人はいつ亡くなるか分かりませんが、もし葬儀の喪主を務めることになったとしても、一体何をしてよいのか分からない人も多いですよね。ただ、喪主は葬儀の代表といえますから、実際にやらなくてはいけないことが沢山あるのだろうということなりますは想像がつくでしょう。
喪主は故人と繋がりの深い人がなるもので、基本配偶者となりますが、いない場合は長男になりますし、配偶者も長男もいない場合は長女になります。
葬儀は亡くなった人を送り出す大切な儀式なので、喪主が果たす役割は大変大きなものがあります。なので、失敗をしたり葬儀の進行が滞らないように、しっかりと務め上げましょう。
そこで今回は、通夜から告別式までの喪主がしなくてはならない7つの事をお伝えします。
喪主がしなくてはならない7つの事
【通夜から葬儀告別式まで】
葬儀社を決める
喪主がしなくてはいけないことは、葬儀を始める前から山のようにあります。その中でも最初にすることが、葬儀社を決めることです。
人が亡くなるのは病院の場合がほとんどですが、早いと亡くなってから2~3時間で故人を移動させなければなりません。その時、寝台車で故人を安置置場まで移動させなければなりませんが、これらを行ってくれるのは葬儀社なのです。
なので、大変つらいことですが、突然の訃報でない限り、葬儀社は亡くなる前に決めておいた方がよいでしょう。
菩提寺に連絡する
もし、お付き合いしている菩提寺があるなら葬儀でおつとめをしてもらうために、亡くなった旨の連絡とスケジュールの確認をします。
菩提寺がなくても葬儀社からお坊さんを紹介してくれますし、宗派などの希望も聞いてくれますので、お坊さんを手配できないという心配はいりません。
親族や親しい人に連絡する
離れて暮らしている故人の親族や親しくされていた人に、取り急ぎ亡くなった旨の連絡をします。
「お通夜やお葬式の日程は伝えなくて良いの?」と思われるかもしれませんが、こちらは葬儀社とスケジュールなどの打ち合わせをして、確定した後に改めて連絡を入れましょう。
葬儀の日程や内容・費用を決める
葬儀をやるにしても日程を決めなければ始まりませんが、これを決めるのも喪主の大切な仕事です。日程は単に葬儀社との都合が付けばOKというものではなく、菩提寺の都合や火葬場が空いているか、親族の予定など関わる人全ての都合を考慮しなければなりません。
ただし、全ての人が都合の良い日などはありませんので、親族の人には多少の無理は言っても大丈夫です。
日程が決まれば、葬儀をどのような内容、規模にするのかを故人の要望や喪主と家族の考えを踏まえて決めていきます。そして、この時に費用も決まることになります。
喪主挨拶をする
上記でお伝えしたことが全て終われば、いよいよお通夜や葬儀が始まります。ここからは、喪主の一番の仕事は参列者への挨拶です。お通夜に葬儀・告別式、火葬場とそれぞれで行います。
この挨拶で大切なことは、定型文をただそのまま引用するのではなく、喪主らしい言葉で伝えることです。ただ、全ての言葉を一から考えるのは難しいので、定型文を使いつつオリジナルの言葉を付け加える感じになります。
・お通夜:参列頂いたお礼と「○○(故人の名前)も喜んでいると思います」といった挨拶を述べ、葬儀・告別式の日時を伝えます。
・葬儀・告別式:お通夜同様、参列頂いたお礼と故人との思い出話などを取り入れ、最後に遺族に対しても故人同様ご指導ご鞭撻を賜りたい旨をお願いします。
・火葬場:参列頂いたお礼と共に「これにて失礼します」といった締めの言葉と、参列者のお帰りを案じる旨を述べます。
これらのポイントを押さえれば、恥ずかしくない挨拶ができることでしょう。
挨拶以外にすべきこと
お通夜や葬儀で喪主がやることは、挨拶以外にもこれだけのことをやる必要があります。
・お通夜
①お供えする花の配置や名札の名前のチェック
②参列者の席順や弔電を紹介する順番を確認
③お坊さんが着いたら控え室に案内し、お茶とお菓子でおもてなしをする。この時に、お布施を渡し位牌に戒名をもらいます。
④焼香の最中は参列者に黙礼
⑤お坊さんが退場したら通夜振る舞いの席に参列者を案内し、挨拶を述べます。
・葬儀・告別式
①棺を霊柩車に運ぶ際、遺影を持って先頭を歩きます。(棺は運ばない)
②霊柩車に運ばれたら参列者に挨拶をします。
③霊柩車に位牌も持って乗り火葬場へ向かいます。
・火葬場
①火葬が終わるまで控え室でお坊さんのもてなしをします。
②骨あげで骨壺に遺骨が収まったら骨壺を持って参列者へ挨拶、お礼を述べます。
喪主はやることが多く大変ですが、周りの人の協力を仰ぎながらこなしていくようにしましょう。
葬儀後にもすることがある
葬儀が終わればひとまずほっとできますが、それも束の間、次に控えていることはまだまだあります。
・法要:初七日や四十九日など、菩提寺と家族、親族のスケジュールを調節して行う日を選びます。
・香典返し:四十九日の忌が明けてからお返しの品とお礼状を、お供えの花や弔電を送ってきた人にはお礼状のみを送ります。
・手続き:役所で健康保険やマイナンバーを返し、世帯主の変更や税金の申請をしたり、故人名義のものを全て変更します。
いかがでしたか。喪主と言えば葬儀で挨拶をすることが真っ先にイメージされますが、実際にはこれだけ多くのことをやらなくてはいけません。葬儀が始まる前から沢山のことをこなしていかなければならず、気持ちが張ってしまい故人を偲ぶこともままならないものです。
全てが一通り終わり気持ちが落ち着いた途端、悲しみが急に訪れたり、どっと疲れが出たりして体調を崩してしまうこともあります。喪主はとても大変です。一人で全てをこなそうとは思わず、親族の人と相談しながら、協力して行うようにしましょう。
喪主だからと必要以上に肩肘を張ることはありませんし、協力者と上手く連携しながら執り行っていけば、必ず喪主の務めを果たせることでしょう。
まとめ
喪主がしなくてはならないことは
・亡くなる前に葬儀社を決めておく
・菩提寺に亡くなった連絡とスケジュールの確認をする
・親族に亡くなった原因と享年を連絡する
・葬儀の日程、内容や規模を決める
・それぞれの場面でポイントを押さえた挨拶をする
・挨拶以外にもやることが色々とある
・葬儀後も香典返しなどをしなければならない