無宗教と言われる現代でも、結婚式や葬儀では家の宗教にのっとって執り行われることが多いものです。
葬儀は仏式で行われることが多いのですが、少数ですが他の宗教の葬儀もあります。訃報は突然耳に入るものなので、慌てて向かった葬儀がそんな宗教の葬儀だったとしたら、知らないことが多すぎてビックリしてしまうかもしれません。
葬儀の席で、周りをキョロキョロしてどうしたらいいのか真似をしたり、何をしていいのかわからず困ってしまうと、おろおろしてしまって、お悔やみの気持ちに集中することが出来なくなってしまいますね。
そんなことになってしまっては、せっかく参列した大切な葬儀で恥ずかしい思いをすることになってしまうかもしれません。急な葬儀の時にも慌てずにすむように、キリスト教式の葬儀の献花のわかりやすい手順をお教えしましょう。
キリスト教葬儀の献花の仕方。
分かりやすい7つの手順
献花用の花の種類は決まっているもの
キリスト教式の葬儀で使われる献花用の花には、実は決められた種類のものが使われています。
献花用の花は、菊やカーネーションなどの茎の長い花をつかことが多く、色は白と決められています。献花をする順番も決められていて、献花は喪主から行われていきます。
喪主の献花が終わると、次は遺族が献花を行い、その次に親族が献花を行い、最後に参列者が献花を行っていきます。また、聖歌や賛美歌の斉唱には積極的に参加するようにしましょう。
信者以外は十字は切らなくても大丈夫
キリスト教式の葬儀の際にも、他の宗教と同じように、何回か礼をするタイミングがあります。
キリスト教というと胸で十字をきるイメージがありますが、これは信者の方がするもので、信者ではなければする必要はありません。献花の中で礼をするタイミングがあれば、黙祷をしたり、深く頭を下げれば問題ありません。
カトリックの場合は、胸の前で十字をきり、プロテスタントの場合は胸の前で両手を組んで祈ります。どちらも信者だけすれば大丈夫です。
キリスト教の忌み言葉に注意して
キリスト教式の葬儀には、日本の他の宗教とは違う忌み言葉があるので注意が必要です。
仏式の葬儀では、「ご冥福をお祈りいたします」という言葉を使いますがキリスト教では、「死」は悲しい不幸なことではなく、神に召されるという祝福されるべきことなので、この言葉はキリスト教式の葬儀にはふさわしい言葉ではないでしょう。
もしも献花をする際に遺族に言葉をかけるのであれば、「安らかな眠りをお祈り致します」と伝えるようにしましょう。
お香典という言葉は使わないので注意
キリスト教式では、日本の葬儀のように「お香典」という言葉も使いません。
キリスト教式では、お線香やお焼香もないので、お金を持って行く時の表書きは、「御花料」や「御霊前」という言葉を使うようにしましょう。どうしてもない場合は、仏式の不祝儀袋でもやむをえませんが、予めわかっていたり、時間があればキリスト教式の不祝儀袋を用意するようにしましょう。
大きなお店に行けば置いてあるので、置いてあるお店をチェックしておくのもひとつの方法です。
まずは係の人から献花用の花を受け取る
実際のキリスト教式の献花の手順は、自分の順番が来たら祭壇まで進み出て、まずはきちんと遺族に一礼しましょう。その後、係の人の指示にしたがって、係の人から献花用の花を受け取りましょう。
献花用の花は、両手で受け取るというのがポイントです。その際は、花が右、茎が左になるように受け取ります。受け取る時は、右手は手のひらが上、左手は手の甲が上になるように気をつけて受け取るようにしましょう。
間違ってしまっても慌てずに対応すれば大丈夫です。
献花用の花を献花台の上に置こう
係の人から受け取った献花用の花は、右手は手のひらが上、左手は手の甲が上になるように両手で持ったまま、献花台の前にゆっくりと進みましょう。
献花台の前まで進んだら、まずは祭壇に向かって一例をします。根本が祭壇の方に向くように花を両手で持ったまま回転させ、左手を右手の下に添えるように花を持ち替えます。そのまま、献花台の上に献花用の花をそっと置くようにしましょう。
キビキビとするのではなく、お悔やみの気持ちを込めて献花しましょう。
手を合わせて黙祷をささげよう
献花用の花を献花台の上にそっとのせた後には、手を合わせて黙祷するか、深く一礼するようにしましょう。その後、後ろに2、3歩ゆっくりと下り、遺族の方に体ごと向けて、また一礼します。
そして自分の席、または係に誘導された席に戻って座り、これで献花は終了となります。列席者が多い時などは、全員での献花を省略して、代表者のみが献花をする場合があります。
その際には、列席者は代表者に合わせて揃って黙祷を捧げるようにします。
いかがでしょうか。キリスト教式の献花の手順は仏式の焼香と大きくは変わらないものでしたよね。
大切なのは、キリスト教式の形を真似することにこだわることではありません。キリスト教式であっても仏式であっても、故人のことを思い祈るという行為には代わりはないのです。
あまり馴染みのないキリスト教式だからといって、その外見だけの動作を真似することだけにこだわるよりは、故人のために心を込めて祈りを捧げることに気持ちを注ぐべきでしょう。
どんな宗教の葬儀であっても、きちんと自分のお悔やみの気持ちを伝えて祈りたいものですね。
まとめ
キリスト教葬儀の献花の仕方。分かりやすい7つの手順
・献花用の花の種類は決まっているもの
・信者以外は十字は切らなくても大丈夫
・キリスト教の忌み言葉に注意して
・お香典という言葉は使わないので注意
・まずは係の人から献花用の花を受け取る
・献花用の花を献花台の上に置こう
・手を合わせて黙祷をささげよう