お通夜のマナーを十分知らなかったり、間違えてしまったりして周囲から見られて恥ずかしい思いをするのはもちろん嫌ですよね。また、それ以上に正しいマナーを守れずに、ご遺族に対して失礼に当たることも避けなければいけません。
お通夜のマナーを守らなくてはいけない理由は、お通夜は故人を供養し、最後のお別れをする大切な場だからです。
例えば、会社の上司の家族など、直接自分が面識がない人のお通夜に行くことになった場合、仕事上の付き合いなので、「しょうがないな…。」と低いモチベーションで行くこともありますが、故人の遺族や近しい人にとっては大切な場だということを自覚しなくてはいけません。
そこで、今回はお通夜でマナー違反をしないために、間違えやすいタブーとその正しいふるまいを6つ解説します。
お通夜マナー、しっかり押さえて!
間違えやすいタブーとは
夏季の女性の喪服
お通夜のマナーで最も気になるのが喪服です。服装は目に見えるところですから、特にマナーに注意しなくてはいけません。喪服のマナーで間違いやすいのが夏季の暑い時期の喪服選びです。
【 お通夜マナー、女性の夏の喪服 】
■ 正式な女性の喪服を購入すると、半袖のワンピースであってもボレロなどの上着がセットでついてきます。
・ しかし、「暑い時は上着は着なくてもいいや。」と、半袖でお通夜に行くのはNGです。
お通夜マナーでは肌の露出は極力控えなくてはいけません。ボレロやジャケットなどの上着を着て出席してください。
動物の革製品
お通夜のマナーで意外と知られていないタブーが、動物の革を使ったものを身に付けてはいけないということです。
【 お通夜マナー、ハンドバックなどの小物 】
■ お通夜に持っていくハンドバッグや靴は、黒のものを選びますよね。
・ そのため、一般的によく販売されている、黒の牛革の小物を購入してしまうのです。
しかし、お通夜マナーでは、不殺生の考えといって、生き物を殺して得た革を持参するのはタブーとされています。基本的には布製のものにしなくてはいけないのです。
合成皮革であっても、見た目は革と見分けがつきませんから、避けるべきです。
金具や飾りの色
突然の訃報に、「お通夜に着ていく喪服や小物が、すべて揃っていない。」というケースでは、「なるべくお通夜のマナーに近いもので代替えすれば、済ませられる…。」と考える人もいるかもしれません。
ここで間違えやすいのがゴールドの金具づかいのモノです。
【 お通夜マナー、金具や飾り 】
■ お通夜マナーでは、バッグや靴に金具が入る場合には、シルバーか黒のモノでなくてはいけません。
ゴールドはタブーですから、ほとんど黒の小物でも、少しでもゴールドの色のパーツが入っていたら持っていくべきではないのです。
御霊前に入れるお札
結婚式のご祝儀袋には新札を入れるのがマナーですよね。このマナーが有名過ぎて、お通夜で包むご霊前も新札でなくてはいけないと勘違いしている人がいますが、これはお通夜のマナーとしては誤りです。
【 お通夜マナー、お札 】
■ 仏事で包むご霊前のお金に、新札を使うのは絶対にいけません。
・ 必ず新札意外のお札を使わなくてはいけません。
もし新札しか手元にない場合には、あえて折り目を付けるなどして、ご霊前の袋に入れるのが正しいマナーです。
香典袋の表書き
日本人はお通夜に行くことになっても、宗教のことを考える人は少ないものです。無宗教という自覚の人が多いため、お通夜の形式やマナーは統一された1つのものと考えている人が多いのです。
しかし、仏教やキリスト教、イスラム教と、宗教が異なればお通夜のマナーも異なります。細かな作法を完璧に知っておくことは難しいですが、相手に渡す香典袋は間違いのないようにするのが最低限のお通夜のマナーです。
【 お通夜マナー、香典の表書き 】
■ 香典袋の表書きは宗教によって異なりますが、相手の宗教がわからない場合には「御霊前」と表書きが書かれているものを選べば問題ありません。
通夜振る舞い
お通夜のマナーで勘違いしている人が多いのが、通夜振る舞いに関してです。葬儀場ではお通夜の会場に併設されて、参列者が飲食ができる通夜振る舞いの会場が用意されています。
通夜振る舞いでは、ビールやお寿司、オードブルなどが用意されています。日本人は飲食をご馳走になるのを遠慮すべきだという考えの人が多いため、通夜振る舞いでの飲食をしない方がいいのだと思われがち。けれどもこれは、間違えです。
【 お通夜マナー、通夜振る舞い 】
■ 通夜振る舞いでの飲食は、故人の供養になりますから、一口でもいいのでご馳走になるべきなのです。
いかがでしたでしょうか。お通夜のマナーには、知っているようで知らないタブーがあります。
お通夜のマナーはだいたい知っていると思っている人ほど、気づかぬうちにタブーをおかしてしまっている可能性は高いですが、周囲の人はわざわざ指摘してくれることはありません。そのため、お通夜のマナーは自分で十分に勉強しておく必要があるのです。
喪服や黒いものを身に付けるなど、だいたいのお通夜のマナーを知っていると、それを自分なりに解釈して「これなら大丈夫」とか「このくらいなら大丈夫」と判断してしまいがちですが、それがタブーになっていることも多くあります。
お通夜は、どのような宗教においても故人との最後のお別れの場ということに変わりはありません。今回解説したお通夜のマナーの間違えやすいタブーで、自分が過去にしてしまっていることがあれば、直ちに修正し、故人への礼儀を尽くしてください。
まとめ
間違いやすいお通夜マナーとは
・女性の喪服は夏でも露出を控えてジャケット着用
・本革などの動物の革を使ったものを身に付けない
・男女ともにゴールドの金具があるものを持参するのはNG
・御霊前には新札のお札をそのまま入れてはいけない
・相手の宗教に合わせた表書きの香典袋を準備する
・通夜振る舞いは遠慮することが失礼にあたる