通夜というのは前もって招待されるものではありません。人の不幸はある日突然のように訪れます。
その知らせを聞くのは、近しい親戚の場合には喪主からの直接の連絡であることが多いですが、会社の同僚であれば上司や社内報から、友人知人であれば人づてに耳に入ることもしばしばあります。
通夜に行くために香典袋を日頃から準備しておくというのは、不幸を呼び寄せると言われているのであまりしないほうがいいのですが、通夜に行くことになった時にいくら香典を包めばいいのかは常識として知っておく必要があります。
そこで、いつ何時、通夜に出席することになっても焦らないように、香典の包み方や金額の目安について、外せないポイントを7つ解説します。
通夜の香典の包み方と渡し方。
気になる金額目安とは
通夜参列時の、お香典の表書き
香典袋と呼ぶのが一般的なので、通夜に行くことになって香典袋を購入する際も深く考えずに表書きが記入された袋を選んでしまうという人は多いのではないでしょうか。
■ しかし、いわゆる香典袋の表書きは宗教によって異なるので注意が必要です。
【 宗教・宗派によって違う不祝儀袋(香典袋) 】
・ 仏教は「御霊前」「御香典」
・ キリスト教は「御霊前」「御花料」
・ 神式は「御霊前」「御玉串料」
このように、先方の宗教・宗派によって、用意する不祝儀袋(香典袋)の種類が変わります。自分の宗教や宗派と違う場合でも、相手の宗教・宗派に合わせることが礼儀であり、故人への敬意を表す行為のひとつとなります。
■ もし故人の宗教がわからない場合は、「御霊前」という表書きを選ぶと間違いありません。
表書きと中袋の必須記入事項
通夜に行く前夜に慌ただしく準備することが多い香典ですが、表書きと中袋に自筆で記入する事項には間違えてはいけないポイントがいくつかあります。
■ まず、使う筆ですが、黒墨よりも薄い薄墨を使います。
【 通夜参列時の表書きのマナー 】
・ 表書きの下部には自分の氏名を書きます。
・ 中袋の表側には旧式の数字を使って「金○○円」と金額を記入します。
・ 裏面には自分の氏名、住所を記入します。
喪主が香典返しをする際にとても重要な情報となるため、書き漏らしがないよう気をつけます。
香典の入れ方と上包みのとじ方
香典袋にお金を入れる時は、新札を避け、お札が複数枚ある場合には向きを揃えるのがマナーです。お札の裏側が見えるような向きで入れるという説もありますがこれは諸説あるため、絶対ではありません。
【 不祝儀袋(香典袋)のとじ方 】
・ 上包みがある香典袋を通夜に持っていく時は、上包みの裏面のとじの部分は下側のとじを最初に折り、覆いかぶせるように上側のとじを折ります。
こうすることでお悔やみごとに対して深々とお辞儀をしている事になるのです。
香典の相場~会社編~
会社の同僚や、上司のお通夜に行く際の香典にはだいたいの相場があります。
【 会社関係の香典の相場 】
・ 20代であれば5,000円
・ 30代は5,000円~10,000円
・ 40代は最低1万円以上
が基本的な相場と想定して決めます。
もちろん、特別に仲の良かった同僚やお世話になった上司であれば、相場よりも高く包むこともあります。一緒に参列する人がいる場合には、金額を申し合わせておく場合も多いです。
香典の相場~親戚編~
祖父母やおじ、おばの通夜に持参する香典の相場は、会社からのお通夜参列時の相場とは変わってきます。
【 祖父母やおじ、おばの場合の香典相場 】
・ 20代であれば10,000円
・ 30代なら10,000円~30,000万円
・ 40代なら30,000円~50,000円
が一般的です。
未成年であれば、自分の両親と一緒に参列するでしょうから、単独で香典を用意する必要はありませんが、社会人になっていれば、最低10,000万円は自分の名義で包みます。
香典の相場~家族編~
自分の両親や兄弟が亡くなった時でも、自分が喪主でない限り、通夜には招かれて参列するのですから香典を包みます。両親や兄弟の場合の香典の相場は最も高くなります。
【 家族の場合の香典相場 】
・ 20代であれば30,000円から100,000円
・ 30代なら50,000円~100,000円
・ 40代なら100,000円
が一般的です。
家族や親戚の中でも相場もあるでしょうから、親がなくなった時は他の兄弟と相談したりして香典を包むようにします。
香典の相場~友人編~
友人や知人の通夜に参列する時は香典の相場に悩むものです。友人や知人といってもその親しさや何年前まで交流があったのかなどによって香典の金額は変わってくるためです。
しかしながら、友人知人であれば香典はどの年代でも、だいたいの相場が決まっています。
【 友人のお通夜へ参列時の香典相場 】
・ 5,000円から10,000円が相場です。
大切なのは、故人にお悔やみの気持ちを捧げることですから、あまり金額にとらわれずに自分で判断をします。
お通夜へ参列する時に気になる香典に関するマナーと、それぞれの立場によって違う金額相場は、いかがでしたでしょうか。
通夜に参列する時にポイントとなるのは、服装と香典の2つといっても過言ではありません。通夜は、故人を亡くしたご家族の方が喪主をつとめられ、ご家族、ご親族はじめ、生前親しかった方々などがお別れをしにくる大切な場所です。
そのため、通夜でのマナーを破ってしまうことは、知らなかったでは済まされない事です。大切なのは気持ちであるとはいいますが、通夜でのマナーができていないと周囲が不快になってしまう可能性がありますから、大人の基礎知識として香典や服装のルールは知っておくと安心です。
今回は香典に関する最低限のマナーと、その相場について解説しました。どれも外すことができないポイントですが、逆にこれだけ認識して守れていれば、通夜では失礼になりませんから一通り覚えて、故人を偲んでください。
まとめ
知っておくべき!通夜の香典に関するマナーと相場とは
・お香典の表書きは宗教によって違う。分からない場合は「御霊前」
・香典袋の表書きは薄墨で。表下段には名前を中袋には金額と住所
・香典の入れ方と上包みのとじ方は、下側を先に折り、次に上側
・会社関係者の香典の相場は30代までは~10,000円、以降は10,000円~
・祖父母やおじ、おばへの香典の相場は10,000円~50,000円
・親や兄弟への香典の相場は、年代で変化し30,000円~100,000円
・友人や知人への香典の相場は、5,000円~10,000円