日本人として知っておくべき神社へのお参りの作法とは

日本人として知っておくべき神社へのお参りの作法とは
お参りに行く時、綺麗な作法の人を見ると、一際目を引きますよね。皆さんは自分のお願いをする事だけに必死で、神様や神社への敬意を忘れていないでしょうか。目上の方と接する時にマナー・立ち居振る舞いを気にする人は多いですが、神様が祀られているにも関わらず、つい「人目が無いから」「指摘される事が無いから」と不作法な事をしていませんか。

最近はパワースポットブームが到来して、神聖な場所に行くハードルが低くなったせいか、その場のルールを守れない人も多く見受けられる様になってしまいました。ですが、まずは神様や神社に敬意を払った立ち居振る舞いや作法を心掛けてお参りをしなければ、その場に居る人も神様もあなたを無礼だという印象を持ちかねません。

基本的にはお参りは一年に一回の人も多いですので、非日常的な空間で行う作法は、それだけで知性や教養を感じさせるきっかけにもなります。そこで、今日は神社でのお参りの作法について解説します。是非ご活用下さい。

鳥居や参道のマナーについて

神社の鳥居をくぐる時に軽く一礼してから入ります。鳥居は結界の役割があるとも言われています。敬意を示す為にも礼をして入りましょう。

また、神社の参道は、出来るだけ中央を避けて左右の隅を歩く様にします。参道の中央は「正中」という神様が通り抜ける道といわれています。

ですが特にお正月のお参りの時期は、参拝客で混雑するので、中央を通らなければならない時もありますよね。そういう時は中央を通る際に軽い礼をしながら通るか、中央まで来た時に一度神前の方に向きあって深いお辞儀をしてから横切るといいでしょう。

この様に基本的なマナーを押さえつつも、それが出来ない時にどの様な作法を行えば失礼にならないか知る事で、自分の行動の幅を広げる事ができます。

 

手水を行う際の作法

神社等でのお参りで手水を行う前後に軽い礼をするととても丁寧な作法となります。その他、事前にハンカチ等を用意しておくと、鞄などを汚さずスマートですよ。

○右手で柄杓を持ち、水を汲んで左手にかけ清める。

○左手に柄杓を持ち替え右手に水を掛ける

○柄杓を右手に持ち替え左掌に水をため、口をすすぐ。
柄杓に直接口を付けるのは他の方の迷惑になるので止めましょう。
・口を漱ぐ際、口元に左手を添えながら行うと品が良く美しいです。

○口元を触れた左手に水を掛け、柄杓に水を救った後両手で柄杓を持ちながら立てる様にして柄の部分に水を流し、触れた柄を清めた後柄杓を元の位置に伏せて戻します。

自分の触れた所を清める、次の人のご迷惑にならない様に汚さない様に行う事を意識して下さいね。

 

参拝の基本方法

最も一般的な神前でのお参りの参拝作法です。帽子や手袋の防寒具は取って行いましょうね。

○神前に着いたら、踵を付けた状態で軽く礼をする。
二礼二拍手一礼が一般的ですが、この前後に軽い礼を行う事で、とても丁寧な作法になります。

○お賽銭を入れる。
お賽銭は出来るだけ丁寧なアンダースロー等で入れると良いですよ。中には投げつける人もいますが、お賽銭はお供え物なので出来るだけ丁重に入れて下さいね。

○鐘や鈴を鳴らす。
鈴などがあれば出来る限り鳴らして下さい。

○90度近く身体を折り、手は膝下位まで来る位の深いお辞儀を2回行います。

○両手を胸の高さで合わせ、左手を一関節程少し手前に引き、肩幅程度に両手を開いて二回拍手をする。

○左右の手を同じ位置に合わせて祈る。

○両手を下ろし、深い礼を一度する。

○最後に軽く一礼をする。

 

服装のマナーについて

正式参拝など、社殿の中に入って参拝を受ける場合は特に男性はスーツを着用します。女性もそれに準ずる華美じゃない服装にします。

現在は少なくなりましたが和服の正装でも問題ありません。過度な露出、ラフ過ぎる服装や華美で場にそぐわない服装の場合は、神社によっては参拝を御断りされるケースもありますので注意して下さい。

そのため、儀礼を受けるには極力しっかりとした身だしなみにするのが正しいお参りの作法です。社殿の中に入らない場合は、常識の範囲内の服装であればお断りされる事はないですが、神社の景観を乱す様な服装は控えて敬意を払う気持ちを伝える姿で参拝する事が望ましいです。

 

正式参拝等に関わるお金の包み方

正式参拝等で持参するお金は初穂料と言い、現在は金額を定められている所も多く、予め祝儀袋に入れて持参します。祝儀袋は正式参拝の際は蝶結びののし付きを選びます。蝶結びは、すぐ解いて結べる事から何度でも行いたい行事に用います。

表書きは「初穂料」「玉串料」「御礼」等が一般的に使われます。他にも御礼を渡す時「薄謝」「寸志」という言葉がありますが、「薄謝」は金額があまり入っていないという意味合いや、寸志は目下の人に対して使う意味合いの言葉なので避けましょう。中に包むお札は出来るだけ綺麗なお金を包む事が望ましいので、事前に準備しておきます。

 

玉串拝礼の場合

神前で正式な拝礼や祈祷、お参りの儀式を受ける際には玉串拝礼を行い、以下の作法が必要となります。

○神職から玉串という榊を渡されたら、会釈をして受け取る。

この時、玉串の根元を右手で上から支え、左手は玉串の先端を下から支え受け取る。この時腕を張ったまま、胸前の高い位置をキープする。

○玉串を捧げる机まで進んだ後、軽い礼を行う。

○玉串を時計周りで右方向に90度回し、玉串の根元が自分の方へ穂先は神前を向くようにする。

○左手は根元の部分を持って、祈る。

○右手を玉串の中央まで移動させ、更に時計回りに回します。

○玉串の根元は神前へ、穂先は自分の方へ向けた状態にした後、案という机の上に置きます。

その際両手で下から支えながら丁寧に置きます。

○深い二礼をした後、右手を少し手前側にずらして二拍手し、手をそろえた後祈る。

終わったら深い一礼をし、更に軽い会釈をします。

 

初詣の場合の参拝

初詣のお参りに限った話ですが、1月7日の松の日までに行くのが一般的な作法です。昔は15日までが松の日とされていました。

また、元旦の朝に祝い膳を家族で食べてから初詣に行くのが一般的です。昔は恵方という、各年の吉方角の神社やお寺に行くのがしきたりでした。ですが現在は各家庭のいつもお世話になっている神社や有名な神社にお参りに行く事が多いですよね。

もし、前の年に頂いたお札や破魔矢等があったらこの時に神社へ返納します。基本的には貰った神社に返納するのが一番なのですが、中々行けない遠方の場合はこの限りではありません。遠方から神社から頂いた札等は、年始のお参りの時に近くの神社へ返してお炊き上げして貰って大丈夫です。ですが、お寺から頂いた札等を神社へ持って行きお炊き上げして貰うのは、間違った作法です。

以上、神社でのお参りの作法についてお伝えしました。正しい方法を堂々と行えると、あなたの品や知性をアピール出来る絶好のチャンスになりますよね。

一つ一つの動作は、手先を揃えて丁寧に行い、礼を行う時は猫背にならない様に行ってみて下さい。凛とした印象を一気に引き立てる事が出来ますよ。

ご紹介させて頂いた形が最もオーソドックスなお参りの作法です。しかし一部出雲大社など一部の神社では、お参りの作法が「一拝・祈念・二拝・四拍手・一拝」と独自の方法がある所もあります。もし分からない部分があった場合は、直接神主さんに聞いて解決するのも良いでしょう。

さて、神社のお参りの作法、最初は慣れないかもしれませんが、意識して行う事で誰でもスムーズに出来る様になりますので、是非ご活用下さい。

神社のお参りの作法は

・参道は隅を通る
・手水で身と心を清めてからお参りする。
・二礼二拍手一礼の前後に軽い会釈。
・正式拝礼はスーツや正装、和服も可
・玉串礼拝は時計回りで行い、二礼二拍手一礼。
・正式参拝の謝礼の表書きは「初穂料」


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