうでしょうか。焦らず粛々とお焼香をすることができるか不安ですよね。

実はお焼香にはただ単に故人に香を手向けて供養するだけではなく、自らを香で清めた上で故人の冥福を祈る、という自分のための儀式という意味合いもあるのです。

その意味を深く知っていくとお焼香のやり方を理解して、正しく行うことが、とても大切なことだと感じますよね。そこで今回は、様々なお焼香のやり方の基本の手順をお伝えします。



 

お焼香のやり方は大丈夫?
まず覚えたい基本の手順

 

「抹香」でのお焼香のやり方


お焼香と言えば、この抹香を使った場面を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。

「抹香」とは粉末状のお香のことで、香料となる植物の樹皮や葉を乾燥させて粉末にしたものが多く用いられています。実は宗派によってもお焼香の回数に違いがありますが、信者ではない限り、厳密に守らなくてもほとんど問題にはなりません。

基本的な抹香でのお焼香のやり方は以下のようになります。

【 お焼香のやり方:抹香 】

① 霊前に進み出て深く一礼し、合掌する。

② 右手の中指・人差し指・親指で香をつまむ。

③ 右手に左手を添え、額に香を押し戴き(額の前に捧げ持つ、という意味)、その後香を指先で撒くように静かに香炉にくべる。

④ 一回目のお焼香を補うような気持ちで、二回目のお焼香を行う。この時は額に押し戴かずにつまんだらそのまま香炉にくべて良い。

⑤ 再び霊前に合掌する。

なお、通夜や葬儀の参列者が多い場合は、お焼香は一回のみでも失礼にあたりません。

 

「線香」でのお焼香のやり方


お焼香は抹香で行うだけではありません。仏壇にお線香をあげることも実はお焼香なのです。葬儀や告別式では抹香を用いるのが一般的ですが、弔問時には線香が使われることが多くなります。また、お通夜で線香が使われる場合もあります。

基本的な線香でのお焼香のやり方は以下のようになります。

【 お焼香のやり方:お線香 】

① 霊前に進み出て深く一礼し、合掌する。

② ろうそくの火で、右手に持った線香に火をつけ、左手であおいで火を消す。

③ 線香を香炉に1本ずつ立て合掌する(一般的には1本立てれば良しとされます)。

線香でのお焼香のやり方には大きな注意点があります。それは「線香の火を決して吹き消さないこと」です。火を吹き消すことは重いマナー違反となりますので、くれぐれも気をつけてください。

 

数珠を持っている時のお焼香のやり方は?


お通夜や葬儀の際に「数珠」を持参する方も多いはずです。数珠は本来念仏などをあげた回数を数えるための仏具ですが、今では故人や仏さまに敬意を表すために持つもの、としての捉え方をされています。

従って、信者でなければ持つ必要はなかったのですが、より改まった印象を与えるため、できればひとつ持っていた方がよい道具なのです。数珠を持っている時のお焼香のやり方は以下のようになります。

【 お焼香のやり方:数珠 】

≪短い数珠≫

・ 左手首にかけておくか、左手の親指と人差し指の間に軽く挟んで持つ。

・ 合掌の際には、数珠を持った左手に右手を合わせるか、両手にかけるようにする。

・ お焼香の際には、左手を身体の前に差し出しておき、右手でお焼香を行う。

≪長い数珠≫

・ 二重にして「短い数珠」と同様左手に持つ。

・ 作法は「短い数珠」の時と同じ。

 

「立礼焼香」のやり方


実は、お焼香には「立礼焼香」「座礼焼香」そして「回し焼香」の3種類があります。まずは「立礼焼香」のやり方についてお話をすすめます。

立礼焼香は、通夜や葬儀が「椅子席」の式場の場合に用いられる方法で、喪主や遺族のお焼香に続いて弔問客が順にお焼香を行います。基本的なお焼香のやり方は以下のようになります。

【 お焼香のやり方:立礼焼香 】

① 隣の方に軽く会釈をしてから焼香台に向かう。

② 祭壇に進んで、遺族に一礼した後遺影に向かって深く一礼し、合掌する。

③ 香をつまみ、額に押し戴いたあと香炉にくべる。

④ 遺影に向かって合掌する。

⑤ 一歩下がり遺影に一礼した後、遺族に会釈をして退く。

 

「座礼焼香」のやり方


「座礼焼香」は通夜や葬儀が「畳敷き」の会場の場合に用いられる方法です。基本的な手順は立礼焼香と変わりませんが、移動の際にまっすぐ立ち上がらないのがマナーです。常に腰を落として移動するようにし、お焼香は正座で行います。基本的なお焼香のやり方は以下のようになります。

【 お焼香のやり方:座礼焼香 】

① 隣の方に軽く会釈をしてから、中腰の状態で祭壇に向かう。

② 遺族に対して、正座をしてから一礼します。

③ 祭壇席に向きなおし、遺影を仰ぎ見て一礼し、その後膝でにじり歩くように移動し、焼香席の座布団の上に正座する。

④ 遺影に合掌し、香をつまんで額に押し戴いたあと香炉にくべる。

⑤ 再び遺影に合掌したら、祭壇に向いたまま焼香席から「後ずさり」をして、遺影に対して一礼。

⑥ 遺族に対しても一礼をした後、中腰で自分の席に戻る。

 

「回し焼香」のやり方


「回し焼香」は、式場が狭かったり参列者が多い時に用いられる方法で、参列者は移動せずに香炉を順に回してお焼香を行います。移動はしませんが、合掌は祭壇の遺影に向かって行います。基本的なお焼香のやり方は以下のようになります。

【 お焼香のやり方:回し焼香 】

① 香炉が回ってきたら、回した方に会釈をして受け取る。

② 香炉を自分の前に置き(スペースがなければ自分の膝の上に置いても問題ありません)、遺影の方向に向かって一礼・合掌する。

③ 遺影に合掌し、香をつまんで額に押し戴いたあと香炉にくべる。

④ 再び遺影の方向に向かって合掌した後、香炉を次の方に回す。

 

様々なお焼香のやり方はいかがでしたでしょうか。文中でも少し触れましたが、お焼香の回数には宗派によって違いがあります。抹香だけでなく線香にも厳密には「本数の決まり」や「線香の置き方」の決まりがそれぞれあるのです。

もちろんそれに沿うのが最も良いのですが、お焼香には故人を思う気持ち、そして自らの心身を清める気持ちが最も大切です。お焼香の回数・本数を気にするよりは、むしろひとつひとつの作法を丁寧に行い、故人への敬意を示した方が良いのではないでしょうか。

また、お作法を頭に入れても、いざその場に立つと緊張して真っ白になることがあるかもしれません。そんな時も慌てず、落ち着いてお焼香をするようにしてください。できればお焼香の意味を理解し、この動きはなんのために行うのか、ということを考えておくと安心かもしれません。

 

まとめ

基本のお焼香マナーと手順

・抹香は右手の中指・人差し指・親指で香をつまむ
・「お線香をあげる」のもお焼香のひとつ
・数珠は左手で持つのが基本
・立礼焼香は椅子席の場合に用いられる
・座礼焼香はまっすぐ立ち上がらずに移動
・回し焼香は合掌は祭壇の遺影に向かって行う