直葬と火葬式の違いと流れ。納骨まで7つの手順と注意点

直葬は多くの葬儀スタイルの中でも、最もシンプルな形式です。宗教的な儀式一切必要としないため、お経などもなく淡々と進められます。もともと宗教にこだわりがない、とされてきた日本人ですが、特に最近では宗教的な儀式のない葬儀スタイルとして、選ばれることも少なくありません。

ただし、確かに葬儀スタイルが多様化してきた日本ですが、直葬はまだまだ理解が少ないのも現実です。そのためあまり知識を得ないまま、直葬を選んで「こんなはずではなかった!」と後悔するご遺族もいます。さらには菩提寺他の親族への理解も不可欠です。

今回は意外と知らない直葬の真実と、次に最もシンプルな葬儀と言われる火葬式との違いを解説します。大切な故人を弔う儀式ですから、本記事を参考に、最も納得の行くスタイルを選択して下さい。

 

直葬と火葬式の違いと流れ。
納骨まで7つの手順と注意点

 

直葬と火葬式の違い:火葬式とは

葬儀に関わるサイトを見ていると、直葬の他に「火葬式」という葬儀のスタイルが紹介されていることがあります。「同じものではないの?」と思われるかもしれませんが、実は少し内容が違います。

【 火葬式とは 】

○ 火葬式には「ワンクッション」があります。

・ 故人の意思や家族の希望などで一度自宅に遺体を搬送し、親族や親しい人のみでお別れをしてから火葬場に行くなどの「ワンクッション」が入ったり、火葬炉の前で僧侶にお経をあげてもらうなどの宗教的儀式が入る場合を指します。

 

直葬の流れ:ご臨終を迎えた時

「直葬の流れ」について少し詳しくご説明します。

【 臨終を迎える 】

・ 葬儀社に亡くなった場所を伝えて迎えに来てもらいます。亡くなった場所が病院の場合「死亡診断書」を発行してもらいます。

なお、病院から葬儀社を紹介されることもありますが、事前に葬儀社を検討している場合は断ります自宅で亡くなった場合、故人にかかりつけ医がいる場合は自宅に来てもらいます。いない場合は救急車を呼び、病院に一度搬送してもらうのが一般的です。

 

直葬の流れ:誰にも見取られなかった場合

もしも故人が誰にも看取られることなく発見された場合には、警察に連絡して検死・検視を行ってもらわなけらばなりません。

【 直葬の流れ:検視・検死 】

■ 直葬前に検死・検視が必要な場合には、遺体を移動しないようにし、念のため医療機関にも連絡を入れておきます。

・ 警察に「死体検案書」を発行してもらって、初めて直葬の準備を進める事が出来ます。

 

直葬の場合の搬送について

【 搬送についての注意点 】

■ 死亡診断書(または死体検案書)に記載されている死亡時刻から、24時間経過しないと火葬することができません。

・ 従って遺体を安置できる場所が必要ですので、然るべき場所へ搬送してもらいます。

安置場所は葬儀社や、場合によってはそのまま自宅という可能性もあります。この間に葬儀社との打ち合わせや、役所への手続きを行います。また火葬場の空き状況を確認し、火葬の日時を決定します。

 

直葬の際の納棺・出棺

【 直葬の際の納棺・出棺 】

■ 棺に納め、花などを一緒に納めてお別れとなります。

・ 故人の好きだったものも納めることが可能ですが、中には「納めてはいけないもの」もあるため、葬儀社に確認して下さい。

その後火葬場に向けて出棺となります。

 

直葬での火葬

宗教的儀式で故人を弔う事が常識でもある日本では、非常に違和感がありますが、直葬であるため僧侶もお経もありません。ここで少しでもお経を唱えて欲しい、と考えるならば、火葬なりの手続きが必要です。

【 直葬での火葬では 】

■ 荼毘に付されている間は、控室で待機ということになります。

 

直葬でのお骨上げ

直葬では多くの人々が故人を偲ぶケースはほとんどありません。ごくごく身内、時には1人2人と言う少ない人数での弔いとなります。そのため良く見られる、両脇に2列並んで、箸と箸で上げる儀式も、「出来ない」事も多いです。

【 直葬でのお骨上げ 】

■ お骨を骨壺に納めて、自宅に持ち帰り終了となります(納骨は後日)。

後日行う納骨ですが、直葬スタイルを選択したために、菩提寺から納骨を拒否される可能性もあります。霊園などこだわらない場所もありますが、菩提寺があるのなら、事前に確認などの配慮は不可欠です。

 

いかがでしたでしょうか。最近では基本的なお葬式に限らず、ごく身内で行う家族葬密葬、キリスト教式など、多様な葬儀スタイルを見受けるようになりました。けれどもそのなかでも直葬は特別で、ひと昔前までは「致し方ない」選択でした。

例えば孤立無縁のご老人で、親族がどこにいるのか分からない。何らかの事情で密かに、お葬式を執り行わなければならない。など…。そのため葬儀スタイルが多様化した現代でも、なかなか一般家庭が選ぶスタイルとしては、不都合が多くあります。

もしも「お墓ではなく、海に散骨したい。」などの希望により「直葬」を選ぶのなら、また違う葬儀スタイルがあるはずです。葬儀社にご遺族の希望を伝えて、より適した葬儀スタイルを選ぶのも一つの方法と考えて下さい。

 

まとめ

直葬の真実。選ぶ時に知っておきたい7つの流れ

・火葬式は直葬と違い、遺族が故人を弔う「ワンクッション」がある
・病院ならばその場で診断書を。外ならば救急車で病院へ運ぶ
・看取られなかった場合には、警察の検視・検死が必要
・24時間経たないと火葬出来ないため、その間の安置場所が必要
・好きだったものと共に棺に納め、花などを一緒に納めてお別れを
・荼毘に付されている間は控室で待機。宗教的な儀式はありません
・お骨を骨壺に納め後日納骨ながら、菩提寺があれば事前に確認を


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