神社の作法はあまり浸透していませんが、境内に掲示板で説明しているケースもあるように、本来はきちんとした神社の作法があります。けれども、しっかりと勉強する経験もないため、隣の人を見ながら、見よう見まねの神社の作法で参拝する人が多数ですよね。
一般的には初詣や合格祈願、「いい人と出会えますように…」など、お願いごとをしにいくイメージが定着しているのが、現代の神社。
けれども正しい神社の作法も知らずに、神様にお願いごとだけするのは、あまりスマートではありません。せっかくなら神社の作法に則って、神様にも礼儀を示したいもの。
最近では外国人の方でも、正しい神社の作法で参拝している姿を、多く見かけるようになりました。そんななか、日本人が正しい神社の作法を理解していないのは恥ずかしいですよね。そこで今回は、神社での作法を一から順番に解説します。
神社の作法は大丈夫?
正しい手順の参拝で、運気もアップ!
まずは気持ちをしっかりと引き締めよう
神社での参拝には、参拝のマナーはもちろん必要ですが、同時に心のマナーも重要です。
【 神社の作法の基本、心のマナー 】
★ 神様を尊敬し、「ありがとうございます」と感謝の気持ちを伝えることが、参拝する前に必要な心のマナーです。
・ 神様を尊敬もせず、感謝の気持ちも伝えないでいる人が、突然願い事があって参拝しに来るのは、傍から見ても滑稽ですよね。
客観的に見て、神様はその願いを叶えてあげようとするでしょうか。「流行ってるから」、「パワースポットだから」と安易な気持ちで訪れるのではなく、神様への尊敬と感謝の気持ちを持つ所から、参拝は始まっていることを理解すれば準備万端です!
神社には鳥居をくぐって入るのが基本
神社の作法として、必ず鳥居をくぐってから神社に入ります。
【 入る時の神社の作法 】
★ その際、真ん中から入るのではなく、右または左に寄ってから入るように心がけます。
・ 左寄りから入る人は左足から、右寄りから入る人は右足から神社に入るのが基本です。
神社に入る時から神様はあなたをしっかりと見ているはずです。この時から参拝は始まっているものと思って、身を引き締めて歩くようにしてください。
「いつも神様に見られている」という気持ちで鳥居をくぐり、参道を歩いて行くようにします。
手水舎の水でこころと体を清めよう
神社の作法で欠かせないのが手水舎の所作です。神様のそばに行く前に身を清める大切な場所が手水舎。「やり方がよくわからないから、飛ばして本殿に行っちゃおう~」というのは大きな間違い!なのです。
この手水舎では、神社の作法の意味合いとして、私達の目に見えない罪やけがれなどを清めてくれる役目を果たしています。きちんと清めた後に参拝をするようにしてください。
【 手水舎で清める、神社の作法 】
★ 柄杓には直接口をつけることはNGです。
・ 左手→右手→左手に水をためる→口をゆすぐ→柄杓を立てて残った水で柄を清める、という順番できちんと自分を清めます。
これ、長い列があったり急いでいると、ついつい簡単に済ませてしまいがちですが、神社の作法で重要なポイント。けっして省いてしまってはいけません。
参道は真ん中を開けて通るのがマナー
神社の作法で参道の真ん中は、「神様やそのエネルギーが通る場所」と言われています。
【 参道を歩く、神社の作法 】
★ 参拝する場合には、真ん中を避けて歩くようにして、真ん中はあけておきます。
・ また参道を歩く姿も神様はしっかりと見ている事を意識して、心を込めて歩き進めてください。
例えば、ダラダラとおしゃべりしながら参道を歩いたり、だらしなくしている姿が、神様の目にも届いてしまっているかもしれません!神社は観光地ではないのですから、せっかく手水舎で清めたならば、その清々しい気持ちのまま参道を歩き、本殿に向かう心が大切です。
賽銭は投げ込まずにそっと落として
【 お賽銭の、神社の作法 】
★ 神様の前までやってきたら、その前に置いてある賽銭箱に、「静かに」お金を入れるようにします。
・ ポーンと投げたり、遠くから投げ入れたりするのは、意外かもしれませんが、これはマナー違反です。
「初詣に行くといつも遠くから投げるようになっているのに?」と思う人も多いですよね。
絶対にやってはいけない禁止事項ではありませんが、「神様へのお賽銭を投げ入れる」ということは、自分に置き換えてみても気持ちがいいものではありません。
★ 賽銭箱の縁から、そっとお金を神様にお渡しするつもりで入れてください。
二礼二拍手一礼は、基本の拝礼の作法
お賽銭を賽銭箱にそっと入れたら、次は鈴を鳴らすのが正しい神社の作法です。
【 拝礼時の、神社の作法 】
★ 賽銭箱にお賽銭を入れたら、まず鈴を鳴らします。その後、二礼二拍手一礼の作法で参拝します。
・ その際も基本は「真ん中で参拝しないこと」が神社の作法です。神社の作法では、真ん中は参道と同じ、神様が通る場所と言われているのです。
ついついお願いごとをしっかり聞いてもらいたい気持ちが高まって、神様の真ん前を陣取って参拝したくなりますが、そんな図々しい姿を見て神様は願いを叶えてくれるものでしょうか。
★ 神社の作法は
① 真ん中を避ける。
② 謙虚な気持ちをもって行う。
と言うのが基本の神社の作法なので、これを意識しながら「神様の立場に立って」考えてみると、覚えやすいです。
お願いごとをするのではなく誓いを
実は、現代の日本人が根本的に間違えている、神社の作法があります。現代の神社は合格祈願や縁結びなど、「願い事を叶える」イメージがありますが、そもそもこれが神社の作法に則っていないのです。
【 神社の作法、参拝の基本 】
★ 二礼二拍手一礼の作法で参拝した後に神様に伝えるのは、「願い事」ではなく「感謝や誓い」です。
・ 私たちはついつい神社では「希望校に合格しますように」や「いい出会いがありますように」などと、神頼みをしてしまうものですが、本来は願い事ではなく、神様には感謝と誓いを伝えるものなのです。
神社の作法で大切なのは私欲の願いを伝えるよりも、今健康でいること、そういったことに対して「いつもありがとうございます」と感謝の気持ちをきちんと神様に伝えることなのです。
いかがでしたでしょうか。神社の作法で大切なことは、もちろん形式的なマナーもありますが、その奥に秘められた理由、つまり「神様への感謝と尊敬の気持ち」です。
ついつい、旅行のついでにパワースポットと呼ばれる神社に観光に行き、みんなとワイワイ参道を歩き、「いいことが沢山ありますように」なんていう参拝をしてしまいますよね。けれども、本来の神社の作法を知ると、これでは神様からのご加護があるとは言えなくなります。
神社の作法で大事なことは、もちろん願い事も言いたくなるのですが、清らかな気持ちで、神様に誓いや感謝を伝えに行くこと。それを見て、きっと神様も応援してくれます。
この記事をきっかけに、きちんと参拝する時間を持ち、清らかな気持ちで神社の作法に従って参拝し、神社での時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。あなたのそんな姿は、きっと神様も見ていてくれるはずです!
まとめ
神社で参拝する、正しい手順とマナー
・参拝の前には身支度を整える
・鳥居をくぐったらもう参拝の始まり
・手水舎は省かずきちんとお清めをする
・参道の中心は神様の通り道なので避ける
・賽銭を投げていれるのはNGマナー
・基本の二礼二拍手一礼は必ず覚えよう
・神様には自分の誓いを伝えるのが基本