喪服女性の基礎知識。社会人なら揃えたい7つの礼儀

喪服は社会人になったら、早い段階で揃えておきたいもののひとつです。社会人にもなると、参列する事が多くなるのが法事法要。職場から参列する機会も多くなり、しっかりとしたマナーに則った喪服スタイルが不可欠になります。

さらにこの法事法要、社会人としてのマナーが試される場でもあります。とは言っても、初めてお葬式に参列する方や初めて法要に参加する方は、「何を揃えたら良いのか分からない。」と言う声が多いのです。

そこで今回は、喪服と共に揃えたい、法事法要の必須アイテムを7つ解説します。社会人になって、喪服を購入しようと考えていた方必見です。

どんな物を選べば礼儀に適っているか、またどんな物を選べば長く愛用できるか、1つ1つポイントを絞ってお伝えします。

 

喪服女性の基礎知識。
社会人なら揃えたい7つの礼儀

 

喪服を準備しよう

まずは、喪服の基本となる礼服を揃えます。喪服には3つのタイプがあります。正礼服・準礼服・略礼服の3つです。

【 喪服の3つのタイプについて 】

■ 正礼服

・故人のご遺族や親族者が着用する喪服で、一番格式が高い礼服になります。

■ 準礼服

・ 故人の親族者はもちろん、参列者が着用する最も一般的な喪服です。

■ 略礼服

・ 黒色に限らず、紺やダークグレーと言った黒に近い色合いの洋服(スーツやアンサンブルなど)もOKとされています。この略礼服は、お通夜(急な弔問の場合)三回忌以降の法要の際などに着用する礼服です。

どのタイプの喪服を購入しようか迷う場合は、2つ目の準礼服から準備しておくことをおすすめします。親族の立場であっても、また一般会葬者の立場でも着用出来る喪服です。

この準礼服を一着目として購入する場合は、オールシーズン対応の礼服をお勧めします。但し、着用しようと思ったら、シワが…!なんて事にならないよう、出来る限りシワになりにくい素材の物を選んで下さい。

 

葬儀用のバッグを選んでみよう

次に揃えておきたいのがバッグです。

【 喪服で揃えるバッグのマナー 】

■ 一番正式なマナーは、布製の黒ハンドバッグです。

ハンドバッグが正式なマナーとされる理由は、法事法要の際は「必要最低限の物で十分」、そして「ご焼香の際に肩から掛けても邪魔にならない」と言うポイントにあります。

また布製が正式とされる理由は、「殺生を連想させない、また光沢のない繊維が喪に適している」とされる為です。一つ目のバッグとして購入する際は、派手な装飾がされておらず、金具が目立たない布製の黒ハンドバッグを選んでください。

法事以外でも使いたい、また買い替えを検討中の場合は、革製の黒ハンドバッグでも構いません。但し、革の柄が出ていない物、そして華美な装飾がされてない物を選んで下さい。

■ 基本、ハンドバッグ以外の形のバッグをメインに使うのはNGです。

持ち物が多い場合は、サブバッグを持って行く方法があります。外から見て、金具が目立たないか、喪服の色とマッチするか想像しながら選んで下さい。

 

マナーに沿った靴を購入しよう

次に揃えておきたいのがです。靴もバッグ同様、布製の黒パンプスが好ましいです。ただし、そもそもの取り扱いが少ない靴でもあります。ですから、この場合は、革製の黒パンプスを選んでも大丈夫です。

【 喪服と揃える靴のポイント 】

■ 革製の黒パンプスを選んだ場合

・ 光沢のない皮が使用されたもの。
・ シンプルなデザインのプレーンパンプス。
・ 太めのヒールで、高さ5cmまでの物

を意識して選んで下さい。

細く高いヒールは、「コツコツと言う音が響く、そして安定感がない」と言う理由からNGマナーとされています。

また布製ではなく、革製のパンプスをお勧めする理由は、耐久性の点からです。お通夜や葬儀は晴れの日ばかりではありません。雨の日の法要もあります。折角マナーに沿った布製の靴を履いていても、汚れがついてしまっては元も子もありません。

その点、革製ならばその場で拭き取る事も可能ですし、あとから手入れする事も出来ます。この理由から、革製の靴をお勧めしています。

もちろん、布製の黒パンプスが一番正式なマナーである事に変わりありません。布製の靴を選ぶ際は、防水スプレーを一緒に購入しておく人が多いです。そして、使用後のお手入れはしっかりと行って下さい。

 

黒と肌色のストッキング準備しておこう

必ずと言っていい程、買いに走るアイテムが「ストッキング」です。社会人でなくとも周知のマナーでしょうが、黒のシンプルなストッキングを履きます。柄物の黒ストッキング、タイツやレギンスは、寒い時期であってもNGです。

【 喪服に不可欠な、黒ストッキング 】

■ この黒ストッキングは、数点買っておくことをお勧めします。

予備として礼服用のバッグに入れておくのも良いでしょうし、その時に備え、必要な物をひとまとめにして仕舞っておくのもお勧めです。

黒のストッキング以外にも、肌色のストッキングを備えている方もいらっしゃいます。

【 お通夜で役立つ、肌色ストッキング 】

■ この肌色のストッキングは、お通夜と言った急な弔問の場合に履きます。

“準備していなかった弔問”と言う事を伝える為に、敢えて肌色ストッキングを着用しています。

但し、この肌色のストッキングを着用する場合は、略礼服での弔問に限って下さい。準礼服以上の喪服+肌色のストッキングでは、マナー違反な印象に映りますから注意しておきます。

略礼服の場合は、肌色のストッキングでも構いませんが、準礼服以上の喪服を着用する葬儀告別式や法事の際は、必ず黒のストッキングで参列します。

 

弔事用のハンカチを購入しておこう

意外と見落としがちなのが、このハンカチです。派手な色柄物のハンカチしか持っておらず、焦る事もあります。

【 喪服とともに揃える、ハンカチ 】

■ 弔事用のハンカチは、「白無地のハンカチ」が正式です。出来る限りシンプルな物を選んでおきます。

どうしても買いに行けない場合は、黒や灰色、薄い水色や薄ピンクのハンカチでも大丈夫です。但し、単色の物を選びます。装飾(レースや刺繍など)も地布と同じ色が使われているハンカチを選んで下さい。

最近では、コンビニや100円ショップでも白無地のハンカチが購入出来ますし、デパートや百貨店などでも販売されています。高い買い物ではありませんから、慶弔用に1つ持っておくと重宝します。

女性として、ハンカチは身だしなみの1つです。そして弔事用に白無地のハンカチを準備しておくのも、社会人としてのマナーです。いざと言う時に慌てないよう、長く使える物を選んで下さい。

ハンカチに、それほど厳しいマナーがある訳ではありませんが、周りの方のハンカチを見たら、出しにくくなった…なんて事にならないよう、ハンカチにも気を配っておくと安心です。

 

数珠は選び方に注意しよう

この数珠は、社会人になったら揃えておきたいアイテムの1つです。

【 喪服とともに揃える、数珠 】

■ 法事法要は、宗教や宗派によって様々なマナーがあります。

数珠も同様、宗派によって選ぶ数珠が異なるのです。そして、宗派ごとの数珠を「本式数珠」宗派を問わない数珠は「略式数珠」と呼びます。

社会人向けとして、また初めて購入する方には、「略式数珠」がお勧めです。宗派を問わない数珠ですから、どんな法要であっても使用出来ます。それほど高額な数珠でなくても構いません。

ご自身が好きな色と珠を選んで購入して下さいね。例え、明るめの色を選んだとしても、失礼にはあたりません。数珠は、個人が持つことの出来る唯一の仏教法具です。あなたの意思が尊重される法具ですから、気に入った数珠を選び持ち歩いてください。

また本式数珠は、数珠に込められた想いが宗派によって異なりますから、宗派に詳しくなってから購入して下さい。もしくは、嫁いだ先の宗派に合わせて購入すると良いです。

 

気持ちを表す袱紗を持っておこう

この袱紗も社会人になったら、持っておきたいアイテムです。袱紗には3つの種類があります。1つ目が金封袱紗、2つ目が小風呂敷袱紗、3つ目が台付き(爪付き)袱紗です。

【 喪服とともに揃える、袱紗(ふくさ) 】

■ 手軽で人気になっているのが金封袱紗で、左開きの物が弔事用です。

「紺や深緑、緑やうぐいす、グレー」などの色が弔事に相応しい色で、「紫」慶弔どちらにも使える唯一の色です。

これから袱紗の購入をお考えの方には、金封袱紗の紫色をお勧めします。慶弔両用、リバーシブルタイプの金封袱紗も販売されていますから、ご自身のお好みや用途に合わせて選んで下さい。

■ 小風呂敷袱紗や台付き袱紗もお勧めです。

ただし、包み方を覚える必要があります。色に注意しながら選びます。

袱紗は持参した袋を汚さない為、また水引をくずさない為のものです。不祝儀袋を裸のまま持ち歩き、折り目が付いたり、汚したりしてしまっては失礼に当たります。

袱紗に包んでお渡しする事で、あなた自身の礼節、そして故人とご遺族への気持ちを表して下さい。渡す時は袱紗を座布団のように、不祝儀袋の下に敷き、両手で渡してください。

 

社会人になったら揃えておきたい、お葬式で守りたい7つの小物マナーは、いかがでしたでしょうか。喪服と一緒に揃えておきたいアイテムが、一目瞭然になったのではないでしょうか。

アクセサリーが抜けている!と思った方もいらっしゃるでしょう。しかし、弔事の席では、アクセサリーは原則何も着けないのがマナーです。どうしても揃えておきたいと言うのであれば、一連のパールネックレス(白)をお勧めします。イヤリングやピアスは必要ありません。

お通夜や葬儀と言った法事法要は、自分を着飾る場ではありませんから、アクセサリーや濃いメイクは不要なのです。

そのため、今回お伝えした7つのアイテムさえ持っていれば、どんな法事法要の場にでも慌てる事なく、また恥ずかしいと感じる事なく参列出来ます。今回の記事を参考にして、礼儀に沿った身だしなみで、故人との最後のお別れをされて下さい。

 

まとめ

社会人になったら揃えておきたい、基本的な喪服と道具とは

・喪服を初めて揃えるなら、一般的な準礼服から揃える
・葬儀用のバッグにも基本マナーが。布製のハンドバッグを用意
・靴は光沢のない黒のパンプス。布製が基本ながら革製でもOK
・準礼服の葬儀には黒、略礼服のお通夜では肌色のストッキング
・弔事用のハンカチは白が基本。レースや異素材でも白のものを
・初めての数珠は、宗教・宗派に関係ない「略式数珠」を選ぶ
・不祝儀袋を渡す際に必要な「袱紗(ふくさ)」も準備して


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